社員食堂で働くスタッフは、ただ単に料理を提供するだけの存在ではありません。彼・彼女らは、社員食堂の中心であり、クライアント企業の社員にパワーを注ぐ源となる役割を担っています。毎日の業務に疲れた社員が、おいしい食事とともに一息つく場所、そしてエネルギーを注入し、また午後からの仕事に打ち込めるよう、そして最高のパフォーマンスを発揮できるよう心身の状態を整える場、それが社員食堂です。そしてその背後には、情熱をもって料理を創り出し、ランチタイムを心地よく過ごしてもらおうとする社員食堂スタッフたちの存在があるのです。
社員食堂のスタッフは、多様なバックグラウンドを持ったプロフェッショナルたちから成り立っています。彼・彼女らは、食材の選定からメニューの考案、そして実際の料理まで、一貫してこだわりを持って業務に取り組んでいます。また、健康や栄養バランスを考慮したメニュー提供はもちろん、時には季節のイベントや特別な日にちなんだ特別メニューを考えたり、利用者とのコミュニケーションなど、創造力を発揮する場面も豊富です。
社食ドットコムでは、そんな「社員食堂で働く人」にスポットをあて、社員食堂という場所で働くことの魅力ややりがいなどを紹介します。
【プロフィール】
高橋 龍己 さん
東京都出身。専門学校を卒業後、2019年に株式会社LEOCへ入社。都内の社員食堂事業所へ配属され、調理補助を担当。その後現在の事業所へ異動し、調理業務をメインで担当している。得意料理は「親子丼」。
【会社概要】
株式会社LEOC
LEOCは、1983年に創業以来、コントラクトフードサービスのエキスパートとして、「⼼」のこもった⾷事サービス提供に努めています。北海道から沖縄まで2,800ヵ所以上の施設で⾷事を提供し、オフィス・⼯場の社員⾷堂、寮、学校、スポーツ施設などのB&I分野(ビジネス&インダストリー)と⽼⼈ホーム、病院、保育園、障がい者施設などのHC分野(ヘルスケア)を中⼼に、バランス良くさまざまな業態において⾷事サービスを展開しています。B&I分野で築かれたメニュー開発・企画⼒、HC分野で築き上げた栄養管理の経験やノウハウ、また、グループ内で展開している外食分野における本物の美味しさとブランド力を駆使して、フードサービス業界において総合的にパフォーマンスを発揮しています。全国規模のスケールメリットを活かしつつ、お客様⼀⼈ひとりのニーズに合ったオーダーメイドの提案ができることがLEOCの強みです。
本社所在地:東京都千代⽥区⼤⼿町1丁⽬1番3号⼤⼿センタービル17階
Webサイトアドレス:https://www.leoc-j.com/
1.LEOCとの出会い
私は専門学校で料理を学んだのですが、学生時代、夏休みに入ってすぐくらいのタイミングで企業説明会がありました。その中にLEOCがあり、クックライブという「作っている料理を紹介・試食」させてもらえるイベントがありました。そこで食べた料理がものすごく美味しいことに感動したのが最初です。他の会社には行かず、そのまま就職を決めました。
そもそも社員食堂がどうだから、という先入観はなく、私は最初から「給食」がやりたかったんです。私が最初に飲食業を目指したきっかけは、小・中学生時代の給食の時間です。「友だちと一緒にご飯を食べながらおしゃべりする」というその時間が、私は一番好きだったので、その幸せな時間をもっともっと高めていきたい、そして色んな人にもっと幸せを感じてもらいたいと思った結果、「特別な時間じゃなくて、日常が幸せになるほうがいいな」と考えるようになり、「仕事にするなら『給食』がいいな」という考えになっていきました。
高級レストランのように、「何かのイベントの時に行って、特別な料理を食べる」というよりも、普段食べるものがより美味しければ、毎日がもっと幸せになるだろうから、そういう特別なところで特別な食事を作るのではなくて、日常の底上げをするようなことがしたいな、と。
だから専門的なレストランに行こうという考えは最初からありませんでした。ですのでLEOCの説明を聞いて、お料理を食べて、「給食でこんなに美味しいものを出せるんだ。すごいな、ここで働きたい」となったのです。
2. 日々の業務内容
基本的には朝7時前に出勤してきて、その日に作るメニューを改めて確認し、調理をはじめます。ここの食堂のメニューは、定食2種類・丼もの・カレー・麺2種類の計6種類です。その日のメニュー構成によりますが、私は炒め物や焼き物、煮物などを担当することが多いです。
料理をするにあたって気をつけていることは、「美味しく仕上げること」は当然として、「美味しそうに見せること」です。誤差のない範囲で大きく派手に盛り付けることで見栄えが良くなりますので、そういったところをいつも意識しています。
10時45分からパートさんも含めて朝礼をして、盛り付けに関する注意点や、料理の数がどの程度あって、どのくらい追加できるのかといった連絡事項を話して、11時から営業スタートとなります。
13時過ぎに営業がひと段落しますので、そのあたりで休憩を取ります。戻ってきた後は夜の営業に備えて、定食の調理や準備を行い、16時ごろに退勤します。
以上が普段の流れです。もっとも、限られた人数で営業を行っていますので、栄養士が休みの時は前日の売上を確認したり、納品の片づけを行なったりするなど、イレギュラーな業務ももちろんあります。みんなでコミュニケーションを取り合って、助け合いながら仕事をしています。
3. 仕事のやりがい
今の職場は入社してから二カ所目の職場となりますが、今の職場は少し営業時間が長いこともあり、お客さんが利用されている時間に、お客様と同じ食堂内でお昼ご飯を食べる事があります。その時間は、もともと大好きだった給食の時間みたいに、みんなが楽しそうに盛り上がって食べているのが見えたり、料理の味の感想が聞こえてきたりすることがあるんですね。「美味しいね」とか「このメニューが好きなんだよ」などといった声が耳に入ってくるわけです。そんな時に感謝の声をいただくこと、それはもう嬉しいです。
また、お客様によっては直接厨房に味の感想を伝えてくれることもありますし、他にも料理の提供台に、常連さんが来てくれたりすると、「暑いですね、外はどうですか?」など声がけをしたりします。お昼休憩の時間は皆さん同じ場合が多いので、一度に大人数がいらっしゃいますので、そんな時は難しいですけど、下膳のタイミングや少し利用者が少なくなった時には話しかけやすいです。
そういった料理の感想をいただく時や、楽しそうな様子をみたり、お客様と料理を通じたコミュニケーションが取れる時はやりがいを感じます。今でも精一杯やっていますが、そんな感謝の言葉をいただいたあとは、提供する料理の味にも何かプラスになるものがあるかもしれないです(笑)。
最近は、自分の考えた監修メニューを作らせてもらえる機会が増えてきています。自分で考えたメニューがよく売れるとか、そういう反響を見る時もやはり嬉しいですね。
4. 今後の目標
LEOCは社員食堂以外にも、福祉施設や医療関係など色々な業態の料理提供をやっています。たとえば老人ホームや病院などでは健康第一ということもあり、塩分量の計算や、アレルギー対策などが厳しかったり、咀嚼機能が落ちた人のための刻み食などがあります。
一方で、社員食堂は基本的には元気な人たちがお客様なので、自分が求める美味しいものを作りやすいという側面があります。「もっとこうしたほうが美味しいんじゃないか?」という調整の自由が利くということが、社員食堂という業態の特徴だと思っています。入社する前の面接時にそのような話をしたためかどうかは分かりませんが、入社後の最初の勤務先は、都内の比較的規模の大きな社員食堂のある会社でした。そもそも働くのも初めてな上に、一日平均千数百食と喫食数が多い現場だったので、もう最初は何をしたらいいかわからず、ひたすらひたすら揚げ物を作ったり、とりあえず行ったり来たり、まさに右往左往していたんですよ(笑)。今はそんなことはありませんが、希望した社員食堂の現場で頑張っています。
まだ将来の目標について考えられる余裕はありませんが、最近、人事異動や店長不在時の際に、厨房内で料理長代理のような立場になることがあります。その時に、自分自身にもまだ余裕がなかったりする分、周りがあまり見えなかったこともあるので、そんな時にもう少し周りとコミュニケーションを取りつつ上手にやっていけるようになりたいと思ってます。
今まで上司の陰に隠れてきた所がありましたが、これからは必然的にやらなければならないことも増えますので、もう少し個人の能力も高めていかないといけないなと思ってます。
料理以外だと、クライアント様やスタッフとのコミュニケーション能力です。忙しい時であっても、現場の雰囲気をよくできるような声掛けであったり、クライアント様に新たな取り組みを提案したりできるようになりたいですね。現在勤務している社員食堂でも、マグロの解体ショーやクライアント様の商材をモチーフにしたコラボメニューなど、様々な取り組みを行ってきました。もしかしたら次に異動があった時は店長として現場に入ることになるかもしれないので、そういったことができるように自分自身を高めていきたいと考えています。
(聞き手/社食ドットコム編集部)
会社名 | 株式会社LEOC |
所在地 | 東京都千代⽥区⼤⼿町1丁⽬1番3号⼤⼿センタービル17階 |
公式WEBサイト | https://www.leoc-j.com/ |