今回ご紹介するのは三菱地所株式会社。1937年に三菱合資会社より「丸ノ内ビル」並びに同敷地の所有権及び丸の内地区ほかの土地建物営業権を譲り受け、設立されました。オフィスビル・商業施設等の開発、賃貸、管理だけでなく、近年は物流施設の開発や空港運営まで行なっており、2019年度の営業収益は約1兆2632億円、従業員数は899名(連結9,439名)という、日本を代表する総合不動産会社です。
同社は2018年1月に本社を「大手町パークビルディング」に移転。それ以来「常に進化するオフィス」「街づくりに活かすオフィス」というコンセプトの元、従来になかったさまざまな取り組みを実施しています。
そんな取り組みのひとつとして同社が注力したのが社員食堂です。「社員食堂」としての役割のみではなく、社内外の様々な人々が集い、ランチタイムのみならず1 日中活用可能な新しいワークプレイスとしてのカフェテリアを目的とした「SPARKLE(スパークル)」を新設しています。
三菱地所の本社が入居する「大手町パークビルディング」。 大手町駅に地下で連結しています。 3階にあるエントランス。受付周りは木と緑を組みあわせた「PARK」の大木をイメージしています。 会議後の打ち合わせで腰を掛けて会話や、見学ツアーのプレゼンテーション、ワークショップなどを実施できる社内外のつながりの場「MEET-UP」 執務フロアに配置された、止まり木を意味する「PERCH」。文具や軽食などが集約されており、ワーカー同士を繋げる場に。 自由な発想を促す、大胆な内装デザインに満ちたWORK PLACEエリア。 アウトドア+プライベート空間を連想させる「GLAMPLE(グランプル)」エリア。 社員食堂「SPARKLE」のエントランス。手書きのウェルカムウォールがお出迎え。 今回ご案内いただく佐々木さん。よろしくお願いします。 ランチ営業は11:30〜14:00。座席数は全241席(ラウンジ含む)。1日約500食が提供されています。 アイドルタイムだけでなく、利用者が賑わうランチタイムでも打ち合わせが可能です。 【日替わりSALAD】リーフ、ブロッコリー、きゅうり、チェリートマト、コーン、海藻、サラダチキン、サラダほうれん草、ゆで卵 【DELI/COLD】豆もやしのナムル、きゅうりとわかめの酢の物、 小松菜と油揚げの煮浸し、トマトと香味野菜のサラダ 【DELI/HOT】肉じゃが、豆腐と椎茸の玉子焼、焼き味噌豆腐、焼うどん お昼になり、利用者が増えてきました。メニューは社内イントラで事前にチェックも可能です。 普通に利用されているこの方、なんと吉田社長です。そう思うと料理を受け取るというより、表彰状を渡しているかのように見えますね。 利用対象は本社社員850名と、近隣のグループ企業の社員、ゲストとなっています。 フレックスのため、12時に利用者が集中するのではなく、ちょうど良い具合に利用者が分散しているそうです。 さまざまな利用方法を想定し、ボックス席や1人席など多様な座席を用意。 朝7:00〜8:30は無償で朝食(主菜、副菜、ドリンクから1品ずつ選べます)が提供されています(1日100〜120食)。 奥のラウンジとの仕切りガラスには、丸の内を東京方面から見た時のビルのスカイラインを模しています。 セキュリティは、顔認証と指紋認証を導入しています。 気軽に打ち合わせなどができるよう、ソファ席を中心に全108席用意されています。 厳選された本が並び、社員には貸し出しも行なっているライブラリーコーナー。 【MEAL A】野菜たっぷり鮭のちゃんちゃん焼き風 【NOODLE】花椒を効かせたしびれうどん 【BOWL】アボカドとチキンのハニーマスタード丼 【SALAD and DELI BAR】SALAD(日替わり9種)、DELI(日替わり8種 COLD/HOT)盛り付け1回のみ、サイズS/L 【VOICE】「地方のグループ企業とのコラボメニューなど、食堂を通していろんな人とつながっていると感じる」 【VOICE】「社員食堂で、他部署の人と話す機会が増えて人間関係が潤滑になりました。ちょっとした依頼がしやすくなりましたね」 【VOICE】「社食がない時は、すぐ食べ終われるところへ行っていましたが、今はゆっくりコミュニケーションが取れます」 【VOICE】「朝も昼も社食で食べています。前日が飲み会の日などは、デリにして野菜を多めに摂るようにしています」 サンドウイッチなどの軽食とコーヒー、紅茶などのドリンクが提供されているカフェ。営業時間は朝7:00〜19:00。 社員食堂内での打ち合わせ時には、専用アプリからオーダーをすると、ドリンクが席まで運ばれてきます。 運ばれてきました!左はコーヒー、右は紅茶です。「SPARKLE」のロゴ入りですね。 社員の健康増進をサポートしつつ、「食」がもたらすワークプレイスにおける新たな可能性も模索する三菱地所の社員食堂「SPARKLE」でした。
まとめ
コミュニケーションからイノベーションを生む社員食堂
2018年に本社を29階建ての「大手町パークビルディング」の3階から6階の一部となる4フロアに移転した三菱地所。移転の際の働き方のキーワードとなったコンセプトが「Borderless!×Socializing! from MEC PARK」というもので、これは「あらゆる境界を無くし、本当の意味で人と人が繋がり力が発揮できる空間へ」という意味となります。
具体的には会社として社内外の人の出会う機会や共創、部署や年齢・性別の壁がなく意見交換できる、心身ともに健康で充実して日々を送れる、といった指針を掲げています。
そんな中、社員食堂「SPARKLE」は産声をあげました。
「“SPARKLE”という言葉には『輝き・ひらめき・きらめく』という意味があり、食堂を訪れた様々な人がコミュニケーションを取り、美味しい食事や快適な空間を利用する中で“ひらめき”や“発想”を生み出し、弾けていってほしいという思いが込められています」(ファシリティマネジメント室/佐々木氏)
さらに食堂の名前に含まれる「PARK」から「木」「雲」「石」「緑」という素材を内装に活かしながら、オフィス内にあるとは思えないリラクゼーション空間となっています。
また、ラグビーワールドカップが開催された際には、日本の対戦国の郷土料理がメニューで提供されたり、同社が運営している空港のカフェで提供しているものを社食で提供したり、全国の関係企業や公共団体とのコラボメニューの提供、といった食を通じての様々な交流や、食堂内のスペースでのアーティストとのコラボなど、いろんな繋がりも広がっており、その取り組みはまさに「Borderless!×Socializing!」といえるものです。
社員とグループ企業の社員が利用できる社員食堂で、在館数の約7割という高い利用率は「SPARKLE」が食事を摂るだけの場所ではなく、さまざまなコミュニケーションを誘発し、イノベーションを生み出す場所として活用されていることの証左といえるでしょう。三菱地所の社員食堂でした。
東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビル
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