最近の社員食堂は、単に栄養バランスを考慮した食事を提供するだけでなく、社内コミュニケーションの促進や創造的なアイデア創出、午後からの業務に向けてのリラックス促進の場としても利用され始めています。ワークショップやミニイベントの開催、さらにリラックススペースやカフェエリアの導入など、多様な取り組みが展開されています。社員食堂が「食べる場」を超えて、働きやすい環境づくりや企業文化の醸成に貢献している現状を、今回の特集で詳しくご紹介します。
今回ご紹介するのは、セガサミーホールディングス株式会社。同社ではコロナ禍で失われかけたコミュニケーションを活性化するための施策として専用スペースを設置するなど、社員食堂の積極的活用を行なっています。その意味合いや今後の展望などについて、お話をうかがいました。
今回インタビューをお受けいただいた方々
【プロフィール】
伊藤 愛美(ITOH,Emi)
セガサミーホールディングス株式会社
総務本部コミュニケーションサービス部コミュニケーション推進課
吉岡 若葉(YOSHIOKA,Wakaba)
セガサミーホールディングス株式会社
総務本部コミュニケーションサービス部カルチャー推進課
【会社概要】
セガサミーホールディングス株式会社
セガサミーホールディングスは大手パチスロ・パチンコメーカーのサミーとゲームメーカーのセガ及び両社の関連会社等の持株会社。
本社所在地:東京都品川区西品川一丁目1-1 住友不動産大崎ガーデンタワー
Webサイトアドレス:https://www.segasammy.co.jp/ja/
目次
1. 貴社が「食」以外に社員食堂に求める主な目的について教えてください
伊藤 大崎本社には、約20社のグループ会社が集まり、それぞれのフロアで業務を行っています。そんな中、社員食堂である「JOURNEY’S CANTEEN」は、各フロアに分散しているグループ会社の社員が唯一一堂に会することができる貴重な場所として機能しています。この食堂は単なる「食事をする場所」ではなく、会社や部門の垣根を越えて社員同士の交流を促進し、グループ全体のシナジーを高める重要な役割を担っています。
「JOURNEY’S CANTEEN」では、日常のランチタイムを通じて自然な交流が生まれるだけでなく、特別なイベントが定期的に企画されており、これが社員間のコミュニケーションをさらに活発化させるきっかけとなっています。たとえば、新作タイトルの発売時やグループ会社の設立記念日、ハロウィンといった節目のイベントでは、特別なイベントメニューが提供されます。これにより、普段は業務に追われている社員たちがリラックスしながら、グループ内の他の会社について理解を深める機会を持つことができるよう工夫されています。
また、こうしたイベントは、仲間との新たなつながりを作る場としても機能しています。通常の業務では接点のない他部署や他グループの社員とも、イベントを通じて気軽に会話を交わすことができ、これが全体としての結束力を高める要因となっています。特に、イベントの際には盛り上がりが増し、社員間の連帯感が強まることで、業務外の場での新しいアイデアの共有や協力体制の強化にもつながっています。
このような取り組みによって、「JOURNEY’S CANTEEN」は単なる食事の場以上の存在となり、社員のモチベーション向上やグループ全体の一体感醸成に大きく寄与しています。これにより、社員同士のコミュニケーションが活性化され、グループ全体のシナジーが向上し、企業全体の発展にもつながっています。
2. 社内で提供されている福利厚生について教えてください
伊藤 現在、当社が提供している福利厚生や食事に関するサービスには多岐にわたる取り組みが含まれています。まず、社員の生活支援の一環として企業内保育所「そらもり保育園」を運営しており、社員の育児をサポートしています。これにより、育児と仕事の両立が図れるようになり、安心して働ける環境を提供しています。
また、国内の社員食堂を有さない拠点に対しては、社員が外部の提携レストランやデリバリーサービスを利用する際に補助を受けることができるサービスを利用しています。これにより社員食堂がない環境でも社員が手軽に食事を楽しむことができるようになっています。食事の選択肢が広がり、健康的な食生活をサポートする取り組みが進められています。
加えて、セガサミーグループ従業員限定のポップアップストアによる即売会も定期的に実施されています。この即売会では、スウィーツが提供されたり物産展が開催されたり、社員に特別な商品を手に入れる機会が設けられています。こうしたイベントは、社員同士のコミュニケーションの活性化や、会社全体の士気向上にも寄与しており、福利厚生の一環として非常に人気があります。
これらの取り組みにより、当社は社員の働きやすさや満足度を向上させるだけでなく、企業文化の強化や組織全体の結束力を高めることを目指しています。
3.社員食堂において、「食」以外の活用や取り組みはどのようなものがありますか?
吉岡 はい、弊社には社員食堂の一角に「FREEPORT(フリーポート)」というスペースがあります。FREEPORTは、社員同士のコミュニケーションを活性化し、交流の場としての機能を強化することを目的として設置しています。
リラックスできる環境を提供することで、社員のエンゲージメントを向上させると同時に、会社や部署の垣根を越えた新たなコミュニケーションの機会を生み出しています。これにより、部門をまたいだ交流や役職の垣根を越えた交流の場が提供され、企業全体の結束力が強化されています。
具体的には、社員が自由に利用できる無料ドリンクのサービスが充実しています。フレーバーウォーターやホットコーヒーが常に提供され、「3」のつく日には特別に炭酸水が用意されるほか、夏の期間にはアイスティーやアイスコーヒーが提供されます。このような飲み物のサービスは、社員がリラックスし、日常の業務の合間に気軽に休憩を取れる環境を整えています。
さらに、FREEPORTには専属のスタッフが常駐しており、社員同士のコミュニケーションをサポートしています。これにより、社員同士が自然な形で会話を楽しみ、リラックスした雰囲気の中で交流する機会が提供されています。このようなコミュニケーションの促進は、業務外でのリフレッシュ効果を高めるとともに、社内のチームワークを強化する重要な要素となっています。
この取り組みの結果、社内では多くのポジティブな変化が生まれています。利用者からは「自由なコミュニケーションで気分転換ができる」「業務のオンとオフの切り替えがしやすくなり、効率が向上した」という声が寄せられています。また、普段は話す機会が少ない他のグループや部署の社員とも気軽にコミュニケーションを取れるようになり、グループ全体としての一体感が醸成されているという意見もあります。さらに、このリラックスした環境が新しいアイデアの創出にもつながり、「この会社に入ってよかった」といったポジティブな感想も多く寄せられています。
このように、社員同士の交流を促進する環境整備が、企業のエンゲージメント向上や新しいアイデアの創出に大きく貢献しており、組織全体の活性化につながっています。
以上、セガサミーホールディングスの社員食堂における、「食」以外の取り組みを紹介いたしました。
ありがとうございました。
(聞き手/社食ドットコム編集部)
会社名 | セガサミーホールディングス株式会社 |
所在地 | 東京都品川区西品川一丁目1-1 住友不動産大崎ガーデンタワー |
公式WEBサイト | https://www.segasammy.co.jp/ja/ |