エレコム株式会社は、1986年に大阪で創業した日本のIT関連機器メーカーです。USBメモリ、マウスやキーボード、スマートフォンの充電器など、パソコンやデジタル関連の周辺機器、サプライ品の開発・製造・販売を行なっています。また、国内外に広がるグループ会社を通じて、世界でも事業を展開しています。
同社はそのモダンなデザインで特に知られており、マウス、キーボードなどの製品で日本市場において高いシェアを占有。「デザインのエレコム」と言われ、2023年度までに20年連続でグッドデザイン賞を受賞しています。
同社は西日本の物流拠点として、兵庫県川辺郡猪名川町に位置する「プロロジスパーク猪名川2」の5階に、約2.6万m²の広さを誇る「兵庫物流センター」を有しています。このセンターは、特に災害対策(BCP)と電子商取引の増加に対応することを目的としています。さらに今後の労働人口の減少を見据え、従業員の移動を最小限に抑える省人化のための自動化、機械化を重視したシステムを導入しています。
そんな兵庫物流センターでは、働く人の環境向上にもつながる社員食堂「ELECOM Kitchen(以下エレコム キッチン)」を開設。他社の物流センターとは違うアプローチで「働き手に選ばれる企業」となっています。それではエレコム キッチンをご案内します。
まとめ
働き手に選ばれる企業となるための社員食堂「エレコム キッチン」
エレコム社は従来大阪府にあった物流センターを兵庫県猪名川町に移転。その理由は労働力不足、自然災害、パンデミックなどの複合要素から、BCP 対策は大きな課題で、移転先として選ばれた猪名川町は強固な地盤で形成されており、震度 6 以上の地震が起きる確率が 1.2%とBCP上優れた立地だと判断し、移転を決定したといいます。
その兵庫物流センターでは、庫内で肉体労働に従事する作業員の方々への配慮が行き届いています。社員食堂「エレコム キッチン」では、温かく美味しい食事を提供していますが、その食材には鮮度の良い地元エリアの食材を積極的に用いており、地域社会への貢献も兼ねていますし、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとして、食堂利用者を事前に把握する喫食管理を行っています。このことにより余分に作る必要がなくなるため、フードロス対策となっています。さらに午後からの業務に集中できるよう、座り心地の良いソファや大きな窓から見渡せる眺望が、休憩中にリラックスして過ごす時間づくりの手助けをしています。
このような食堂運営は、作業員の満足度向上にも寄与しています。同センターで働く従業員の中には「いろんな会社で働いてきたが、スタッフのことを思って食堂を作ってくれるという会社は他にはあまりなかった」という声があるように、「働く人がより働きやすくなるように」というエレコム側の思いもしっかりと伝わっています。同社では今後も食堂の質を高めるために、クリスマスやお正月といった行事の際に様々な試みを続ける意向とのこと。トライアンドエラーを重ねながら、より良い運営方法を模索し続けることで、作業員の日々の労働環境のさらなる向上を目指すとのことです。
同センターのコンセプトは「GTP(Goods To Person)」という、人が歩かずに機械によって製品が人のもとへ運ばれてくる、というものですが、同様に食事を通じてより働きやすい場となる「FTP(Foods To Person)」も実現していると言えそうです。
エレコム株式会社
兵庫県川辺郡猪名川町差組字小谷101-2 プロロジスパーク猪名川2
兵庫物流センター
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