秋の深まりを感じる十月。社食ドットコムでは毎年恒例の参拝があります。それは、「社食の神様」と私たちが考えている伊勢神宮外宮、豊受大御神(とようけのおおみかみ)への参拝です。外宮の豊受大御神は、内宮の天照大御神(あまてらすおおみかみ)の食事を司る御饌都神(みけつかみ)として篤い信仰を集めています。「食」を司る神様として、私たち社食業界の人間にとっては、まさに業界の発展と、そこで働く人々の健康を願うために欠かせない存在なのです。
今年の参拝は、和歌山での取材を終えるところから始まりました。某団体の企業食堂を取材し、その熱意と工夫に触れた後の充足感とともに、旅の途につきます。その後、打ち合わせを1件終え、古都・奈良で一泊し、翌朝、神宮へと向かう電車に乗り込みました。
奈良から伊勢へと向かう道中は、まさに日本の秋の魅力を凝縮したような旅路でした。車窓の外を流れるのは、黄金色に染まり始めた稲穂が揺れる田園風景と、緑深い山々。時折、青く澄んだ川面が輝き、日本の原風景ともいうべき美しい景色が展開されます。カタン、カタンという電車のジョイント音のリズムが心地よく、身体全体が旅の高揚感に包まれます。取材の緊張から解き放たれ、ただただ移りゆく景色を眺めていると、心も豊かに満たされていくようでした。旅の醍醐味は、目的地に到着するまでのこうした「間(ま)」にあるのだと改めて感じます。

電車に揺られ、やがてたどり着いた伊勢の地。伊勢市駅から外宮までは徒歩で5分程度です。凛とした空気の中、外宮の参道を進みます。手水舎で身を清め、一歩一歩、玉砂利を踏みしめる音だけが響く神聖な空間に身を置くと、自然と背筋が伸びます。
社食の神様「豊受大御神」に向け、社食業界の現状と、今後のさらなる発展、そして何よりもそこで働くすべての人の食が豊かであるように、真摯に祈りを捧げました。神様の御前で誓いを立てることで、私たちの活動の意義を再認識し、また一年、新たな活力を得られた気がします。
豊穣の秋の伊勢路は、単なる移動ではなく、心と体を整えるための「心を整える時間」でした。この旅で得た清々しい気持ちとエネルギーを胸に、これからも「食」を通して、皆様の日常に貢献できるよう努めてまいります。