
1900年創業の凸版印刷株式会社。社名の凸版(とっぱん)は、創業当時の最先端印刷技術であった「エルへート凸版法」から名付けられました。
その後、印刷領域の拡大とともに1959年にはエレクトロニクス事業に進出、1961年にはマーケティング部門を設立するなど事業領域も拡大。近年は「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」の3つの事業分野において、印刷テクノロジーをベースにユーザーや社会の課題解決を行なっています。
現在のグループ企業は国内に約200社、海外に140拠点を展開しており、売上高は1兆4,647億円、従業員数は51,712名(共に連結・2019年3月期)という凸版印刷。今回ご紹介するのはその拠点の一つとなるトッパン小石川ビルにある社員食堂です。日本初の本格的な印刷博物館と、クラシック専用のコンサートホール「トッパンホール」の2つの文化施設に併設するレストランとして開設されたのが「小石川テラス」です。こちらは一般の方も利用できるレストランとして活用されています。
会社創立100周年に竣工された、高さ100mのトッパン小石川ビル。周辺地域へのビル風を考慮し楕円形となっています。 受付横にあるエスカレーターで2階へ。社員以外の利用も可能なので遠慮なくGO! こちらが「食」を通じて文化を発信する社員食堂「小石川テラス」の入り口です。一般の方も利用可能です。 営業時間は平日のみ。ランチタイム11:30〜14:00、カフェタイムは14:30〜17:30、ディナータイムは18:00〜22:00。 座席は中央ゾーンのメインダイニングに82席、その他、壁側のベンチソファ席、ボックスソファ席など計182席。 奥にはリラックスできるローテーブル席も。その横には書籍コーナーがあり、読書も可能です。 営業開始となりました。社員の方以外にも一般の方が続々と入店していきます。 この日は「カンボジアランチフェア」。これは対象メニューを食べると一食当たり20円がユネスコ・アジア文化センターに寄付されるというもの。 メニューはオーソドックスな定食メニューと丼もののボウルランチ、麺類のヌードルランチ、グレードの高いプレミアムランチの4種類。 行列ができるのが社員食堂の良くある風景ですが、こちらはまず席まで案内され、スタッフがオーダーを伺いに来るというシステム。 社員食堂では珍しい紙のメニューも。凸版印刷さんならでは、といえそうですね。ランチは週替わり、それぞれ選べます。 料理を提供する時間を短縮するためにあえてフルサービスではなく、飲み物・デザートはビュッフェスタイル。 近隣の会社の方が利用することも可能ですが、現在は博物館にきた方が利用するケースが多いようです。 こちらはテラス手前の長テーブル席。部署のグループでの利用などあらゆるシーンで使えるよう様々な座席が用意されています。 ヘルスケアメニューだけでなく、メニューには野菜が多いため、健康に気を遣う社員には好評。 落ち着いた雰囲気なので、ランチタイムはもちろんお茶をしにきたり、打ち合わせなどでも利用されています。 【プレミアムランチプレート】稲庭うどん 鴨南蛮汁 ミニちらし寿司 香の物 【一汁五菜ランチセット】人参のおから和え/白菜と玉ねぎのお浸し 柚子風味/旬魚のロースト カレークリームソース(ご飯・味噌汁付) 【プレミアムボウルランチ】チャーサイコー(本日のスープセット) 【ヌードルランチ】チュナンダイ(本日の小鉢1種) 【VOICE】「テラスもあるし、家具もオシャレなので、休日に利用するカフェのようでリラックスできるんです」 【VOICE】「窓が広く明るく開放的な雰囲気でリフレッシュできます。旬の食材が使われているので食事をするのが楽しみ」 【VOICE】「新入社員の頃、同じ部署の方々とこのレストランを利用させていただき、自然と打ち解けたことを思い出します」 同社の育休中の社員が、職場に復帰する前に打ち合わせできる場にもなっています。もちろん子どもも一緒に利用できます。 カフェタイム、ディナータイムではアルコールも提供されています。打ち上げや忘年会などでも利用されています。 一角にある小部屋。予約なしでも利用できますが、予約の上、お客様の接待などでの利用が多いとのこと。 「サービスに心がけていることは、笑顔でお迎えし、笑顔でお送りすること」と語る小石川テラススタッフの辻さん。 「小石川テラス」のテラス。植物は会社の園芸部の方々が管理されています。 印刷博物館に設置された「VRシアター」。高精細画像処理技術などの最新技術が駆使されています。
VR作品『故宮VR《紫禁城・天子の宮殿》』
■製作・著作:故宮博物院/凸版印刷株式会社オフィス棟の2階には、ビジネス顧客向けにトッパン製品やソリューションの展示をしている「PLAZA21」(一般非公開)があります。 1階エントランス近くにある印刷博物館。印刷の歴史的な役割や意義を発信するために作られました。常設展や企画展も開催されています。 客席数408席のクラシック音楽専用ホールとして国内外から高い評価を得ているコンサートホール「トッパンホール」。 今回ご案内頂いた広報部の佐藤課長、西尾氏(左より)。ありがとうございました。
まとめ
2つの特徴をもつ凸版印刷の「小石川テラス」
凸版印刷の「小石川テラス」の特徴は「一般の方も利用できる」こと、そして「積極的にSDGs活動に活用している」という2点が挙げられます。
通常、企業の社員食堂は部外者の立ち入りが許されておらず、当然一般の方は社員食堂の利用もできない場合がほとんどです。しかし、小石川テラスのあるトッパン小石川ビルは、印刷博物館やトッパンホールなど、一般利用を前提とした施設を要しており、あらかじめオフィスエリアとは分けられた設計となっています。そのため一般の方も社員も食堂が利用できるようになっています。
また「積極的にSDGs活動に活用している」という点についてですが、その一例が今回のカンボジアランチフェアです。この取り組みは対象メニューを選んだ場合、その料金の中から一食に付き20円がACCU(公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター)に寄付されるというもので、凸版印刷が2008年から行なっていたカンボジアの女性の識字能力の向上を支援する「トッパンチャリティコンサート」と連動し、本活動をより社内外に周知するための施策として発案されたものです。
従来の社員食堂は「社員のための福利厚生施設」としてサービスの向上が重視されてきましたが、近年は会社が社会と関わる姿勢のを表す場としての要素も加わりつつあります。今後は「社員のため」だけでなく、「地域のため」「地球全体のため」といった視点を取り入れる社員食堂が潮流となっていくことでしょう。
そういった意味でも凸版印刷の「小石川テラス」の取り組みから目が離せません。
トッパン小石川ビル
東京都文京区水道1-3-3
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