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ビジネスマンが身につけたいココロの掃除習慣

伸びる会社は「ココロの働き方改革」を行なっている! (1/3)

島津清彦(しまづ きよひこ)

人財・組織・経営を熱くする「発熱組織プロデューサー」
株式会社シマーズ 代表取締役

前職スターツグループでは、取締役人事部長として延べ6,000人の採用面接を行い、急成長する組織の人事制度・風土改革を実行。その後グループ会社2社の経営トップとして、1社は5年間で約5億5千万円の営業損益を改善、1社は過去最高益を達成する。これらの現場体験から得た経営の「実践知」を日本の企業に広く提供すべく、2012年に独立起業。人財・組織開発・経営コンサルティング会社を設立。同年、得度し仏門入りしてからは、企業・教育機関・官公庁などで禅をベースとしたコーチング・研修・講演活動を行なっている。

<研修実績>金融庁、資生堂、富士ゼロックス、クレディセゾン、富士通、凸版印刷、読売新聞東京本社、三井化学など多数。

> シマーズの禅ZEN研修・実績


今、研修で瞑想を導入している企業が増えています。この流れは欧米でGoogle、インテル、フェイスブック、ツイッター、ゴールドマンサックスといった世界的企業が「マインドフルネス」という名で瞑想を実践していることから広く知られるようになったといわれています。

元々アップルの故スティーブ・ジョブズが禅に造詣が深かったことは有名ですが、禅を実践した人々が、その集中力向上、ストレス耐性の向上、自己認識・自己制御力の向上といった効果を実感していることから、今その人気に火がついた、といえるでしょう。

日本でもビジネスパーソンの働き方改革など、ワークスタイルが問われる昨今、設備などファシリティの最適化と共に、「心」の取り扱いについても注目が高まっています。

今回ご紹介する株式会社シマーズの島津清彦氏は、上場企業の社長を経て起業、そして出家しています。ビジネスマンとして、そして僧侶としての二つの視点から「働き方」「禅」を捉えられる稀有な存在です。そんな島津氏に「ビジネスマンにとって禅がどのような効果をもたらすのか」を伺いました。

上場企業の社長の座を捨てたら「禅」と出合えた

(編集部) 島津さんは、以前はバリバリのビジネスマンだったそうですが、どのような経緯で「禅」と出合われたのでしょうか?

 

(島津氏) 私は新卒でスターツコーポレーションに入社、2001年取締役人事部長となった時に、組織の人事制度・風土改革に取り組み、その後ホールディングスの専務を務めました。2007年にはスターツファシリティ—サービス(株)、そして2011年にスターツピタットハウス(株)の代表取締役社長として、現場とのコミュニケーションを重視した事業運営を行なうなど、バリバリのビジネスライフを過ごしていました。

41歳で専務になり、海外事業を統括した際には、新規出店や既存店の改革がミッションでしたが、自身の傲慢な態度や拙速な改革が原因で部下から反発がおこり、賛同者がいなくなってしまいました。

課題解決どころか業務が全く進まなくなってしまった結果、顔面麻痺になりました。精神的にかなり追い込まれていたのでしょう、出勤時に会社で食べようと思いテイクアウトで購入したファストフードの朝食を気づいたら紙袋に入れる前に手に取り、トレイのまま会八重洲の地下街を歩き会社にもって行ってしまいました。

社員から「どうしたんですか?」の一言でハッと気づくといったことがあり、これは精神的に「かなりまずないな」と自覚しました。そこでこれまでの自分の仕事の進め方を見直し、スタッフに謝罪しました。その頃です。「今までは自分のためばかりだった、これからは人のために生きよう!」と決意したのは。

その後グループ企業の社長をしていた時に、東日本大震災が起こり、私の家も液状化で大規模半壊となってしまいました。そんな状況でも会社では日々膨大な量の社長業に追われており、個人として復旧に向けて家庭や近隣のコミュニティがまとまらないといけない大変な状況であっても手が回らない、そんな日々が続いていました。

「人としてこのままでいいのか?」・・・と自問自答を繰り返し、会社を辞める決断をしました。独立し家族のためにも地域のためにも自分で時間をコントロールできるようなスタイルでビジネスを行いたかったのです。

そこで自分自身のビジネスキャリアを棚卸しし、経営での実践知や人事部長だったころに6000人を超える採用面接や研修を行なっていた経験を活かし、人材育成、リーダーシップ開発、組織開発などを行う「人と組織に関するコンサルトタント」として独立起業し、再出発したのです。

「禅」との出合いは独立後まもなくやってきました。上場企業の社長の椅子をあっさりと手放し「人、心を中心に据える」哲学を語る私の姿に「禅の精神」を感じたという知人から坐禅を勧められ、その後、ご縁もあり曹洞宗で出家得度しました。

そこで得た「禅」による先人の智慧と、自分自身が痛感していたストレスフルなビジネス社会を融合し、「自分の中に軸をつくること」の大切さを伝え広めるため、現在は禅の智慧を活かした企業研修、セミナー、坐禅会、講演、出版活動などを行なっています。

上場企業の社長の座を捨てることで得られた「禅」の道こそが、自分がこれから進むべき道だと確信しています。

 

(編集部) 「禅」は海外でブームとなっているようですが、なぜ今注目を集めているのでしょうか?

 

(島津氏) 禅(ZEN)はアップルの故スティーブ・ジョブズ、オラクルのCEOラリー・エリソン、Google の元CEOエリック・シュミットなどの著名人が、集中力をたかめイノベーションを生む思考を得るマイントフルネスとして実践していたことでも話題になりました。

その影響もあり、最近では多くの企業やビジネスパーソンが導入しています。特にGoogle社の取組みからも「科学的に効果がある」ということが浸透、、日本でも逆輸入という形でさまざまな企業が社員のストレス対策や、チームビルディングといった効果を求め導入し始めているのです。「禅」を取り入れない企業はむしろCOOLではない、といった時代に入っている、といったところでしょうか。