
アマゾンは2000年11月に日本でサービスを開始し、数億点にのぼる多種多様な商品を取り扱っており、国内でも最大の総合オンラインストアです。一方クラウドサービスを手がけるアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン) は190ヶ国以上の数百万のお客様を支援しており、日本・シンガポール・米国・欧州などにあるデータセンターから、あらゆる業種のお客様へ IT インフラサービスを提供しています。
オフィスは近隣の目黒区下目黒に置かれていますが、「現在日本にいるグループ社員6000人に加え、1000人を増強予定」とのことで、その受け皿ともなるオフィスとして、2018年9月にJR目黒駅至近の目黒セントラルタワーにも入居しました。
新オフィスは「多様な働き方に対応するだけでなく体と心のケアに配慮したオフィスとなっている」とのことで、社員約2000人が利用しているとのことですが、その思想は社員食堂にも反映されており、”イノベーション”を実践するための施設として活用されています。
それでは早速アマゾンジャパン/AWSジャパンの新しいオフィスの社員食堂へダッシュ! しましょう。
JR、地下鉄など4路線でアクセスできる目黒駅改札口より徒歩1分の場所に位置する、地下2階、地上27階、塔屋2階、高さ125.55m(オフィス棟)の目黒セントラルスクエアビル。 早速最上階(27階)にある社員食堂「YOTSUBA(よつば)」へ。意外と日本風なネーミングですね。中に入ると円柱のデジタルサイネージにメニューが紹介されています。 社員食堂に足を入れるとすぐ右手に見えるのがお馴染みAtoZの矢印Amazonのスマイルマークです(バナナじゃないよ)。 座席は全450席。多様性に富んだ座席の数々。こちらは両サイドが緑に囲まれたエリア。緑が多くオフィスと社員食堂に合計600種類もの植物が。まさにアマゾン状態です。 こちらは和室タイプ。座席の後ろは畳が敷かれており、社内の茶道サークルにも利用されるとか(障子のすぐ後ろは窓です)。 この机はチェスの盤面にもなります(駒は引き出しにあります)。同様に、囲碁や将棋、紙麻雀のできる机もあります。食事中に始めたら仕事に戻れないかも? 屋台で一杯・・・ではなく、こちらは給茶器です。ザルにはおもちゃのお金も入っており、遊び心が感じられますね。 社員食堂の営業時間は11:00~15:00。毎日“LIVE KITCEN”“MAIN A”“MAIN B”“カレー”“丼”“麺”の計6種類が提供されています。 小鉢はデザート1品を含む5種類が日替わりで提供されており、この日は「冬瓜の海老あんかけ」「小松菜ときのこのお浸し」「納豆」「蒸鶏とひじきの生姜和え」などなど。 一皿盛り切りのサラダバー(250円)。利用した際には、画像手前のおもちゃのベジタブル(電子チップ付き)をピックアップしレジで読み取るようになっています。 1800m2(フロア全体)という社員食堂のほぼ中央にあるAtoZのロゴは野菜や果物のおもちゃで作られています。 社員食堂のコアタイムは12時過ぎです。料理はイートイン/テイクアウトを選ぶことができます。 食事中の社員の方々をパシャリ! 笑顔はグローバルスタンダードですね! アマゾンジャパン/AWSには世界50以上の国と地域の人が働いています。 食堂の一角にはステージがありピアノが設置されています。プロジェクター、スクリーン、AV設備もありハロウィンイベントなどで利用されています。 高台にあり近隣に高い建物が少ないため眺望も素晴らしいです。 精算と下膳を行なうため「ポイペイ」と呼ばれているエリア。下膳のながれをテキストではなく、誰もが直感的に理解しやすいようイラスト化しています。精算はアマゾンペイで。 むむっ? なにやら溶岩を固めたようなエリアが。こちらではカフェやソフトドリンクを販売しています。営業時間は7:30~18:00。 人気の焼きたてパンは毎日20種類も。そのほかに近隣の人気弁当なども販売しています。 【LIVE KITCHEN】きのこのデミオムライス 500円 【MAIN A】豚ヒレのピリ辛フリッター 300円 【MAIN B】いわしの梅煮 300円 【Bowl】ロコモコ 400円 【Curry】エチオピア野菜カレー 500円 【Noodle】化学調味料無添加らーめん 400円 【voice】「食堂を仕事で利用できるのですが、すごく集中できる空間として考えられていると思います。それと夜に来たら、夜景がとても綺麗なんですよ」 【voice】「軽く仕事の話をしたい時は会議室ではなく食堂を使うことがあります。また、フリーアドレスなので、新しいことを考えたいときなどは利用します。アイデアが生まれやすい場所にもなっています」。 【voice】「昼は週3回くらい利用していますし、朝ごはんも食べたりします。好きな場所は靴を脱いで入るラグゾーンで、コーヒーを飲むことです。リラックスタイムがあることで仕事にもつながります」 【voice】「ほぼ毎日利用しています。高いところが好きなので窓際が空いていたら座っちゃいますね。仕事も場所を変えればアイデアも変わりますから、最上階で気分が変わります」 社員食堂の一角にはリラックスゾーンもあります。こちらではリラックスできるよう靴を脱いで利用します。 植物で形取られた日本が中央にある世界地図。 同じフロアにあるヨガ用のエリアでは、始業前や終業後にヨガ教室も開かれています。全面ガラスのため、眺望も最高です! ヨガが終わったら個室のシャワールームへ。左から「女性用」「男性用」「ユニセックス用」となっています。LGBTにも配慮されていますね。 段ボールのデザインのエレベーターです。扉にあるQRコードを読み込むとアマゾンのWEBサイトにしっかりリンクしています。
まとめ
アマゾンの新しい社員食堂は、多様性に対応した新しいタイプの社員食堂だった
アマゾンジャパンおよびAWSジャパンの社員食堂のコンセプトは3つあります。
まず最初に「働く場と食の共存」。
これはさまざまな国籍の社員が、それぞれに多種多様なバックグラウンドを持って働いていることもあり、社員食堂でも多様なメニューが用意されています。
さらにデスクで食事ができるよう、イートイン/テイクアウトを選択することも可能となっています。
次に「家族に食べさせたい食事」。四季折々の味が感じられるよう毎日手作りされ、心身ともに健康であるよう体に優しい食材にこだわっています。
そして「毎日訪れるのが楽しみになるサービス」
これは社員食堂自体が、単に行きやすいから行くという存在から”行きたい場所”であることを意味しています。
“今日はあのメニューが食べたい”、“あのお店のメニューが食べられる”といった、毎日訪れたいと思える場所作りを目指しています。
これは定番メニューだけでなく、オフィスのある目黒を中心とした様々なお店からイベント形式で新しい味をご紹介することで地域とつながるきっかけを提供しています。
それ以外にも最上階の全面ガラスから見える眺望やいたるところに設置された緑、全面ガラスの眺望、将棋やチェスなどができる座席や靴を脱いで利用するエリアを設置するなどリラックスできる環境を提供しています。
これらのように、新しい社員食堂では働き方にあわせた利用方法、健康的なメニュー、食べる楽しみと地域との共生といったコンセプトを元に日々変化する社員食堂となっています。
アマゾンは「顧客満足度を高めること」をゴールに置き、PDCAを高速で回すと言われています。そのために日々新しいアイデア、サービスを生み出すよう走り続けている企業です。
そのエネルギーの源泉となっている社員食堂「YOTSUBA」では、「働く場と食の共存」「家族に食べさせたい食事」「毎日訪れるのが楽しみになるサービス」」というコンセプトで社員をサポートしています。
遊び心のあるさまざまな仕掛け、開放的な空間づくり、固定概念にとらわれない自由な座席やレイアウト、靴を脱いで利用するリラックススペース。これらはさまざまな国の出身者、そして多様な働き方に配慮している同社の、まさにA to Zを実現している新しいタイプの社員食堂でした。
東京都品川区上大崎3-1-1
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