
「国会カレー」や「国会弁当」も! 日本を決める国会議事堂の食堂とは?
各都道府県の特産品や被災地の食材利用など、日本のためにという気概が満載
東京都千代田区永田町にある国会議事堂は、大蔵省臨時議院建築局の設計で1920年(大正9年)1月30日に地鎮祭が行なわれ、1936年(昭和11年)に竣工されており、正面から見ると左側に衆議院、右側に参議院となっています。
今回ご紹介する3つの食堂は、国会議員のための食堂で、国のために多忙な公務をこなす衆議院議員(任期4年・解散有り)475人、参議院議員(任期6年・解散無し)242人の胃袋をしっかりサポートしています。
日本の未来を決める国会議事堂内の食堂では、どのような料理が提供されているのでしょうか。またそのお値段は・・・?
それでは早速ご紹介いたしましょう!
国会議事堂
(画像提供 参議院)
議事堂正面 中央玄関 中央広間のモザイク 議員登院口 議長席から見た議場 参議院議場 議長応接室 御休所 前庭遊歩道と噴泉
参議院議員食堂
参議院議員食堂には寿司やうな重、お弁当などを提供する「初花」と、定食や丼物、カレーやパスタ、うどん、ドリンクなどを提供する「レストランモア」の2店があります。
内観 内観 テーブル テーブルに置かれている議員席の木札 各省庁の木札 食堂のショーケース
<初花メニュー例>
北海丼 1,230円 特選寿司 1,500円 幕の内弁当 1,620円
<レストランモアメニュー例>
国会カレー 700円
(23種類の野菜ジュースと玉ねぎ、和牛にスパイスを調合し、じっくり煮込んだ薬膳の香りが漂う)豚しゃぶ 800円 週替わり和風パスタ(山菜パスタ) 670円
国会中央食堂
その名の通り、国会の中央に位置する食堂。国を動かす議員に美味しいものを食べて元気を出してもらいたいとの思いで、鶏料理を中心として、そば、うどん、パスタやカレー、ドリンクなどのメニューを提供しています。
中央食堂の入口(廊下から) 中央食堂の入口(中側から) 内観 内観 内観 テーブル 支柱 スタンドライト ソファコーナー スペシャルランチプレート 870円
(ご飯・健康コラーゲン・メインおかず2品、小鉢、サラダ付き。メインはコラーゲン鶏メンチ/チキン南蛮/熟成ハンバーグ/さばの味噌煮/サワラの西京焼などから2品チョイス)「じゃじゃ麺」(スープ付) 780円
(月替りで各都道府県のメニューも提供されている。この月は岩手県の名物料理)親子ライス(トリグラスソース)700円
(親子丼を洋風にアレンジした料理)
衆議院議員食堂
衆議院議員食堂には参議院議員食堂同様寿司やうな重、お弁当などを提供する「初花」と、定食や丼物、カレーやパスタ、うどん、ドリンクなどを提供するお店「レストランモア」の2店が入っています。国会議員であればどの食堂でも利用できます。
衆議院議員食堂の入口 内観 内観 内観 内観 天井 電話ボックス ショーケース ショーケース
<初花メニュー例>
国会弁当(特上) 1,620円
(黄身おぼろを乗せたご飯が国会議員のバッヂを模していることから国会弁当と名付けられている)国会弁当(洋特) 1,620円 初花スペシャル 1,030円
<レストランモアメニュー例>
オムライス&エビフライ 1,010円 明太スパゲティー 700円 国会カツカレー 1,010円
(23種類の野菜ジュースと玉ねぎ、和牛にスパイスを調合し、じっくり煮込んだ薬膳の香りが漂う)
まとめ
国会議事堂の敷地面積は10万3001m2、建築面積は1万3356m2。鉄骨鉄筋コンクリート造で壁面は花崗岩を使用して作られています。設計は一般公募を行ない、宮内省技手の渡邊福三氏の案が選ばれましたが、その後当選案を元に大蔵省臨時議院建築局が実際の設計を行なっています。洋風な印象を受けますが、材料・設計とも純国産を目指した日本を代表する建築物なのです。
さて、今回ご紹介した3つの食堂はそれぞれ国会議事堂内にあります。そんな食堂の内観ですが、日本の歴史がつくられてきた場所に相応しい厳かな雰囲気が漂っており、内装や飾られている調度品からも高級料理店のような佇まいです。その一方、料理の種類や値段自体は極めて庶民的と言え、雰囲気とのアンバランスさを感じるほどです。
しかし、議員食堂の目的は、多忙な国会議員が健康的な料理をなるべく早く食べ終えられることができること、そしてその束の間のひと時に国政への英気を養うことです。そのため各食堂で用意されているメニューは極めて実利的であるといえます。また「国会弁当」「国会カレー」など、利用する国会議員も楽しめるメニューを用意するなど、味以外にも創意工夫がなされています。
このように、各食堂の料理はそれぞれが国会議員のためにとの思いで提供されていることはもちろんなのですが、月替りで各都道府県の特産品を紹介したり(衆議院所轄の国会中央食堂)、東日本大震災の被災地の食材を利用するなど、食堂側も 「日本のために」という意識が高く、その思いは、国会議員に勝るとも劣らないものがあると感じずにはいられませんでした。
<ご注意ください>
国会見学は衆議院・参議院それぞれが行なっており、見学することが可能ですが、今回ご紹介した食堂は特別の許可をいただいた上で掲載しており、通常の見学コースではこれらの食堂への入館はできません。あらかじめご了承ください。
<参議院の国会見学についてはこちら>
参議院の WEBサイト
<衆議院の国会見学についてはこちら>
衆議院のWEBサイト
東京都千代田区永田町一丁目7番1号
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。