ミニストップが運営する「cisca(シスカ)」が注目されている。オフィスビル向けの新しい業態で企業の中のフリースペースを活用し、同社が培った「コンビニエンスストアの機能」をもつ「カフェ」を設置。ケータリング機能やちょい呑みなど従来のコンビニエンスストアにはない機能も有していると言う。
単なるコンビニエンスストアのサービスを越え、飲食だけでなく、コミュニケーションスペースやリラクゼーションスペース、商談や打合せといったビジネスシーンまで、オフィスワーカーにとって朝・昼・夕いつでも利用しやすいスペースを目指しているそうだ。
今回は「cisca」を導入したきらぼし銀行の本店(東京都港区)を訪れ、HR部の安藤さんにその感想を、サービスを提供している職域マーケット部ciscaチームのマネージャーである青木さんにその取り組みなどについてお話を伺った。
あまりの種類の豊富さに「もっと早く導入しておけば良かった」
御社がciscaを導入したきっかけを教えてください
安藤さん(以下敬称略) 弊社ではコロナ禍となる2020年の7月に導入したのですが、以前は元々あったスペースに業者さんに来ていただき、お弁当の販売のみを行なっていました。しかし種類が2〜4種類程度と限られており、役職員から「種類を増やして欲しい」という要望が挙がっていたのです。
「ランチの満足度を高めるにはどうしたらいいだろうか」と思案していたタイミングでミニストップさんから「cisca」をご提案いただき、単なるコンビニエンスストアではなく、ランチのバリエーションも多彩と知り、導入を決めました。
オープン後、お弁当の種類だけでなくおにぎりや手巻き寿司、ベーカリー、サラダ、スイーツといった品揃えが一気に充実し、役職員からも「良くなったね」と声をかけられる程、満足度が高まりました。今では「悩んでいたのは何だったのか・・・もっと早く導入していれば良かった」と感じています。
「単なるコンビニエンスストアではない?」というのはどういうことでしょうか?
安藤)弊社の場合、お弁当であれば毎日35種類程度、ベーカリーも20種類程度品揃えしていただいています。その種類についても、弊社の意向をお伝えするだけでなく、ミニストップさんが一緒になって考えていただいています。オープン前に「何を置くか」というところから、それこそ一品一品全部一緒に打ち合わせをしました。
たとえばお弁当には「野菜弁当」のようなヘルシーなものや季節に合った食材が利用されているものが含まれるようにすることや、お得に青汁が飲める「青汁パスポート」といった取り組みを実施しています。他にもカフェ内で「からだ測定会」という健康イベントを実施するなど、役職員の健康を意識したサービスを提供してほしいと考えていた弊社の意向を汲んでいただいた上、希少価値のあるアルコールの販売やコーヒーやお弁当のスタンプサービスなど、独自サービスも次から次へ提案していただき、利用する役職員の満足度も高いまま維持されていると実感しています。
「カフェ&コンビニエンスストア(cisca)」誕生のキッカケ
通常のコンビニエンスストアとは違うこのサービスはどのように生まれたのでしょうか。
青木)オフィスの中にコンビニエンスストアを設置している企業は多くあります。ミニストップでも同様にオフィスビル内に店舗を設置していますが、多くは1階の路面にあり一般のお客さまも利用できるため、企業専用というものではありませんでした。
ある時「ciscaをオフィス内に設置してほしい」という依頼があり、その企業から次のような要望があったのです。それは「ランチタイムの1〜2時間だけ賑わうのでなく、それ以外の時間も有効活用したい」というものでした。
オープン前に企業の担当者の方と品揃えやサービスについて詳細な打ち合わせを重ね、オフィスの朝・昼・午後・夕の時間帯に高まるニーズに対応できる店舗を創り上げて行きました。「企業専用」だからこそ可能な品揃え、サービスがあると気がつきました。
従来とは対象客が違うと、コンビニエンスストアだけでは補えない商品も出てくるのではありませんか?
青木)時間帯毎のニーズを満たすという考え方から、従来のコンビニエンスストアの品揃えに対する考え方を変えることから始めました。24時間お弁当を品揃えするより、ニーズが高まる昼に最も良い品揃えができた方が、お客さまの満足度が高い。であれば、長い時間売れなくても、もっと新鮮でおいしい商品を品揃えしようと発想し、朝作ったお弁当を配送してくれる業者を複数準備しました。同じ考え方でベーカリーもコンビニとは異なるクオリティを実現できています。また、イオングループのシナジーを活かし、ケータリングや会議弁当はグループ企業に委託することでサービスを提供しています。
定例ミーティングで常に企業側のニーズを掴む
企業のニーズはどのように把握するのでしょうか?
青木)「cisca」を利用していただいている各企業様とは1ヶ月に一回定例会を行なって、我々からは売上・客数・利用率やお客さまからのご意見などを報告、担当者様からはニーズを伺うという仕組みで提案させていただいています。1ヶ月に1度、1時間程度なので、担当者様のご負担にもなりにくく、ciscaをより良くしていくための打ち合わせの時間として有効に機能していると思います。次月のサービス内容や新しい品揃えなどはこの場で提案・決定していきます。
きらぼし銀行様の場合は、「健康」というキーワードを強く意識されていらっしゃいますので、健康に関わる数値を測定し健康チェックを行なうというイベントを企画・実施しました。
一緒に創る「その企業に最適化された店舗」
最後に「ciscaを検討される企業の方に伝えたいこと」をお聞かせください
安藤)単にコンビニエンスストアをオフィスに設置するということではなくて、「自社が考えていることが実現できる」ということが「cisca」の一番のおすすめポイントですね。基本はコンビニエンスストアという形態だと思いますが、二人三脚でやりたいことを叶えてくれるような、一緒に創りあげていく、育てていくカフェ&コンビニエンスストアなんだと捉えています。
青木)テレワークや出社制限が行なわれることにより、社内コミュニケーション不足問題も顕在化しています。そのような企業様は「cisca」のサービスを利用されることで、そういった問題解決の一助になると考えております。
繰り返しになりますが、「cisca」は時間帯のニーズだったり、コンビニエンスストアでは提供されていないお弁当などにも対応していきます。安藤様が仰ったように、常に進化していくという柔軟性が特長です。
我々の活動指針として重要と捉えているのは、「ご要望いただいたことを現在できないからといってその場で断るのではなくて、一度持ち帰ってこよう」ということ。企業・お客さまからの要望を叶えていくこと、挑戦することが我々の事業を成長させていくと考えています。
「こんなことがやりたい」「どんなことができるのか知りたい」など、まずはご相談ください。一緒に御社に最適化されたカフェ&コンビニエンスストアを創っていきましょう。
【まとめ】
「cisca」は当初、女性をターゲットにしたミニストップの新業態として一般向けにスタートしました。しかしオフィス内でのコンビニエンスストアとして出店すると同時に、その企業向けの商品、サービスを揃えよう、とオフィス向けに舵を切ります。顧客のためには「どこでも同じものが揃う」というコンビニエンスストアの特徴さえ捨てる姿勢は、「お客様第一」というイオングループの基本理念を実践しています。
新型コロナウイルスの感染状況がまだまだ収束の気配を見せない中、「cisca」のサービスはビジネスマンの食と働き方にとって、大きな可能性をもったサービスだと言えそうです。
[お問い合わせ先]
ミニストップ株式会社 cisca事務局:
WEBサイト:https://www.cisca.jp/
お問い合わせフォーム https://www.cisca.jp/contact/
email:cisca@ministop.co.jp
出店エリアは東京23区内限定(2021.9月現在)