「食事をする」ことでできる社会貢献 – TABLE FOR TWO
「社員食堂で一食たべると、開発途上国の子どもの給食一食分を寄付したことになる」こんな寄付モデルをもとに2007年に日本で創設されたTABLE FOR TWO。その活動は日を追うごとに注目を浴び、今や参加企業・団体数は480を越えるだけでなく、アメリカにもその活動はひろがっています。
社員食堂を紹介する社食ドットコムもその活動には注目しており、今回、縁あってTFTのスタッフである小林智子氏にインタビューをお受けいただきました。
特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO International
設立2007年10月 代表理事 小暮真久
http://www.tablefor2.org/
── テーブルフォーツー(TABLE FOR TWO 以下TFT)の設立とその目指すところについてお聞かせください。
今、世界中に70億人ぐらい人口がいる中で、約10億人が飢餓や栄養不良で苦しんでいるといわれています。その一方で日本やアメリカを含む先進国を中心とした約10億人は、食べ過ぎがひとつの原因で生活習慣病や糖尿病、メタボなどの過体重で苦しんでいるという現実があります。
同じ「食」という資源をめぐって、かたや食べられずに命を落としかねない10億人と、食べ過ぎがひとつの原因で健康を害している10億人がいる。
「これって何かおかしいよね、この問題を解決できないの?」
という問題意識がテーブルフォーツーの活動の始まりです。
具体的に何をしているかというと、いろんな企業さんに社員食堂で通常より少しヘルシーなTFTプログラムのメニューを提供していただいいております。
これは野菜を中心とした730キロカロリー程度のヘルシーメニューで、それには20円の寄付金が上乗せされています。この一食あたり20円をまとめて事務局でお預かりして、アフリカのウガンダ、エチオピア、ルワンダ、ケニアといった国で学校給食として提供しています。日本での20円は1食の給食を賄うことができるんです。
社員食堂でこのテーブルフォーツーのメニューを食べるだけで、本人はカロリーを抑えた健康的な食事を摂ることができ、かつ開発途上国の子どもに1食寄付したことになるというわけです。
── 途上国の食の現状はどのようなものなのですか?
「朝ごはんを食べられずに学校で給食を食べて、夜はほんお少しだけ食べる」というケースもあれば、「学校給食が唯一の食事です」というケースもあります。
以前は家からお昼ごはんをもってこなければなりませんでした。その頃は余裕があるおうちだとお弁当のようなものを持ってこられるのですが、余裕のないお家ではお昼ごはんの間は校庭にでてみんなが食事を終えるのを待っている、ということがあったそうです。
そんな状態が続くと「学校にきて勉強してお腹が空くんだったら家の手伝いでもしていたほうが……」ということで、一年生時にはそこそこあった就学率が上級生になるにつれ下がっていくんです。学校に来なくなってしまうんです。
我々が提供しているものは給食なんですけど、このようにモチベーションのひとつに給食がつながっている部分があるので、給食を通じて教育の機会を提供しているという意味のある活動となっています。