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ビジネスマンが身につけたいココロの掃除習慣

伸びる会社は「ココロの働き方改革」を行なっている! (3/3)

島津清彦(しまづ きよひこ)

人財・組織・経営を熱くする「発熱組織プロデューサー」
株式会社シマーズ 代表取締役

前職スターツグループでは、取締役人事部長として延べ6,000人の採用面接を行い、急成長する組織の人事制度・風土改革を実行。その後グループ会社2社の経営トップとして、1社は5年間で約5億5千万円の営業損益を改善、1社は過去最高益を達成する。これらの現場体験から得た経営の「実践知」を日本の企業に広く提供すべく、2012年に独立起業。人財・組織開発・経営コンサルティング会社を設立。同年、得度し仏門入りしてからは、企業・教育機関・官公庁などで禅をベースとしたコーチング・研修・講演活動を行なっている。

<研修実績>金融庁、資生堂、富士ゼロックス、クレディセゾン、富士通、凸版印刷、読売新聞東京本社、三井化学など多数。

> シマーズの禅ZEN研修・実績


ココロの調え方を知ろう

(編集部) 多忙なビジネスパーソンだと、坐禅を行なう時間もとりづらいと思いますが、どのようにしたら良いのでしょうか?

 

(島津氏) まさにその多忙な人こそ「禅」が必要なのです。

禅の教えには「 行住坐臥(ぎょうじゅうざが)」というものがあります。

「行」(歩くこと)、「住」(立ち止まること)、「坐」(すわること)、「臥」(横たわること)のそれぞれが人間の基本動作を表し、禅の修行は日常生活においても行なえるという意味となります。

「坐禅」というと「畳の間で足を組まないといけない」と捉えている人が多いのですが、そんなことはありません。会社のデスクや社員食堂などで短い時間で行なう方法がありますので、ご紹介しましょう。

 

坐禅のポイントは「調身」「調息」「調心」

(島津氏) 坐禅のポイントは「ひと呼吸」をして、自分の意識を「いま、ここ」に戻すこと。それができたら次に坐禅になりますが、「調身」「調息」「調心」の3つを行ないます。

<調身>
服装は体を締め付けずにゆったりとしたものを選び、時計やアクセサリーなどは外します。姿勢はととのえ、視線は畳半畳先を半眼にしてながめます。

<調息>
坐禅は呼吸法が大切です。おへその下のおなかの部分(丹田)に意識を集中させて、鼻から吸い、「静かに、細く長く」口から吐きます。いわゆる丹田呼吸です。呼吸が調ったら口を閉じて鼻だけの自然呼吸に切り替えます。

<調心>
頭に様々な雑念が浮かびますが、その雑念を無理やり消そうとせずに、受け入れ、観察し続けます。その状態を受け入れた上で、意識をまた呼吸に戻すと、自然と心も調ってきます。

デスクや社食でできる5分禅

(編集部) 会社でできる禅の方法があれば教えてください。

 

(島津氏) 会社の自分のデスクや社員食堂でも行なうことができますので、ぜひ実践してみてください。

オフィスで行なう坐禅としておすすめしたいのが「イス坐禅」です。

ポイントは

  1. 「浅く」腰をかけます。
  2. できるだけ背すじを伸ばし姿勢を良くします。
  3. 頭のてっぺんを天井から糸で吊るし、背骨を立て背骨に頭をしっかりのせるイメージをします。
  4. 姿勢が整ったら、目は軽く閉じ、手は法界定印を組みます。
  5. 顔の筋肉を緩め、目は閉じたまままぶたの隙間から見える斜め下の方を「ボーッ」と見つめます。
  6. 続いて呼吸ですが、まずは「ふーっ」と息をしっかりと口から吐き切ります。吐き切ったら鼻から吸います。
  7. 「口で吐く」「鼻で吸う」。3回このしっかりと深い呼吸を繰り返したら、口を閉じ鼻での自然な呼吸に切り替える。
  8. 呼吸に意識を向け、自分の呼吸が鼻腔を行ったり来たりするのをただ感じること。頭の中に浮かんでくる雑念を客観的に観察しつつ、意識をまた自分の呼吸に戻します。

(雑念が浮かぶことは悪いことではなく、むしろ当たり前のことです。回数を重ねていくと少しずつその雑念は小さくなり、坐禅そのものに集中できるようになります)

 

私も初めて坐禅を組んだ際、眠くなってしまい「これは自分には向いていない」と感じたものです。最初は眠くなっても気にせず続けてみてください。2回3回と繰り返すうちに目が覚めて頭がすっきりしてくるでしょう。

坐禅を行う時間ですが、最初は「無理なく」5分くらいから始めて、慣れてきたら10分20分と時間を長くしていってください。

(編集部) 最後の質問です。「禅」とは何でしょうか?

 

(島津氏) 禅とは何か? 実はこれほど難しい質問はないんです。私自身修行を通して「禅」を追い求めていますが、禅の教えそのものが「不立文字(ふりゅうもんじ)」つまり文字や言葉で言い表せない実践的なもので、頭で理解するものではなく、体得するものだからです。

禅の大家鈴木大拙(1870〜1966)は「禅とは自己の存在の本性を見抜く術であって、それは束縛からの自由への道を指し示す。言い換えれば、我々一人一人に本来備わっているすべての力を解き放つのだ、ということもできる」

と説いています。

禅を学び、座禅を実践することで、誰でも「束縛からの自由」を得るためことができる、そして「我々一人一人に備わっているすべての力を解き放つ」とも言っています。さらに

「それは我々の心に生まれつき備わっている創造と慈悲の衝動を、すべて思うままに働かせることである。一般に、我々はこの事実、すなわち、我々は自分を幸福にし、互いに愛し合って生きていくのに必要な機能をことごとく備えているのだという事実に気付かないでいる」

であると。

「答えはすべて自分の中にある」

禅を学び実践することで、私たち誰もが生まれつき持っている「答え」にたどり着くことが可能となり、社会に対して真に貢献することが可能となっていくことでしょう。