
2008年に設立されたココネ株式会社は、「英語学習サイト」や「英語リスニングアプリ」といった語学学習事業でビジネスをスタートしました。現在は1,600万人以上に愛される『ポケコロ』、App Ape Award 2018「Game of the year 2018」 優秀賞を受賞した「猫のニャッホ」といった人気スマートフォンアプリを数多くリリースしており、CCP(Character Coordinating Play)と呼ぶ非ゲームアプリケーションサービスを中心に事業を展開しています。
同社では「社会に役立つ会社であるためには、まず社員が健康的で楽しく働けること」という創業者の想いをもとに、2015年に社員食堂を設置。さらに2016年からは食堂運営を自社社員が行なっています。2020年4月に世田谷区若林に本社を移転すると同時に六本木にあった社員食堂と恵比寿にあった調理施設を統合、同社の社名の由来である「心(cocoro)、言葉(cotoba)、ネットワーク(network)」の精神が生かされた社員食堂として、社員の健康維持向上や社員同士をつなげる重要な役割を持つ施設として運営されています。
東急電鉄世田谷線から環状7号線沿いに350メートル南にある地上3階、地下2階のココネ株式会社本社ビル。 正面玄関前でお出迎えいただいたのは、広報担当の渡邉さん(マスクを外していただき写真撮影)。 エントランスの受付では、かわいいキャラクターたちがお出迎え。みんなマスクをしていて感染対策もバッチリです。 社内には同社の人気スマホ用ゲームアプリ『猫のニャッホ 〜ニャ・ミゼラブル〜』のポスターが飾られていました。 こちらは一人で集中して仕事をしたい人用のスペース「集中ブース」。 オフィスのコンセプトは「暮らすように働く」。疲れたら横になったりくつろいだりできるスペースも。 貸し出し自由のライブラリールーム。社員の約45%がデザイナーであり、高価な参考資料も会社で用意しています。 それでは3階にある社員食堂へ。 天板がなく、開放感のある空間。ランチの営業時間は12:30〜14:30。朝食は8:30〜11:00(夜間は休止中)。 始業時間が遅めのため、ランチのピークタイムも13:00〜と少し遅め。 飲み物はミネラルウォーターやコーヒーなどのソフトドリンクをセルフサービスで利用できます。 精算システムは自社開発。社員証をタッチし給与天引きとなっています。 料理は横にある厨房から運ばれており、デリスタッフは利用者と距離をとりつつも対面での対応。 利用者は事前に予約したメニューを選び、順番にトレイに乗せていきます。 食堂は自社で運営しており、社員一人ひとりのアレルギーや苦手なものを把握し対応しています。 リモートワーク中の社員や国内の他拠点の社員には、冷凍したランチを配達する「ホームデリ」も実施。 コロナの影響でリモートワーク中の社員を除き、1日の利用者は約120名。 取材時は椅子を間引いて使用しており、利用できるのは椅子のある席のみとして利用されていました。 密状態を避けるため、広いボックス席も利用は2人まで。 窓の向こうはテラス席となっており、天気の良い日は屋外でのランチも可能。 社員の3分の2は女性です。ランチタイムは距離をとりながらもコミュニケーションが取れる時間。 一度に人が集まらないよう、部署ごとに時間をずらしてランチを楽しんでいます。 【肉料理】チキンと野菜のクリーム煮込み、野菜のピクルス&キッシュ、ガスパッチョ、ライス 【魚料理】カジキマグロと野菜のブルギニョン、野菜のピクルス&キッシュ、ガスパッチョ、ライス 「以前のオフィスでは社外の厨房で作った料理をデリバリーしていました。今ではより柔軟かつ迅速に対応できるようになりました。」 「リモートワークが当たり前となり『集まる』ということができる価値がわかりました。社食があるということが、これからもっと大きな意味を持つと考えています」と語る冨田社長。 【VOICE】「私は社員の健康を維持向上する健康士という立場なので、体に良い食事にこだわりがあります。ココネではデリで健康的な食材が摂れるだけでなくジムもあるので社員の健康を効果的にサポートできます」 【VOICE】「アレルギーや宗教上の配慮もされています。社員の出身国をテーマにしたビュッフェイベントがあるのですが、母国のフランスフェアの際は家庭料理が提供されますし、栄養バランスを考えられて作られているのが嬉しいですね」 【VOICE】「入社して間もないのですが、料理がすごくおいしくって驚きました。シェフにレシピを聞いて、家でも社食のメニューを作ったりしています。愛が詰まった食堂です」 【VOICE】「料理が美味しいだけでなく健康になった実感があります。そのため食べすぎて眠くなるということもありますが、そんな時には昼寝スペースまであるんです」 食べ終わったら下膳エリアへ。飛沫が飛ばないよう配慮しながらここでもしっかり挨拶がかわされています。 食堂横にある会食スペース。外食がしづらいコロナ禍において、VIPとの会食などに利用価値が高まっているとのこと。隣にはバースペースも。 社内には同社の新キャラクター? フレンチブルのポミちゃんも(取締役の石渡弁護士と一緒に)。 至るところにアプリで活躍しているキャラクターが置かれており、その世界観が感じられるココネ社のオフィスでした。
まとめ
社員同士がつながり、感性が磨かれるココネの社員食堂
ココネ株式会社はGreat Place to Work Institute Japanが実践する日本における「働きがいのある会社」ランキングのベストカンパニーに3年連続で選出されているように、福利厚生に力を入れていると同時に、早くから新しい働き方に取り組んでいます。
特に健康面については注力しており、社内には自社社員である健康士が社員の健康づくりをサポートする「ココネジム」があるだけでなく、マッサージルームやストレッチ、マインドフルネス(瞑想)などで体調を整えたり集中力を向上させたりするプログラムを積極的に導入しています。また、独自の育児フリータイムを設けるなど「社会に役立つ会社であるためには、まず社員が健康的で楽しく働けること」が必要であるとの考えから、充実した福利厚生施設を用意しているそうです。
そんなココネ社の社員食堂の最大の特徴は「デリスタッフも自社社員である」ということ。さまざまな国籍がおり、宗教上の理由やアレルギー体質などの問題で食べられない食材も多種多様です。ダイバーシティ化に伴い食文化も多様性があるため、これら社員個々人の食についての情報を把握しています。
それだけでなく、常に社員の様子に気を配り、体調が悪そうな社員がいたら「お粥にする?」と声がけをしたり、食べている社員に「今度こんな料理はどう?」などとリサーチしながらコミュニケーションを図っています。
また、2020年4月に本社が移転した時期は、新型コロナウイルスの影響で多くの社員がリモートワークとなりました。同社は一人暮らしの社員も多いため、在宅だと食事の栄養バランスが乱れる可能性があることから、デリスタッフの「社員の食生活を健康面から少しでも支えたい」という想いから社員食堂で作った料理を自宅に届ける「ホームデリ」も行なうなど、社員ファーストな食堂となっています。これも社員食堂で働くスタッフも自社社員であることが大きく影響しているといえます。
「感性をカタチに。感性を身近に。」という召命(最高の使命)を掲げるココネ社ですが、社員食堂も健康的な食事を通じて社員同士がつながり、一体となって新しいサービスを生み出すための感性を磨く場となっているかのようでした。
※マスクを外していただき一定の距離を取った上でインタビューをさせていただいております。
東京都世田谷区若林3-1-18
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。