1835(天保6)年、大森屋治右衛門(初代瀧井治三郎)が「種治本店」の看板を掲げて種苗業を展開したのがタキイ種苗の前身となります。1920年に株式会社瀧井治三郎商店を設立、1926年に「タキイ種苗株式会社」に改称しています。わが国の民間企業として初めて交配種を商業化するなど、約180年間にわたって日本の種苗業界をリードし続けている企業です。
タキイ種苗では“「一粒万倍」という言葉を強く意識しています。「一粒万倍」というのは、良いタネからは万倍の収穫が得られるということです。そのかわり、悪いタネをまけばその損害は計り知れないというものです。だから、種屋は信用というものが一番大切です。そういう気持ちを常に持ち続けて、これからも事業を推進していきたい”とのことです。
タキイ種苗の本社には、社食があり京都の山々や、神社仏閣が見渡せます。
※一般の方への利用開放は行なっていません。
まとめ
自社のタネで栽培した食材を食べることができる社食
タキイ種苗本社食堂で注目したいのが、京都の眺望を望めるテラス席です。社食は最上階にあり、京都の山々や神社仏閣などを望みながら食事をすることが可能なテラス席が用意されています。ここでリラックスして美味しい食事を摂って午後からの英気を養い、より良い仕事を生み出すことができそうです。
社食での取り組みとして「地域貢献」や「社会貢献」も行なわれています。「地域貢献」では関西を中心として自治体連合である関西広域連合が行なう企画「おいしい!KANSAI応援企業」に登録されており、積極的に同エリアの食材使用を行なうことに賛同されています。広報出版部の桐野さんによると「近隣の食材であれば、新鮮なものが利用でき、地元や近隣地域への貢献もできると考えています」とのことです。
また「社会貢献」については、過去の利用実績から、曜日による提供数量の調整を行なうというフードロス削減を取り組まれています。
他にも他社とのコラボによる健康イベントといった取り組みがなされており、従業員への福利厚生はもちろん、「食」を通じて社会貢献のタネまきをしている社食です。
コロナ禍の取り組みとしては、感染症対策として行なわれている分散利用の方法です。従来の社員食堂開店時間は12:00~13:00となっていたことから、利用者は12:00過ぎに集中していました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、社食における混雑対策として、利用時間帯を11:30~(赤)、12:00~(青)、12:30~(緑)の30分ごとに分け、机にはそれぞれ赤青緑のシールを貼って、同じ日に他の人が使用した座席を使用しないという、座席を準指定席化する取り組みを行なっています。
同社では野菜などの種苗を数多く取り扱っていますが、従業員でもなかなかその農産物を自社のタネからできた農産物とわかって口にする機会は少ないそうです。そのため「タキイ野菜DAY」と題して、自社で開発した野菜品種を使用したメニューが提供される日があります。その日は意識的にそのメニューを選ぶ方が多いとのことで、地産地消の上を行く自産自消スタイルというのも同社ならでは、というタキイ種苗本社食堂でした。
京都市下京区梅小路通猪熊東入
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