
今回ご紹介する株式会社廣野鐵工所は、大阪府岸和田市に本社を構える、トラクターやコンバイン等のエンジン・トランスミッションの精密機械加工を中心に、中・韓・米等とのグローバルな取引により、顧客の要望に合わせた提案型生産を行なうものづくりメーカーです。
同社では、企業理念の一つに「社員の成長と幸せづくり」を掲げており、具体的には「利益の一部を決算賞与として社員に還元」、「社員に子どもが生まれた場合や入学時等の家族のライフイベントに御祝金」、「実質的定年制度廃止(現在最高齢の社員は77歳/2022年11月時点)」といった、「ものづくり」だけでなく「ひとづくり」としても様々な取り組みを実践しています。
こういった取り組みが社会的にも評価されており、経済産業省「はばたく中小企業300社」受賞 、「健康経営優良法人2022」認定、大阪府「大阪の元気!ものづくり企業」選出、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員会特別賞、「岸和田市都市景観賞」受賞など、数多くの表彰を受けています。
同社は2017年、大阪湾沿岸部にあった本社を、南海トラフ地震時の津波発生に備え丘陵地帯へ移転。新社屋では社員食堂を設置・運営しています。そんな廣野鐵工所の社員食堂をご紹介しましょう!
大阪湾より約9kmの岸和田市の丘陵地帯にある廣野鐵工所本社・工場。 創業時に、ドイツ製の工具を使用することが同社の成長の礎となったことから、エントランスに展示されているスパナのオブジェ。 シックかつ洗練されたデザインのロビー。工場の敷地面積は約25,227㎡、延床面積は約14,312㎡、建築面積は約12,600㎡の「夢工場」です。 受付後方には同社の成長のシンボルの一つ、クボタ社のトラクターが展示されています。 工場内は冷暖房完備。全面LED照明で「工場らしくない工場」を目指して作られた本社工場の内部。 社員の健康管理のために設置されたフィットネスエリア。休憩時間や就業時間後に利用する社員が多く、シャワー室も完備。 災害時に地域住民が避難所として利用できるスペース。非常用の食品や水が備蓄されているほか、毛布も用意されています。 「『大阪一の社員食堂』を目指して運営しています」と語る営業部の廣野さん。 それでは社員食堂へ行ってみましょう。
社屋の2階にある社員食堂へGO!鐵工所であるにもかかわらず木の温もりを感じる、明るくて、清潔な社員食堂。机や椅子は近隣の家具屋さんのハンドメイド。 新型コロナウイルス対策として、食事の2交代制・対面利用禁止(斜め掛けでの食事)・黙食・アクリル板設置・入場前のアルコール消毒といった取り組みが行なわれています。 こちらは社長自らが社員の名前を書き、入社時に手渡され、退職時には贈呈される木製の椅子(画像は社長用)。 【提供メニュー】A定食・B定食・麺定食(うどん、そば)の定食4種と小鉢6種が日々提供されています。 小鉢はサラダや煮物、デザートなどが提供されています。利用者はこの中から2種類を自由に選ぶことができます。 社員食堂運営にあたり、月に一度、食堂の運営会社と給食委員会を定期的に開催。提供メニューやイベント内容などについて話し合われています。 「少しでも温かい料理を提供できるように」と、ランチタイム開始時間に合わせて料理を準備する食堂スタッフ。そのためランチタイは大忙し。 さあ、準備万端! 第一陣の社員がやってくるのを待ち構える食堂スタッフの方々。 社員の方々がやってきました! メイン料理と小鉢を手に次々と進んでくる社員の方々。 お味噌汁やお茶は少し離れた位置に置かれ、利用者が混み合わないよう配慮されています。 社員食堂の営業時間は11:50~12:30と12:20~13:00までの2交代制となっています(コロナ禍)。 ランチタイムの各休憩開始後10分間が食堂のピークタイム。 社員食堂は栄養バランスが良い料理が提供されているだけでなく、野菜類は小鉢で補うこともできると社員にも大好評。 自席が決められており、定期的に席替えが行なわれます。役職や年齢などに関係なく社員同士が隣り合った席で同じ釜の飯を食べることで親睦を深めることを目的としています。 ランチタイムは社員同士のコミュニケーションの場となっており、社内の一体感に繋がっています。 【A定食(取材日)】すき焼きコロッケ&グリルチキン 【B定食(取材日)】柚子香る豚と春菊の生姜焼き 【麺定食(取材日)】鶏南蛮うどん 【麺定食(取材日)】鶏南蛮そば 【VOICE】「お昼ごはんがおいしいと、午後からの仕事も元気が出ます。毎日『昼ごはん何かな?』と確認するのが日課となるくらい楽しみにしています」 【VOICE】「職場では金属ばかり触っているんですが、食堂は木で出来ていて、カフェのような雰囲気が柔らかくて気持ちが落ち着きますよ」 【VOICE】「社員食堂のスタッフの方々は、いつも『いらっしゃいませ』『ありがとうございます』と笑顔で大きな明るい声で言われるので気分良く利用できます」 食べ終わった食器類は下膳口へ。
社員食堂スタッフの方の声が響いていました。取材時にはクリスマスツリーが飾られていました。社員食堂ではクリスマスにはバイキング料理が提供されるだけでなく、正月明けや創立記念日、開業記念日には特別食が提供されているそうです。 天気の良い日はテラス席も人気。
取材時は紅葉が始まる頃で、気分転換にぴったりなランチタイムとなりそうでした!
まとめ
「大阪一を目指す!」社員が喜ぶ廣野鐵工所の社員食堂
人財は宝であるという考えのもと、社員やその家族の満足度向上を重視している廣野鐵工所。企業理念として次の三つを掲げていますのでご紹介しましょう。
一、社員の成長と幸せづくり(愚直に磨く)
一、感動部品のものづくり(プロフェッショナル)
一、社会への貢献づくり(感謝)
まず「社員の成長と幸せづくり」が一番に掲げられており、その実現のためにさまざまな施策を行なっています。その中の一つに社員食堂も組み込まれており、社員の健康と仕事への活力を生み出す場として運営されています。
社員食堂では温かくて美味しく健康的な食事が提供されていることはもちろん、ご飯のボリュームは調整可能なのでお腹いっぱい食べたい社員は大盛りに、量を控えておきたいという社員は少なめに、という選択が可能。記念日やファミリーデーなどでは特別メニューが提供されるほか、関西の自治体連合である関西広域連合の地産地消企画「おいしい!KANSAI応援企業」にも登録するなど、地元食材の食材を積極活用。他にも食べ残し量の見える化や、「環境や動物福祉に配慮した持続可能な体制で生産・加工された食材」を使った大豆ミートやブルーシーフード、GAP※食材といったサステナブルフードの提供やSDGs勉強会が開催されるなど、環境に配慮したメニューの提供だけでなく、社員への啓蒙も行なっています。
食堂運営会社とは、月に一度給食委員会を開催し、美味しかったメニュー、改善すべきメニュー、イベント提案、困りごとなどを共有するほか、年に2回の全社アンケートを通じ社員食堂のカイゼンに取り組んでいます。
「ランチタイムは休憩時間の中でオンとオフの切り替えとなる時間です。温かくおいしいご飯を食べることによって、午前中の疲れをリフレッシュし午後からも効率よく仕事ができていると感じています。大阪一の社員食堂を目指し、今後も社員に喜んでもらえる社員食堂づくりに励みます」(総務部/中嶋課長)とのこと。
ものづくりの会社でありながら、社員を大事にし、社会への貢献も考える社員食堂づくりにも注力されている廣野鐵工所の社員食堂でした!
※GAP(Good Agricultural Practice)とは、農産物の安全を確保し、より良い農業経営を実現するために、農業生産において、食品安全だけでなく、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組。
大阪府岸和田市岸の丘町3丁目2番8号
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