
プロサッカー選手の高いパフォーマンスのために、運動直後に良質の食事を!
「アスリートに必要な食事を!」練習内容や試合日程、コンディションを考慮したメニューの数々
今回訪問したのは、J2リーグに所属する横浜FC。横浜FCが練習場として活用している「横浜FC・LEOCトレーニングセンター」(神奈川県横浜市)では、Jリーグでも食事施設を持たないチームが多い中クラブハウスに食堂を設置し、選手のコンディションを強力にバックアップしています。
アスリートの心身を支える食事はどのようなものでしょうか?
それではキックオフ!
2010年3月に横浜市水道局から10年間の賃貸借契約を締結し、現在横浜FC・LEOCトレーニングセンターとして練習場となっています。 施設内に足を踏み入れると、すぐ左手にファンサービスエリア、その先の階段を上がると練習グラウンドが。 エンブレムにはフェニックス(不死鳥)が。フリューゲルス消滅から新しく生まれた横浜FCならではのシンボル。 こちらが練習グラウンドです。天然芝と人工芝のグラウンドがひとつずつと体育館施設があります。 トップチームのトレーニングの様子。日によってバランスを変えた練習メニューとなります。 トレーニング終了後は写真撮影やサインなどのファンサービスも行われます。
※非公開や選手の体調等により実施できない場合がございます。こちらはクラブハウス。横浜FCを運営する株式会社横浜フリエスポーツクラブの事務所でもあります。 トップチームだけでなく、横浜FCユースや横浜FCジュニアユースなどの賞状やトロフィーなどが数多く展示されています。 フラッグに使用されているカラーの水色は「空」、 白は「雲」、青は「海」を表しているそうです。 こちらが横浜FCの食堂です。Jリーグでもクラブハウスに食堂があるのは珍しく、ごく一部以外は食堂施設がないクラブがほとんどだとか。 ごはん、汁物などはおかわり自由。お昼は毎日40合くらい炊きます。メニューが人気のカレーのときはごはんが増えるので、50合くらい必要になるそうです。 ファンから贈呈された「サッカーを愛するところに サッカーの神はほほえむ 横浜FCの一歩一歩はすべての勇気に変る」と書かれた書が、食堂の中央に飾られています。 アスリート食の基本となる「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」の5種類は必ず揃える事を前提に、炭水化物・たんぱく質は多めに、脂質は控えめに、と献立はもちろん調理方法も工夫しているそうです。 ランチの一人前の栄養価は1,500kcal前後。サッカーというスポーツに必要な「走り」と「あたり」を強くすることを意識したメニューづくりとのこと。 体が資本のアスリートには「食のサポート」は体づくりにとって重要な施設。他のクラブからも「食のサポートがすごい」と言われているそうです。 この日のメニューのひとつ「鶏肉のカレー焼き」 ジャコと葱の卵焼き きのこオクラ 明太フランス フルーツヨーグルト この日の全部のせ
エネルギー1532kcal食欲を増進させるレモン水。食事前にコップ1杯がおすすめ! ランチタイムとなりました。満面の笑みで登場したのは若林強化育成管理担当。愛称はゲンゾウさん。ん? 若林ゲンゾウって・・・。 横浜FCの選手の平均年齢は27歳。比較的ベテランが多いチームだそうです。 次々に選手やスタッフがやってきます。1試合で10km以上も走るため、試合後は体重が2〜3kg落ちる選手もいるといいます。 試合前には炭水化物系を食べるよう、あえて丼ものにするなどサッカー選手に適したメニューを提供しています。 「使った筋肉を修復するためには、運動後なるべく早くバランスの良い食事を摂る必要があるので、グラウンドの近くに食堂があるのはとても大事」だそうです。 一人ひとり、体重や筋肉量をチェックし、体調やパフォーマンスとの相関関係をデータ化しています。 食事は選手のコンディション管理の一部ととらえているので、グラフや表にして選手の目標に到達できるように一緒に相談しています。コーチとの共通認識で選手を指導する材料にもなっているとのこと。 食事中は貴重なリラックスタイム。おしゃべりする人もいれば、テレビを見る人も。 「トップチームだけでなく、下部組織のアカデミーでもお弁当が出るし、ユースの選手もトレーニングが終わったらすぐ食事ができるので、成長期の選手には素晴らしい食環境です」と語っていただいたのは中田仁司監督。 「以前の所属チームと比較すると、昼食がトレーニング後にすぐ栄養補給できる。これがベースとなっていて大きいですね」(市村篤司選手) 「食事のサポートはとても助かっています。ユース時代から食事の提供を受けていて、体重が増えました」(小野瀬康介選手) 「練習内容、試合、天候、選手のコンディションなどを考慮しながら献立作成をしています」と語る管理栄養士さん。 選手にアスリートの食事が学べるよう、壁にサンプルを貼り付けています。 Jリーグの中でもトップクラスの食事サポート体制のある横浜FC。今後の飛躍が楽しみです!
まとめ
アスリートとして、食事がパフォーマンスに影響するにもかかわらず、Jリーグのトップチームでも、ほとんどのチームが練習施設に食堂を併設しておらず、練習後は外食やコンビニ弁当中心という選手が多いそうです。
そんな中、横浜FCさんではアスリートの食ということで、どのようにすれば最も良いパフォーマンスを発揮できるのか? という目的に沿ったメニュー作りを徹底しています。さらに、「食事中も自然と選手に接することで、選手自らコンディションや悩みを教えてくれたり、サッカーと関係のない話をしていく中で、選手の状態についての情報が得られたりすることがあるので、話をすることが大切と感じています」と、数字のデータだけでは掴みきれない情報は、コミュニケーションの中から補っていくという方法を実践しています。
個々の食とパフォーマンスの関係性が今後明らかになってくれば、アスリートだけでなく、ビジネスマンや学生など一般の人にも普及していくことになるでしょう。
今後の横浜FCの活躍が期待されますね!
神奈川県横浜市保土ヶ谷区川島町522番地3
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