
2022年4月、「大阪市立大学」と「大阪府立大学」が統合して誕生したのが、大阪府大阪市阿倍野区旭町に本部を置く大阪公立大学(英語表記は「Osaka Metropolitan University」)です。同校は、現代システム科学域、文学部、法学部、経済学部、商学部、理学部、工学部、農学部、獣医学部、医学部医学科、医学部リハビリテーション学科、看護学部、生活科学部という1学域11学部、大学院は16の研究科を有しており、学部学生の入学定員数は国公立大学3位、学生数16,000人という公立大学最大規模の総合大学となっています。
開設時のキャンパスは「阿倍野キャンパス」、「杉本キャンパス」、「中百舌鳥キャンパス」、「りんくうキャンパス」、「羽曳野キャンパス」、「梅田サテライト」の5つ。2025年度には大阪市城東区森ノ宮に新キャンパスの開設が予定されています。
今回は大阪府堺市にある「中百舌鳥キャンパス」の学生食堂「fu・dining(フ・ダイニング)をご紹介します。
南海高野線「白鷺駅」下車徒歩約7分の場所に位置する大阪公立大学中百舌鳥キャンパス。こちらは中百舌鳥門です。 食堂入り口にあるフ・ダイニングのロゴ。営業時間は11時から15時となっています(土日祝日は休業)。 食堂のコアタイムは休憩となる12時15分から13時となっています。 12時を過ぎると授業が終わった生徒たちが一気に押し寄せます! 食堂のことならお任せ! 学生に料理を提供するフ・ダイニングのスタッフさんたち。 学生に人気なメニューは「唐揚げ」や「オクラの巣篭もり」など。年間で約6回のフェア企画があり、学生も楽しみにしています。 食堂では日々主菜4種類、麺2種類、どんぶり1種類、カレー1種類が提供されています。 野菜などの小鉢も豊富。栄養バランスの良いメニューが摂れるため、外食で栄養が偏りがちな学生にも好評です。 食堂内の掲示エリアには、食堂を便利に利用する方法や、栄養バランスが取れる組み合わせなどの提案もされています。 学生食堂の食事にだけ使える「ミールクーポンプラン」の案内ポスター。食費はしっかり確保できるので、遠方の親御さんも安心できるシステムですね。 fu・diningの座席数は約 700席。1日1000人から1100人が利用しています。 学部の友人同士や、サークル友だちなどと利用する学生が多いようです。 2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症となったことから、アクリル板を設置したままのエリアと設置しないエリアが用意されています。 学食は、栄養バランスの良い食事を食べることはもちろん、リラックスや交流する貴重な場となっています。 食事を終えて談笑中の学生さんたち。撮影をお願いすると快く応じていただきました。 こちらの彼も背中からの撮影の要求に応えてくれました!
前身の大阪府立大学時代の卒業生である作家の東野圭吾さんは、こちらのアーチェリー部主将だったそうです。【この日のメニュー1】当日の主菜「鶏と茄子の山賊炒め」(ライス、小鉢、味噌汁) 【この日のメニュー2】当日の主菜「ジューシー唐揚げ」(ライス味噌汁、小鉢) 【この日のメニュー3】当日の主菜「ローストンカツおろしソース」(ライス、小鉢) 【この日のメニュー4】当日の丼「まぐとろキムチ丼」(小鉢) 【学生VOICE】「いろんな料理が並んでいるので、野菜が摂れていないとか魚を食べてないから食べようという感じで、自分で考えられるというところがいいところだと思います」 【学生VOICE】「近いし、ここに来て食事をするのは本当に便利だし、安くておいしい。だから、学生にとっては本当に重要なところだと思うよ」 食べ終わったら各自が食器返却口へ。割り箸や紙類などはゴミ箱へ! 食堂と隣接した場所には、焼きたてパンが味わえることで人気のベーカリーカフェも(営業は平日10:00〜15:30)。 「栄養バランスはもちろん、安心安全を考えて、提供時間を決めています」と語る小手川統括店長。 47haの敷地面積の中に、高度な研究・教育施設があるだけでなく、水田や果樹園、多様な樹木などの自然も豊かなキャンパスでした。
まとめ
安心・安全なメニューの提供だけでなく、食育も学べる学生食堂
大阪公立大学の学生食堂「フ・ダイニング」は、平日11時から15時までの営業となっています。その短い時間にもかかわらず、1日の利用者数は通常で1000人から1100人、時には1200人に達することもあります。
大学生協の食堂の特色は、定食スタイルではなく、主菜やライス、小鉢を自分の好みに合わせて選べるシステムです。選択の幅が広いからこそ、多くの学生たちが自分好みの組み合わせを楽しめます。そんな中、「フ・ダイニング」では唐揚げやささみチーズ、オクラの巣ごもりといったメニューが大変な人気を誇っています。
食堂では年に6回、特別なフェア企画を行なっているほか、大阪府下の漁港などから提供される新鮮な食材を活用した「しらす丼」などの限定メニューも提供されるイベントも。これらのイベントやメニューは、学生たちの食生活に刺激を与え、新しい味を楽しむ機会を提供しています。
食堂側からすると、このような特別メニューやフェアは、大阪産の食材の良さ、そのクオリティの高さを学生たちに知ってもらう大切なチャンスとなっています。なぜなら、公立大学では最大規模の学生を有する同校には、全国からの学生が集まってきているからです。食堂はそんな背景を持つ学生たちに、大阪の食材の魅力をしっかりと伝える場にもなっているのです。
新型コロナウイルスの影響により、コロナ禍における学生食堂の利用には黙食やアクリル板などの制限が設けられていました。その結果、多くの学生たちにとって、食事の時間は楽しいものから一変して、フラストレーションを感じる時間となっていたそうです。しかし、そんな中でも食堂側は、学生たちが健康的な食事を摂れるよう、そして食事を通じて「食育」の意識を持つよう努めてきました。そんな「フ・ダイニング」ですが、2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に切り替わって以降、食堂はコロナ前に戻ってきています。
「フ・ダイニング」の食堂運営のコンセプトは、「学生たちにしっかりとした食事の摂取方法を学んでもらい、将来的に親として自分の子どもに食事を提供する際に役立ててもらいたい」(大阪公立大学生活協同組合/小手川統括部長)という「食育」の意識が持たれています。
安全面においても、提供する食事の安全性を確保するために、一定の時間が経過した食材は廃棄されるなど、食材の鮮度を常に最高に保つ努力がなされています。これは、学生たちに安心して、そして美味しく食事をとってもらうための取り組みです。
総じて、大阪公立大学の「フ・ダイニング」は、多様なメニューやイベント、安全対策など、学生たちが快適に食事を楽しむための施策が充実しているだけでなく、学生たちの健康と食文化を大切にした取り組みが随所に見られる食堂となっていました。
大阪府堺市中区学園町1番1号
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