【三井物産】社員食堂がある企業に「社員食堂の魅力」について聞いてみました!

新型コロナウイルスの影響で、新しい働き方や生活様式の変化が起きています。それに伴う出社制限やテレワークが常態化することは、企業で働く人にとって「社員食堂」の利用度が減ることにつながる···など、社員食堂業界も大きな変化の真っ只中にいます。しかしその一方で社員食堂が担ってきたコミュニケーションの場としての役割などが、仕事をこなす上で大きな意味を持っていたことが判明するなど、あらためてその価値が見直されつつあります。

そこで社食ドットコムでは、社員食堂を実際に有している企業の社員食堂担当者の方に、社員食堂の現状やそのメリット、感じている可能性などについてお話をうかがい、より多くの企業・人々に社員食堂の「良さ」を発信していただくべくインタビューを敢行しています。

今回ご協力いただいたのは三井物産株式会社。2020年5月にOtemachi One街区内の「三井物産ビル」へ本社を移転、社員食堂も「MEETS EATS」として生まれ変わりました。新社員食堂プロジェクト担当者である人事総務部 Work-X室同社の村井さんにお話をうかがいました。

(聞き手/社食ドットコム編集部:文中敬称略)

【プロフィール】 
村井 希衣(MURAI,Kie)/三井物産株式会社ウェルネス事業本部ホスピタリティ事業部及び人事総務部Work-X室を兼務。入社後、物流実務担当やブラジルでの研修を経て、2018年よりホスピタリティ事業部に所属。2020年5月の三井物産新本社移転時より人事総務部Work-X室を兼務。新本社における複合的ホスピタリティ担当として、Work-Xが目指す「多様な個が集まり、偶発的な出会いや自発的なコラボレーションを通じて、新たな挑戦と創造を生み出す」実現をゴールに、社員食堂やコミュニケーションスペースのコンセプト立案やイベント企画などに携わる。

【会社概要】 三井物産株式会社
1947年設立。金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT事業、コーポレートディベロップメントの各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開している。
三井物産株式会社 企業サイト https://www.mitsui.com/jp/ja/

Q 社員食堂の現状(稼働状況、コロナ対策など)を教えてください

村井 社員食堂については、密にならないように、出社制限に合わせて適宜提供レーンを増減し、営業時間の短縮・延長を実施するなどして営業していますが、カフェ(朝食/日中)は現在クローズしています(2021年10月末時点)。コロナ対策として、アルコール消毒液はもちろん、席を間引いての余裕のある空間つくりや飛沫対策用のアクリルパネル、ソーシャルディスタンスステッカーの設置、精算は社員証/ICカードによる非接触決済などを実施しています。なお、自席でのランチを希望する職員に対し、温かく美味しくテイクアウトできるお弁当メニューの提供も始めました。

また仕事の合間に夕食を摂る職員には、健康的な夕食が摂れるよう2021年4月よりディナー定食の提供を実施しています。夜のお酒の提供は、政府の方針に基づき、時間や制限人数管理を徹底の上、適宜運用を変えながら実施しています。

新しい取り組みとして、経営幹部の発案で社員のコミュニケーション活性化を目的に、2021年10月中旬より17:30から19:00の間、会社の費用負担(人事総務部負担)による飲食提供サービス「Active Talk Hour(アクティブ トーク アワー)」を本店ビルにて開始しました。これは役職員が帰宅前の 短かい時間を利用し、より効果的、効率的なコミュニケーションを図っていただくことが目的です。その際の料理はアラカルト形式の小鉢となっており、味・見た目共に大好評です。ビール、ワイン、ハイボール、日本酒などのお酒も各種提供しています。(東京都コロナ対策認証取得済み)

参加は予約不要で少し立ち寄ってパッと一杯飲んで、少し話しをして帰宅する、という使い方もできますし、1時間半フルに利用しても構いません。会社からのメッセージとして、「利用する人数は2名から4名で、所属部門・年代・性別を超えた社員間のコミュニケーション活性化を目的として利用してください」というメッセージを人事総務部長より出させていただいております。

Q 社員の社員食堂の声はどのようなものがありますか?

村井 もともと社員食堂に対して社員が求めるものは、個人やタイミングによって変わりますよね。「価格」の場合もあれば、「提供スピード」の場合もある。社員同士のコミュニケーションを求める時もあれば、「健康が大事」という時もある。安心安全かどうかも重要です。このようにすべてを一度に満たすことはなかなか難しいと思いつつも、やはり可能な限り多様なニーズに応えていくというのが社員食堂を会社として持っている意味だと思っています。

そういう意味では感染症対策の実施や、少量多品目の「Special」の設置、その他のメニューも麺類や丼ものだけではなくて、アジアンのような少し個性的なメニューや健康的なメニューの提供などをさせていただいて、多様なグループメンバーで利用できるような食環境を整備しています。

また、毎週手打ちそばや手打ちうどん、ライブキッチンを活用したイベントなど、「社員食堂に行くのが楽しいな」と思えるようなイベントも実施しており、社員からの声としても、味や彩りなどに対してとてもポジティブなコメントを頂いております。

下膳口で、「Happy or Not」という、ボタンを押すだけで利用者の意見を集めることができるアンケート機器を設置しており、社員の声を効果的に収集していますが、このデータをみると、「価格」と「提供スピード」に関しては85%ぐらいの方からポジティブな反応をいただいています。このような日々の評価を得られる仕組みを導入し、社員食堂運営に反映させているというのもユニークな取り組みだと思っています。さらに、イントラネット上で社員が気軽に意見やリクエストを寄せられるコメントボックスも用意しています。

Q 社員食堂があることのメリットや、社員食堂運営において意識しているポイントを教えてください。

弊社では人事総務部の中の総務統括とチームWork-X室が連携して社員食堂の企画や運営を行なっています。Work-X室の目的は「社員のコミュニケーション・コラボレーション促進」を社員食堂だけではなく全社単位で行なうことです。社員食堂の企画や運営に関する定例会議をに2週間に1回行なっており、総務統括部門のメンバー、Work-X室のメンバー、食堂運営会社のメンバーも加えて「どんなメニューにしていこうか」とか「どういうイベントをやろうか」といった打ち合わせをしています。

日々のコミュニケーションももちろんですが、食堂運営会社とスタートの地点でどれだけ目線が合っているかということが大事だと思っています。弊社の場合、社員食堂を立ち上げる数年前から試食会を何度も実施したり、「新本社はこういうコンセプトで社員食堂はこういう位置づけで、こんなコンセプトです」ということをしっかりと共有しました。メニューの選定やどんなコーナーにするか、といったことも一緒に作ってきたという背景があるので、ある程度目線が合っている状態から運営を始められたということがとても良かったと思っています。

「メリット」と「意識しているポイント」ですが、大きなところは「コミュニケーションの継続」です。弊社のある千代田区大手町という街の地域性もあるのですが、なかなか5名以上が同席してご飯を食べることができる飲食店がありません。部署単位だと8人くらいまででの会議が多く、その後「みんなでランチに行こう」となっても、近隣のお店は4人程度までしか同席できないためどうしても2つのグループに分かれなければならないということが多いのです。折角一体感を育める機会にもかかわらず、コミュニケーションが断絶してしまうというのはとてももったいないことです。

そういうことも考慮し、弊社の社員食堂では10名ぐらい座れるような席も用意しています(東京都からの要請があれば間引けるようになっています)。料理でも同様に、特定のジャンルの人々が好むメニューだけではなく、アジアンやチャイニーズ、日本食などさまざまなジャンルを揃えることによって、食べたいものが違うことでランチが別々になってしまう、ということにならずにみんなで来てみんなが美味しく食べられるというように意識しています。

社員食堂では意図してないコミュニケーション、意図していない出会いが生まれます。「久しぶり」が仕事の話につながったりしますよね。そういった偶発的な出会いを起点とし、新たなたコミュニケーションが続いていく、ということが社員食堂の大きな特長のひとつだと思っています。

また、社員食堂の役割の一つとして大きいのは社員の健康支援です。「人事総務部として健康支援については重要視している」ということを運営会社には伝えていましたので、健康に資するメニュー提供を実現できています。当社の社員食堂では、社員一人ひとりの健康状態にあわせ当日の社員食堂のメニューの中からおすすめをレコメンドするアプリを導入しています。2021年11月からは、同アプリを活用した減量プログラム(健康社⾷アプリを媒体として⽇々の⽣活習慣を記録し、個⼈&チームで取り組む健康プログラム)を実施。減量や生活習慣の見直しのサポートを行ないます。

近年、リテールや食料で消費者視点のビジネスが増えてきている中、食料事業本部がIOT管理で開発した「完熟米」や化学品部隊がオーストラリアで保有している塩田の塩を一般向け商品化した「シャークベイソルト」の岩塩を活用したメニューを社員食堂で活用する等、消費者視点ビジネスの社内啓蒙にも貢献しています。このように社内に自社の事業部が何をやっているのか? をPRするための場所としての活用も行なっています。

さらに意識しているポイントは、「運営上の柔軟性」です。営業時間や提供レーンの増減など、一般のレストランにおいては柔軟な対応はなかなか難しいかと思いますが、社員食堂では当社の意図に基づいて動いていただくことが可能です。

またサステナブル・シーフードを取り入れたり、社有林の間伐材を使った割り箸を使ったりといったSDGsの取り組みの場としても有効利用できています。

Q 今後、社員食堂で取り組みたいことを教えてください

村井 今後、社員食堂で取り組みたいこととしては、まず社員によるメニュー考案といった社員を巻き込んだイベントの開催です。またコロナ禍でまだオープンできていない「デリ形式のサラダコーナー」の開始です。健康メニュー拡充をはかり、コロナでやや凹んでしまったであろう健康指数の回復に向けた取り組みをしたいですね。

そして最後は経営陣と社員がコミュニケーションできるイベントです。経営層と社員が直接コミュニケーションを取る機会は限定的なので、社員食堂の場を活用して社員と経営層がコミュニケーションできるような取り組みをしていきたいと思っています。

━今後の取り組みも期待しています。ありがとうございました!

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