
日本電気株式会社(NEC)
今回訪問したのは東京港区芝にある日本電気株式会社(NEC)。同社の歴史は1899(明治32)年、外国資本の直接投資が認められた条約改正の発効日に、最初の外資系企業として「日本電気株式会社」が設立されたことまで遡ります。1943年に「住友通信工業株式会社」に社名を変更しますが、45年に再度「日本電気株式会社」に名称変更を行ない現在に至っています。49年には東京証券取引所に上場、54年にはテレビ放送装置の国産化に成功、58年には国産初のトランジスタ式電子計算機完成、82年16ビットパソコン「PC-9801」を発売、2009年顔認証技術が世界第1位評価を得るなど、様々な製品やサービスで100年以上にわたって時代を切り拓いてきています。
扱う事業内容も現在は多岐にわたっており、地方公共団体、医療、電力などへIT・ネットワークシステムを提供する社会公共事業、政府、官公庁などへ大規模ミッションクリティカルシステムやネットワークシステムを提供する社会基盤事業、他業種へITソリューションを提供するエンタープライズ事業、通信事業者向けネットワークサービス事業、海外市場を対象としたグローバル事業など幅広いカテゴリーで事業を展開。2021年度の連結売上は約3兆141億円(海外売上比率25%)、総従業員数117,418人(単独 21,350名)(2022年3月末時点)という複数の事業ドメインで社会に貢献している企業です。
NECでは2021年4月に開始した新たな働き方改革「Smart Work 2.0」のコンセプトに基づき社員食堂もリニューアル。社員食堂は組織・会社の枠を超えてイノベーションを紡ぎだす場である「Innovation Hub」のひとつに位置付けられ、「FIELD(フィールド)」として2021年10月から稼働を始めています。
今回はそんな日本電気株式会社(NEC)の社員食堂をご紹介します。
地上43階地下4階、高さ180メートル。「ロケットビル」とも呼ばれる日本電気本社ビル(NECスーパータワー)。形状は周辺への風害や日影の影響などを最小限に抑える意味もあるそうです。 早速ロケットビルの内部へお邪魔しましょう!
エントランスにある受付フロア。こちらで受付をして入館証を発行していただきます。こちらは3階にあるコワーキングスペース「BASE」(7:00〜22:00)。NECグループの社員であれば誰でも利用できるようになっています。 執務フロアはフリーアドレス制となっています。ゆったりとした空間とカラフルなデスクやチェアで仕事もはかどりそう。 フロアの一角はコーヒーマシンやお菓子類なども設置されており、精算は気軽にキャッシュレス! それでは社員食堂のある11階へ移動しましょう。
社員食堂は、東京湾側がシーサイド、芝公園側がパークサイドと呼ばれています。従来型の食堂スタイルから、社内外のパートナーやお客様と共創するための、Innovation Hubの位置付けから「FIELD」として生まれ変わったスペースです。 こちらはシーサイド。MEN-YA と呼ばれ、専用の製麺機で作られた和麺や中華麺などの麺類が提供されています。
座席数は約180席。営業時間は11:00〜13:30。24時間営業の売店「Plaza」。健康食品やお菓子、全国の名産品、酒類や雑貨などの販売が行なわれているだけでなく、家電の販売コーナーも。 お弁当も豊富。さまざまな有名店舗のお弁当が日替わりで提供されています。 こちらはパークサイド。座席数は約310席。
1日の利用食数は約450食(ランチタイム)。利用者が集中する時間帯は12:00〜12:30。
人気は有名シェフコラボメニューやテーマに沿ったオリジナルデザート・ドリンク付きの社内イベントコラボメニュー!ゾーンごとにさまざまな形状の座席が配置されています。
吹き抜けとなっているため、ガラス越しには各階のオフィスフロアも見渡せます。取材日のおすすめメニュー・鶏肉の塩こうじ唐揚げ 青しそタルタル添え、和風牛玉子とじ丼。各種テイクアウトも可能です。 支払いは社員証、クレジットカード、QRコード、交通系ICなどのキャッシュレス。社員証の場合、給与天引きとなります。 NECは約30年前から顔認証技術の研究開発を開始しており、「FIELD」では顔認証で精算も可能です。 <サラダ類>生ハムとパイナップルのパワーサラダ、ミニサラダ、フルーツ盛り合わせ。 <自家製ベーカリー>抹茶と小豆のリュスティック、半熟卵のピザトースト、りんごクリームデニッシュ、メロンパンなど。 FIELDでは一年に一回の全社イベント「NEC Way Day」に関連したイベントや、環境月間コラボイベント、I&D関連イベント、ファミリーデー、ビアフェスタなど多くのイベントが開催されています。 眺望が望める窓側のカウンター席は人気。一人で食べたいときだけでなく、ソロワークなどにも利用できます。 社員食堂リニューアル後は、女性の利用者が増えているそうです。 こちらも人気の高いファミレス席。 <この日のメニュー>【BOWL】和風牛玉子とじ丼 <この日のメニュー>【DELI】鶏肉の塩麹唐揚げ青しそタルタル <サラダ>スモークサーモンとクリームチーズのパワーサラダ <ベーカリー例>エビアボカドタルタルサンド、ミックスサンド、紅茶スコーン、ベーコンとほうれん草のキッシュ、フレンチトースト、ラテアート 【VOICE】「メニューが日替わり・週替わりなので、毎回ワクワクしながら足を運んでいます。あと、社内の様々な人が集う場所なので、知り合いと遭遇して偶然のコミュニケーションが生まれることがあり、これもFIELDの魅力だと思います」 【VOICE】「出社すると食事や仕事場として利用しています。食事の提供もお昼時だけではないのもとても有難いです。ランチを通してチームメンバーとコミュニケーションを図る場であることに加え、新たなワークエリアとして利用しています」 【VOICE】「日替わり・週替わりメニューが豊富で、イベントを頻繁に開催しているのが楽しくて、出社すると必ず立ち寄ってしまうお気に入りの空間です。どんな気分の時に訪れても満足できるのがよいところだと思います」 【VOICE】「モーニングからFIELDを利用し、1日のほとんどをここで過ごすこともあります。色々なイベントも実施しているので、1日1日、また、時間によって空気が変わるところも、FIELDで仕事をしたくなる理由です」 グループ企業製の配膳ロボット「YUNJI DELI」。大きな収容力(三段トレイ/計50kg)を持つ自律走行型配送ロボットです。 FIELDで仕事をしやすいように、モバイルバッテリーの貸し出しも行なわれているカウンター。「ガジェットステーション」と名付けられています。 シーサイドとパークサイドをつなぐ通路にはサイネージが埋め込まれており、FIELDの利用法やイベント情報などが掲示されています。 ビル内は12階まで吹き抜けた自然光の入るアトリウムになっているNECスーパータワーでした!
まとめ
ただ単に食べるだけの場所ではない! 社員食堂がリニューアルされたNECの「FIELD」が熱い!
NECでは、リモートワークとのハイブリッドな働き方により従来より出社率が減少。さらにコロナ禍も重なったこともあり社員食堂の喫食数も大幅に減少していました。そのタイミングで社員からの要望もありNECの働き方改革「Smart Work 2.0」を推進するための施策一つとして社員食堂をリニューアル。11階と12階にあった社員食堂を11階に集約するとともに「食事をするだけの場所」から「組織・社内外の垣根がないコミュニケーション・イノベーション創出の場」として生まれ変わり、名前も「FIELD」と名付けられました。
「FIELD」では、空間がゾーニングされており、それぞれ「ソロゾーン」、「リビングゾーン」、「ミートゾーン」、「イベントゾーン」、「カフェ&デリ」の5ゾーンに分けられています。それぞれに「さまざまな人に出会える」、「アイデアの種が見つかる」、「おいしい食事で健康になる」、「食を通じて社会貢献する」などの目的を持たせており、それぞれのシーンに合わせた様々な形状の座席が配置されています。
従来は11:30〜13:30だった営業時間は7:30〜17:00となり、社員の多様でフレキシブルな働き方を強力にバックアップ。メニューも豊富で、楽しい場となるよう、アクティビティを踏まえたゾーニング設計、BGMや植栽など居心地の良い空間演出も実現しています。
また食堂運営に関しては、(1) 手軽な食へのニーズに応える (2) カラダへのやさしさを提案 (3) ”来たくなるコト”をプロデュース (4) 集いやくつろぎのひとときを演出、という4つのコンセプトを設定、「Well-being(安心・いきいき・ワクワク・心地よさ)とコミュニケーションの促進」を食堂運営の方針とするなど、社員の利用を促す取り組みを積極的に行なっています。
その他、フードロス対策(自家製ベーカリー・自家製麺は味の追求に加え、対策の一環にも)、廃プラ、サステナブルフード(大豆ミート使用メニュー、オーガニックコーヒー・紅茶)といったSDGsへの取り組みも活発。社員向けの施設としてだけでなく、社会貢献も行なう、次世代型社員食堂といえるでしょう。
「食べるだけ」だった社員食堂から新しい働き方を支えるInnovation Hubへと進化を遂げたNECの「FIELD」。さまざまな領域で発展を続ける同社にとって、欠かせない施設となっていくことでしょう!
東京都港区芝五丁目7番1号
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。