
会社の歴史は東京・三田で茂木重次郎が共同組合光明社を設立し、日本初の洋式塗料を製造した1881年まで遡ります。その後改称を経て1927年に日本ペイント株式会社となり、2014年には日本ペイントホールディングス株式会社と商号変更し持株会社体制となりました。
設立以来、138年にわたって塗料全般(自動車用、建築用、構造物用、船舶用、金属素材用、電気機器用、産業機械用、道路用、家庭用等)の製造・販売や表面処理剤、電子部品材料、化学工業製品の製造販売を行なってきた同社。アジア・北米・欧州・南米に拠点を構え、国内第1位、世界第4位の売上を誇る、年商約6,230億円、資本金788億6千2百万円、従業員数20,402人(連結/2018年12月末)を有する日本の塗料業界のリーディングカンパニーです。
大阪市にある同社の本社および同敷地内にある大阪事業所の社員食堂は共に2019年5月にリニューアルオープン。そのコンセプトとして「新たな価値を創造し続けるリーディングカンパニーにふさわしい食堂であること」、「食堂から“活気あふれる風土”をつくる」という2点が掲げられています。
それではリニューアルされた日本ペイントホールディングス株式会社の社員食堂をご紹介しましょう。
阪急梅田駅より西へ約2km。JR「福島」駅より徒歩15分、阪急「中津」駅より徒歩15分の場所に位置する同社の本社ビル。 1階には塗料の歴史館があります。中を覗いてみましょう! 歴史館では、創業当初の色見本や機械、生産の様子の模型などがあり、塗料の歴史を学ぶことができます。 「あの車やあの建物にも使われていたのか!」誰もが知る製造物や建築物にも数え切れないほど利用されていることがわかります。塗料の歴史は日本の産業の歴史でもありますね。 こちらは2階の応接室フロア。壁面には開発中の和紙調塗料が社員の手によって塗られ、1898年には商標登録されている「小槌」が描かれています。イロイロなアイデアがポーンとうまれてくるのでしょうね! 体育館の壁を新入社員が塗るなど、同社では塗料メーカーならではの研修も行っているとか。
みんなで協力して塗装することで、自然と笑顔に!それではエレベーターで5階にある社員食堂へ。色に関わる会社の社員食堂なので「食」と「色」のふたつの「ショク」をかけた「SHOKU-DO」となっています。 本社の食堂のカラーは緑と黄色でまとめられています。営業時間は11:30〜13:00。 2019年5月にリニューアルオープン。1日の利用食数は約250食。座席数は240席。 各メニューについてくる小鉢。この日は「おくら&とまとイタリアンバジル」「帆立クリームコロッケ」「マセドアンサラダ」「プリン」「切り干し大根の煮物」など。 ご飯と味噌汁はセルフサービス。この月のご飯は白ご飯、緑米の2種類が提供されていました。量が調節できるのが嬉しいですね。 かなり席が埋まってきました。お昼休憩は12時からとなり、食堂のピークタイムは12:15頃となります。 以前は長机に椅子という素っ気ないものだったという座席は、利用者の人数や使い方に応じた多様なタイプの座席に。 リニューアル前は利用することが少なかった役員の利用頻度が高くなったそうです。食後も社員と会話するなど、今まで以上にコミュニケーションが活性化されるように。 こちらも以前はなかった一人席。考え事をしたいときや急いでいるときなどに利用しやすいと好評とのこと。 こちらの大きな窓からは淀川が望めます。大阪の夏の風物詩「なにわ淀川花火大会」の隠れた鑑賞スポット!? 「くつろぎやコミュニケーションが活発になることにより、ひらめきや生産性の高まりを期待しています」(食堂リニューアルプロジェクト) カウンター席やファミレス席など、バラエティ豊かな座席、スペースがあり、テーブルによってはコンセントも設置されています。 【LUNCH】鯖の塩焼き 【LUNCH】チキン南蛮 【BOWL】麻婆丼 所変わってこちらは本社敷地内にある大阪事業所の厚生館にある社員食堂。生産や物流などの社員も利用するということもあり、少しボリュームのあるメニューも取り揃えられています。 こちらは「パワフル」「エネルギー」「情熱」がコンセプト。座席数272席、利用食数は1日約300食。 この柱は2018年入社時の新入社員が、自分たちの手で塗ったものです。空間のアクセントになっていますね。 アイドルタイムではちょっとした会議や打ち合わせにも利用されるなど、食堂以外の利用も活発に行なわれるようになりました。 【VOICE】「他のグループの人と話ができる機会がなかなかないのですが、社食はそんな話ができる場でもあります」 【VOICE】「週に5日、ほぼ毎日利用しています。いつも同じメンバー8人くらいで食べています。一番好きなメニューは胡麻味噌担々麺です」 【VOICE】「利用頻度は毎日です。メニュー選びはカロリーチェックが欠かせませんね」 【VOICE】「週に3回程度利用しています。メニューは好きなものを選んでいます」 【VOICE】「同僚などと利用しています。ランチタイムはコミュニケーションの場となりますね」 こちらは食堂内の床面に記された数字。これは「それぞれの数値の身長だと、これくらいの歩幅で」という目安を示しています。 食堂リニューアルプロジェクトのリーダーである同社総務人事本部働き方改革推進部の本田さん(左から2番目)と同メンバー(一部)。 広報部の山本さん、大楽さん(右より)。お忙しい中ありがとうございました。
まとめ
自社の経営理念を社員食堂でも実現することが目標
同社では、2018年春に経営理念でも示される「活気あふれる風土」を社員食堂からもつくっていこう、というコンセプトで本社および大阪事業所の社員食堂をリニューアルするプロジェクトが立ち上がりました。このプロジェクトリーダーに立候補したのが同社の総務人事本部の本田さん。
「それまでの食堂はただ食事をするだけの場所でしたが、話す、考える、見る、聞く、休むなど今までの使い方だけでない多様な活用を視野に入れた社員食堂を目指しました」(プロジェクトリーダー/本田さん)
そこで、社内から有志を募集。それまでの同社の食堂にはなかった、色合いを意識した家具やレイアウトフリーの座席、仕事や打ち合わせのためのコンセント、プロジェクターなどを設置する際も、どの位置にどうおけば良いか、サイズはどうするか等、実際に利用する各部署の社員でもあるプロジェクトメンバーで議論をしながら一緒に作り上げていきました。
また大淀事業所の食堂では、背もたれの高い椅子を導入。個室感を作り出すことで会議等のミーティング等において活発に利用されるようになっています。
メニューについても、色とりどりの食材を生かしたメニューで健康を意識できる“カラフルランチ”を導入したり、カジュアルな食器になったり、食堂の壁が自社製品の塗料で塗られたり、など“見た目”でも楽しめる食堂づくりを実現されています。
日本ペイントホールディングスの社員食堂は、本田さんを中心としたプロジェクトメンバーが「自分たちが働く場所は自分たちの意見でつくっていく」という意思を反映させた社員食堂となっています。
これからの社員食堂は単に食事をする場所としてだけでなく、より強く企業の特色を打ち出していく時代に入ってきています。同社のように自社の理念に満ちた社員食堂づくりは、多くの企業にも今後の社員食堂の道筋を示しているといえそうです。
大阪府大阪市北区大淀北2-1-2
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