最近の社員食堂は、単に栄養バランスを考慮した食事を提供するだけでなく、社内コミュニケーションの促進や創造的なアイデア創出、午後からの業務に向けてのリラックス促進の場としても利用され始めています。ワークショップやミニイベントの開催、さらにリラックススペースやカフェエリアの導入など、多様な取り組みが展開されています。社員食堂が「食べる場」を超えて、働きやすい環境づくりや企業文化の醸成などに貢献している現状を、今回の特集で詳しくご紹介します。
第2回目でご紹介するのは、オフィスビル、商業施設、レストラン、集合住宅、美術館などからなる複合施設「恵比寿ガーデンプレイス」のオフィスタワー棟にある「YEBISU GARDEN CAFE」です。「YEBISU GARDEN CAFE」は、「恵比寿ガーデンプレイス」に入居しているテナント企業で働くワーカーのための職域食堂です。今回は職域食堂ならではの「食」以外の取り組みについて、同ビルを管理運営しているサッポロ不動産開発のご担当者にお話をうかがいました。
今回インタビューをお受けいただいた方々
【プロフィール】
花島 尚史(HANASHIMA,Takashi)
サッポロ不動産開発株式会社
恵比寿事業本部 賃貸部 リーダー
【会社概要】
サッポロ不動産開発株式会社
サッポロ不動産開発は、サッポログループの不動産事業を担っており、サッポログループとゆかりの深い
恵比寿・銀座・札幌を中心に事業を展開している。
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目20−3 恵比寿ガーデンプレイスタワー3階
Webサイトアドレス:https://www.sapporo-re.jp/
1. 恵比寿ガーデンプレイスの取り組みについて教えてください
花島 弊社が運営管理している恵比寿ガーデンプレイスタワーは、単なるオフィスビルにとどまらず、多様な働き方をサポートするコミュニティスペースとしても機能しています。
2023年に「CASBEE-ウェルネスオフィス評価認証」において最高位Sランクを取得(当物件の共用部および当社オフィス部分(3 階))しましたが、これは築20年以上の都内賃貸オフィス物件では初めての事例となり、健康・快適性が優れた建物であることの証です。オフィスビル全体も、実質再エネ100%の電力を使用するなど、環境に配慮した取り組みを進めています。築30年という歴史ある建物ですが、充実した設備とサービスを提供することで、利用者のウェルビーイングの実現に寄与しております。
恵比寿ガーデンプレイスの職域食堂「YEBISU GARDEN CAFE」では、パーティールームがあり、企業内のイベントなど交流を深める場として利用されているほか、カフェコーナーでは、日中はオフィスワーカー向けに無料のコワーキングスペースとして開放しており、普段とは違った環境で仕事ができるような環境を整えております。
他にもサッポログループの施設ならではの取り組みとして、サッポロビール社の主力商品であるサッポロ生ビール黒ラベルを使った「黒ラベルカレー」やポッカサッポロ社のポッカレモンを使った「豚肉の塩レモン丼」など、定期的にコラボメニューを実施しており、好評頂いております。
また、恵比寿ガーデンプレイスのオフィスの取り組みとして、テナント間の交流を促進するため、様々なイベントを開催しています。先日開催した毎年恒例のオフィスワーカー卓球大会では、応援の方を含めて約300名が参加し、白熱した戦いが繰り広げられ、大盛況のイベントとなっております。
このようなイベントを通じて、テナント間の連携を強化し、オフィス全体の活性化、オフィスワーカーの満足度向上を目指しており、職域食堂はもちろん、カフェスペースやパーティールームなど、多様なスペースを活用し、ワーカーの働きやすさの向上と、オフィス全体の活性化に努めています。
今後も、社員が快適に過ごせるオフィス環境づくりに取り組んでまいります。
2. 職域食堂の「食」以外の役割について教えてください
花島 恵比寿ガーデンプレイスのオフィスでは、職域食堂「YEBISU GARDEN CAFE」が単なる食事を提供する場所を超え、社員の働き方やオフィス全体の価値を高める多様な役割を果たしています。
「YEBISU GARDEN CAFE」で提供するのは、サステナブルなメニューや環境配慮型の食器やユニフォームを採用しており、SDGsの目標達成に貢献しています。また、ワーカーの健康をサポートするため、栄養バランスのとれた食事を提供しています。
さらに、食堂はワーカー同士のコミュニケーションを促進する場としても機能しています。ランチタイムには、異なる部署の社員が集まり、気軽に会話をする光景が見られます。これは、オフィス全体の活性化に繋がり、ワーカーの満足度向上にも貢献しています。
このように、恵比寿ガーデンプレイスのオフィスでは、職域食堂を中心とした様々な取り組みを通じて、ワーカーの働き方改革を推進しています。単なる食事の提供にとどまらず、社員の健康、コミュニケーション、そしてオフィス全体の活性化に貢献しています。
やはり職域食堂ということもあり、コミュニケーションの面ではとても活性化できるような場になっていると思ってます。私はオフィスタワーの入居テナント誘致の営業を行っていますが、この職域食堂という場が、単に食事をするだけではなく、コミュニケーションを図れるような場であって欲しいというニーズも多々あります。
そんな時に「やはり食堂は求められているんだな」と感じますね。実際私自身も一人でフラッと職域食堂に行った時に、同僚の社員がいたりすると、何気ない会話をしたりすることも結構あります。逆に話しかけられるというケースもあるなど、何気ないコミュニケーションが生まれる場所ですね。ここに行ったら誰かいるみたいな、そんな感じで私自身も利用しますし、そういった人も多いんじゃないかなと思ってます。
このように、「食べる」ということだけでなく、ワーカー同士のコミュニケーションを生み出す場として職域食堂は、オフィスの魅力を高める場所にもなっていると考えています。
その他の取り組みについて
職域食堂「YEBISU GARDEN CAFE」は、(株)LEOCが受託し、運営をしています。「食」以外の取り組みとして、不良品や端材をリサイクルして作られたエコマーク認証製品の「スマートメラミン」や再生可能な生物由来の原料を使用したバイオマスマーク認定商品の「バイオマスメラミン」、主成分に生物由来の炭酸カルシウムである卵の殻とパルプを使用した「シェルミンの箸」などのエコメラミン食器を約8割導入するなど、地球環境を意識したSDGsの取り組みをしています。
同社では「L’thical(エルシカル)」というブランド名で、代替たんぱく質を使用したサステナブルメニューを提供しており、YEBISU GARDEN CAFEでも定期的に同ブランドのメニューを食べることができます。
サステナブルな取り組みは、食堂を利用するワーカーに強制するのではなく、食事を通して環境に寄与している自然な“気づき”になればと考えているとのこと。
また、(株)LEOCの提案で、見た目はちょっと個性的でも味と品質は問題がない「ふぞろい」のお肉や野菜を使ったメニューを提供する「L’thicaloop(エルシカループ)」も展開。その他では、生産者の顔がみえる取り組みの一環で、生産者の写真とともに、栽培や食材におけるこだわりを表現するなど、食への関心を高める工夫も行なっています。
恵比寿ガーデンプレイスの職域食堂「YEBISU GARDEN CAFE」では、食堂を利用しワーカー同士のコミュニケーション活性の取り組みを行なうことで、オフィスの魅力を高めていました。
(聞き手/社食ドットコム編集部)
会社名 | サッポロ不動産開発株式会社 |
所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4丁目20−3 恵比寿ガーデンプレイスタワー3階 |
公式WEBサイト | https://gardenplace.jp/ |