1934(昭和9)年1月1日に創業したYKK株式会社。ファスナーの世界トップブランドで、2018年度のファスナー年間販売数量は100億本を突破! YKKグループ全体では、ファスニング事業、AP事業(窓など建材を製造販売)を中核としたグローバル事業経営体制で事業展開をしており、72ヵ国/地域に108社のグループ企業を有しています。グループの連結売上は7,657億円(2018年度)となっています。
同社は2015年に東京・秋葉原駅前に新本社ビルが完成。その際に自社運営の社員食堂をゼロから立ち上げていますが、2019年9月で開業4年を迎えた時点で、喫食率は85%以上を維持しているといいます。
それではYKKの社員食堂の扉を開けてみましょう!
まとめ
自社運営、高い喫食率、低い廃棄率のYKK社員食堂
多くの企業が社員食堂の運営は食堂運営業者に委託することが多い中、あえて自社で運営することを選択したYKK。
社員食堂の計画段階時はヘルシーメニューブーム真っ只中。しかし「健康はもちろん大事だけど、まずは美味しい手づくり料理を食べることができる社員食堂を目指そう」となりました。
「YKKグループは、衣食住に携わったものづくりの会社です。食にあたる社員食堂も、自分たちで食べるものは自分たちでつくろうというものづくりの精神から、自社運営でゼロから立ち上げてきました。ものづくりだからこそ、カット野菜や出来合いのものは使わず、手づくりにこだわっています。」と語るのはカフェテリア運営チームリーダーの柿沼さん。彼女はYKKに入社後、人事、秘書、監査と様々な部署を経て社員食堂を担当することになったそうです。そんな彼女を中心として社員食堂プロジェクトは始動。その際に他の企業の社員食堂での調理経験のある松岡調理長と出会い、現在総勢25名のスタッフがYKK80ビルの社員食堂を運営しています。
さらにアットホームな空間をつくりだすため、運営スタッフ側と利用社員側とのコミュニケーションの潤滑化に注力。特に料理の提供時の声掛けには双方の一体感を生むために“いらっしゃいませ”や“お客様”という言葉は使わず、スタッフ一同、より身近な存在に感じてもらえるように“こんにちは”や“お疲れさまです”と声をかけ、利用する社員に元気や安心感を届けるということでコミュニケーションを図っています。
また見逃せないのがフードロス対策。コスト削減とともに地球環境のためにも廃棄を少なくする工夫として、一定時間経過時の食堂利用者数をチェック。ある時点での利用数に応じてどれだけ料理を追加するかを判断することで、廃棄率の低さを実現しています。
YKKには「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」というYKK精神「善の巡環」があり、YKKグループの事業活動の基本となっています。
社員食堂は社員向けの食堂ですが、こちらでも素材や接客のこだわりを通じ、社員のためにという想いが反映され、社員の満足度を高めているようでした。
東京都千代田区神田和泉町1 YKK80ビル
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