
1952年に日本電信電話公社の職域病院である関東逓信病院として開設、86年に一般にも開放され、99年に関東逓信病院から名称を変更した企業立病院で、病床数627床、診療科数30以上というNTT東日本関東病院の社員食堂をご紹介します。
来院患者の内訳は、品川区から約3分の1、都内全域からだと4分の3にものぼり、地域医療の重要な役割を担っているだけでなく、地域がん診療連携拠点病院や、東京都災害拠点病院にも指定されています。また医療の国際基準を満たしている病院を評価する国際病院評価機構JCI(Joint Commission International)による認証を、都内で初めて(日本で2番目)取得しています。
そんなNTT東日本関東病院の職員が利用できる食堂は地下1階にあり、日々多くの患者さんと接する医師や看護師、病院職員などが利用しています。
今回、社食ドットコムの活動にご理解いただき、ご紹介させていただくことが可能となりました。
JR、東急池上線五反田駅から徒歩約7分。都営地下鉄浅草線五反田駅から徒歩約5分に位置するNTT東日本関東病院。 診療科は、外科、産婦人科、ペインクリニック科など30にのぼり、その他にガンマナイフセンター、呼吸器センターなどの施設を有しています。 こちらは救急センター。平日の診療時間内は救急車による搬送患者の診療、平日診療時間外・土曜・日曜・休祝日・年末年始は24時間体制で救急診療が展開されています。 各フロアにあるスタッフステーション。こちらは消化器内科病棟。こちらの看護部の目標は“生き生きと楽しく元気に働く”とのこと。 2階にはコンビニエンスストアも。営業時間は平日7:00~20:00、土日祝日は9:00~19:00。 病院に併設されているレストラン“ガーデンカフェ”(営業時間8:30~17:00年末年始以外年中無休)、NTT東日本関東病院タニタ食堂(営業時間 平日11:00~17:00) さあ、それでは地下1階にある社員食堂“ボヌール”をご案内しましょう(一般の方は利用できません) メインメニューは“アラカルト”3種類、カレー、丼、和麺、中華麺、日替わり麺(通常3種)、パスタなど。 営業時間は11:00~17:00と長め。これは手術や患者さんのケア、夜勤明けなど部署によって休憩時間に幅があり“お昼は何時から”と決められないためです。 この日の小鉢は“ちくわの紅葉揚げ”“うずら串フライ”“きんぴらごぼう”“鶏肉と里芋の煮物”“かぼちゃサラダ”“春雨サラダ”“豆腐”“杏仁フルーツ”など。 カウンターには一日70~80個が売れる焼き立てパンが。カウンターに置いているのは、販売スタッフと病院職員とでコミュニケーションを取るためとのこと。 座席数は165席。1日約650食が利用されます。食堂利用者は7:3と職場同様に女性が多い。 好きなメニューを選んでトレイにのせ、最後にレジに向かうセルフ方式。清算は現金か社員証にチャージした電子マネーで支払います。 女性の利用者が多いので、デザート類を増やしているとのことですが、デザートをオーダーする男性も多いそうです。 看護師のグループは病棟担当が多く、外来担当の看護師は交代で休みを取るため単独での利用が多いとのこと。 こちらは窓際のカウンター席。社員食堂は地下にありますが、採光が良いので日差しが差し込んできます。 メニュー作りは「飽きることのないように」と、運営会社の管理栄養士が全部作成しています。 ランチタイムは、ハードな医療の仕事に携わるスタッフの心身の切り替えタイムとなっています。ちなみにゆっくり食べる時間がないスタッフはカレーを頼むとのこと(病院食堂あるある)。 エビ、キス、イカ、茄子、ししとう入りの“天丼(小鉢・スープ付)”(680円) “鮭マヨネーズ焼き”(410円) “豚肉の生姜焼き”(510円) “ナポリタン”(500円) この日のパンは“ベーコンポテトパン”“ショコラオランジェ”“やわらかマフィン(紅茶)”“カレーパン”“ベーグル”など10種類! 誕生日の人にはケーキとコーヒーが無料で振る舞われます(要2日前までに備え付けの用紙で申請)。 “午前中治療して、昼からも治療するんですが、ランチはいいリフレッシュタイムになっています。他の病院よりも美味しいですね”(医師) “ランチの時間は、スタッフとコミュニケーションタイムでもあります”(看護師) “病院の食堂の割にはメニューや小鉢が豊富で味が美味しいです。カロリーや塩分も記載されているので健康管理もしやすいですね”(看護師) “社員食堂は毎日利用しています。職場ではできない仕事以外のコミュニケーションが取れますね”(事務職) “病院近辺に食べるところが少ないのでありがたいです。普段会わない違う部署の人が集まれる場所です”(事務職) “外食だと栄養が偏るし、雨だと外に出るのも大変ですから職場に社員食堂があるのは助かります”(事務職) デジタルサイネージでは、NTTグループのオリジナル社内ニュースが放映されたり、病院内の新着情報が表示されています。 プルプル♪ 病院内では、電子医療機器に影響の少ないPHSを利用しています。 ご案内頂いた広報担当の粟屋さん、食堂運営会社の森永社長、広報担当の本田さん(左から)。ありがとうございました!
まとめ
NTT東日本関東病院の社員食堂の名称である「ボヌール」は、病院で働く医師や看護師といった医療スタッフや事務職員などを対象にした食堂であり、フランス語で「幸福」を意味しています。
運営を委託されている有限会社森永商事の森永社長に、食堂運営で心がけている点について話を伺うと、
「常に患者さんと対峙している医師や看護師、その他のスタッフに、安心感と安らぎを提供したいと考えています。医療の仕事は肉体的にも精神的にもハードなので、社員食堂でリラックスし、しっかり楽しく食べることでその後の仕事につなげてもらいたいと思っています」とのことです。
また、メニューには栄養成分も表示していますが、利用する人はみんな専門家ですので、参考にしている人は多いそうです。
「ごはんは大中小の3サイズから選択できるのですが、同一料金にもかかわらず、96%の人が小ライスを選択し、サラダの利用者が多いですね」(前出・森永社長)ということからも、健康に対する意識が高いようです。ただ、盛りの量が多いことも、小ライスを選択する理由の一つかもしれませんね。
NTT東日本関東病院の社員食堂では、食事以外にも交流の場としても活用されています。“納涼祭”や“餅つき大会”を食堂で行なっているほか、病院の外来・患者図書室・緩和ケア病棟で利用者への案内などを行なうボランティアさんの卒業式、医師の退職記念パーティなども開かれています。
医師や看護師などの病院スタッフは、日々病気でお困りの方に接しており、健康を取り戻してもらうということへ尽力されています。「ボヌール」がその病院スタッフのリフレッシュスペースとなり、名前の由来通り、すべての人が幸福になるよう導いていくことでしょう。
東京都品川区東五反田5丁目9番22号
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。

【活動リリース】2019/09/27 ボランティア募集のお知らせ