【栄養食】社食運営会社に「社員食堂の魅力」について聞いてみました

社食ドットコムが(一社)日本能率協会と行なったアンケート調査によると、「社員食堂を有している企業」では約90%超の社員が「社員食堂があった方が良い」と回答し、社員食堂の価値を認めている一方、「社員食堂を有していない企業」の社員で「社員食堂があったほうが良い」と回答しているのは約60%に過ぎませんでした。このことから、「社員食堂を有していない企業には、社員食堂の良さが十分知られていないのではないか」と推測されます。

新型コロナウイルスの収束が見えない昨今、社員食堂各社は社食業界の市場拡大のためにも、社員食堂の良さを「社員食堂を有していない企業」にも広くアピールする必要があると考えられます。そこで社食ドットコムでは、企業の枠を超えて社員食堂の良さを伝えていただけるよう、さまざまな社員食堂運営会社の方々に社員食堂のメリットや今後の方向性について、お話ししていただきます。

今回は栄養食株式会社の新規事業第一部野本部長と栄養サービス部立花 部長にお話を伺いました。

(聞き手/社食ドットコム編集部:文中敬称略)

野本 貢(NOMOTO Mitsugu )/栄養食株式会社 上席執行役員,新規事業統括部長,新規事業第一部長
1960年広島生まれ。79年第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。西銀座支店課長・本部審査部・所沢支店副支店長、本部コンプライアンス統括部統括参事役・方南町支店長を経て、2012年栄養食株式会社入社。栄養食メディカル株式会社 執行役員 統括部長・栄養食株式会社 執行役員 新規事業第一部長を経て現在に至る。

立花 紀子(TACHIBANA Noriko)/栄養食株式会社 執行役員,栄養サービス部長
大学卒業後、栄養士免許取得。栄養食株式会社入社後、管理栄養士免許取得。2001年栄養相談PT発足、2005年食育コンクール(農林水産局長賞)受賞。各都道府県保健所、栄養士専門学校、管理栄養士課程大学にて講演・講義を行う。栄養サービス室長、栄養サービス部長を経て現職。

栄養食株式会社 
1938年10月、給食業界の草分けとして創業されて以降、80年以上にわたり給食専業会社として評価と信頼を得て、今では、大手銀行の本店や支店を始め、一流企業・名門小学校・大学など首都圏を中心に250箇所の現場を有している。社是は「働く人に楽しい食事を」・「集う所に楽しい食事を」本社所在地 東京都品川区大井7丁目29-6 
Webサイトアドレス http://www.eiyo.co.jp


野本 貢(NOMOTO Mitsugu)/栄養食株式会社 上席執行役員,新規事業統括部長,新規事業第一部長

Q1.最近の社員食堂を取り巻く環境について教えてください

野本 社員食堂の環境についてですが、「稼働している社員食堂の状況」と「社員食堂の新規の設置について」の2つの面について現状をお伝えします。

まず、「稼働している社員食堂の状況」についてですが、当然ながら現在はどの社員食堂でも感染症対策を行なっています。感染症対策については、利用前のアルコール消毒、アクリル板の設置、使用後の消毒、換気、ビュッフェの廃止、集中して利用しないように営業時間の延長を行うなどクライアント企業のご協力の上で対策をとっています。もちろん食堂スタッフには体調管理や検温、手指の消毒、施設の消毒等々十分な対策をしています。
社員食堂は、コミュニケーションスペースとしての役割も大きいと思いますが、現在は通常時以上に安心・安全が最優先となっているので、黙食や距離を空けて利用するためコミュニケーション機能は大幅に縮小していますが、一方で不特定多数の人が集まる場所ではないため、安心・安全と認識されています。

次に「社員食堂の新規の設置について」ですが、コロナ禍の今、テレワークや出社制限などの影響もあり「社員食堂を新規に作る」という案件は以前より少なくなっているように感じています。しかし、その一方で、既存の社員食堂をリニューアルしたり、社屋移転に伴うリニューアルを希望されている企業が増えています。そして、その際に「どのような使い方ができるのか?」といった食事以外での活用を視野にいれた社員食堂を求めていらっしゃる企業が非常に多い。

これらのように、コロナ禍における社員食堂を取り巻く環境は従来とは大きく変化してきています。

Q2.社食ドットコムでは「社員食堂を有していない企業の方は、社員食堂のメリットを十分把握できていない」と捉えています。そこであらためて「社員食堂のメリット」について教えていただけますか?

立花 社員食堂のメリットは多々ありますが、弊社がもっとも重視しているのが「食事としての栄養面」です。そこで栄養面に特化して社員食堂のメリットについてお伝えさせていただきます。

社員食堂の最大のメリットは、「ヘルシーである」ということです。栄養士が栄養バランスを考えて作った多種多様なメニューから、毎日選んで食べることができます。そして多くの場合、それが日替わりで提供されます。日替わりということは、毎日違うものを食べているので、摂取する栄養に偏りが起きにくいということになります。
人はどうしても好きなものを選ぶ傾向があるため、毎日同じようなものを食べてしまいます。これでは特定の栄養素の摂取ができない可能性が高くなってしまい、健康を害してしまいかねません。
コンビニ弁当などは見た目や食感を良くしたり、保存を前提に作られているため添加物などの問題も見逃せません。

社員食堂では栄養バランスが優れているメニューが多く、従業員の健康を中長期に渡って「食」で健康管理ができるということが大きなメリットです。
社員食堂は1日3食のうちの1食にすぎませんが、出社時に毎日社員食堂を利用すると仮定すると、月間利用回数は「20回」、年間では「240回」となります。22歳から60歳まで38年間社員食堂を利用すると、240×38=9,120回。この食事がヘルシーかそうでないか、はその人の健康状態に大きく影響を与えるはずです。

企業の経営にあたって、従業員の健康状態の良し悪しは大きな問題です。そのための対策として、「社員食堂でヘルシーな食事」を取り入れることの必要性をもっと認識していただきたいですね。

(次ページへ続く)

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