2022年4月、「大阪市立大学」と「大阪府立大学」が統合して誕生したのが、大阪府大阪市阿倍野区旭町に本部を置く大阪公立大学(英語表記は「Osaka Metropolitan University」)です。同校は、現代システム科学域、文学部、法学部、経済学部、商学部、理学部、工学部、農学部、獣医学部、医学部医学科、医学部リハビリテーション学科、看護学部、生活科学部という1学域11学部、大学院は16の研究科を有しており、学部学生の入学定員数は国公立大学3位、学生数16,000人という公立大学最大規模の総合大学となっています。
開設時のキャンパスは「阿倍野キャンパス」、「杉本キャンパス」、「中百舌鳥キャンパス」、「りんくうキャンパス」、「羽曳野キャンパス」、「梅田サテライト」の5つ。2025年度には大阪市城東区森ノ宮に新キャンパスの開設が予定されています。
今回は大阪府堺市にある「中百舌鳥キャンパス」の学生食堂「fu・dining(フ・ダイニング)をご紹介します。
まとめ
安心・安全なメニューの提供だけでなく、食育も学べる学生食堂
大阪公立大学の学生食堂「フ・ダイニング」は、平日11時から15時までの営業となっています。その短い時間にもかかわらず、1日の利用者数は通常で1000人から1100人、時には1200人に達することもあります。
大学生協の食堂の特色は、定食スタイルではなく、主菜やライス、小鉢を自分の好みに合わせて選べるシステムです。選択の幅が広いからこそ、多くの学生たちが自分好みの組み合わせを楽しめます。そんな中、「フ・ダイニング」では唐揚げやささみチーズ、オクラの巣ごもりといったメニューが大変な人気を誇っています。
食堂では年に6回、特別なフェア企画を行なっているほか、大阪府下の漁港などから提供される新鮮な食材を活用した「しらす丼」などの限定メニューも提供されるイベントも。これらのイベントやメニューは、学生たちの食生活に刺激を与え、新しい味を楽しむ機会を提供しています。
食堂側からすると、このような特別メニューやフェアは、大阪産の食材の良さ、そのクオリティの高さを学生たちに知ってもらう大切なチャンスとなっています。なぜなら、公立大学では最大規模の学生を有する同校には、全国からの学生が集まってきているからです。食堂はそんな背景を持つ学生たちに、大阪の食材の魅力をしっかりと伝える場にもなっているのです。
新型コロナウイルスの影響により、コロナ禍における学生食堂の利用には黙食やアクリル板などの制限が設けられていました。その結果、多くの学生たちにとって、食事の時間は楽しいものから一変して、フラストレーションを感じる時間となっていたそうです。しかし、そんな中でも食堂側は、学生たちが健康的な食事を摂れるよう、そして食事を通じて「食育」の意識を持つよう努めてきました。そんな「フ・ダイニング」ですが、2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に切り替わって以降、食堂はコロナ前に戻ってきています。
「フ・ダイニング」の食堂運営のコンセプトは、「学生たちにしっかりとした食事の摂取方法を学んでもらい、将来的に親として自分の子どもに食事を提供する際に役立ててもらいたい」(大阪公立大学生活協同組合/小手川統括部長)という「食育」の意識が持たれています。
安全面においても、提供する食事の安全性を確保するために、一定の時間が経過した食材は廃棄されるなど、食材の鮮度を常に最高に保つ努力がなされています。これは、学生たちに安心して、そして美味しく食事をとってもらうための取り組みです。
総じて、大阪公立大学の「フ・ダイニング」は、多様なメニューやイベント、安全対策など、学生たちが快適に食事を楽しむための施策が充実しているだけでなく、学生たちの健康と食文化を大切にした取り組みが随所に見られる食堂となっていました。
大阪府堺市中区学園町1番1号
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