学生記者による取材レポート
農林水産省取材同行記(1)
食に対する責任感が伝わります
私は今回、農林水産省の食堂「咲くら」さんを訪問させていただきました。農水省は国の食を司る機関、ということでかなり緊張して向かいました。場所は霞が関の地下鉄A7出口の目の前です。「霞が関」と聞くとさらに緊張してきますね……。
農水省では一階にあるお蕎麦屋さん、おにぎり屋さん(小窓から購入のみ可)、そして今回お邪魔させていただいた「咲くら」さんを一般の方にも開放しているそうです。省庁で食堂を開放しているのは農水省だけ。この食堂で食事をするために遠くから来られる方もいらっしゃるそうです。実際私たちが訪問させていただいた当日も、食堂は大混雑でした。
こちらの食堂の特徴はなんといっても「すべてのメニューに食料自給率が表示してあること」。利用者の方に食料自給率に関心を持ってもらうことが目的のようです。農水省の食に対する責任感がうかがえます。自給率の観点から、「米粉」を使った料理も多いとのこと。米粉を使うことで自給率アップにも貢献できますし、加えて米粉を使った揚げ物などは時間がたってもサクサクでおいしいそうです。
今回私たちが頂いたのは「クジラ」を使ったメニューです。なぜクジラなのか? と料理長に伺ったところ「クジラは日本の食文化なので、守っていきたいから」だそうです。日本の食文化に対する誇りを感じました。
私が食べたのは「クジラのシチュー」です。私、実は今回初クジラだったのですが、とてもおいしくて驚きました。鉄板に入ったブラウンシチューの中にクジラの竜田揚げが入っていて、カリカリのクジラとシチューがマッチしています。サラダ、ごはん、味噌汁も付いていて、食べ応え十分です。しかし隣の方が食べていたサバの塩焼きもおいしそうですし、野菜カレーも気になります。これは通ってしまいそうです。「咲くら」は一般開放していますから、私でもいつでも来ることができます。
今回に訪問で私が感じたのは、農水省の「食に対する責任感」です。私たち消費者と食をつなぎ、安心でおいしい食事の提供をする、という熱い思いが伝わりました。また今度、友人を誘って食べに来たい、素敵な食堂でした。
農林水産省取材同行記(2)
「食」を考える機会に感謝!
今回私は、霞が関にある農林水産省を訪問しました。まず始めに「消費者の部屋」で開催されていた「チョコレートやカカオに関する展示」を拝見しました。世の中に出回るあらゆるチョコレート菓子が所狭しと並び、カカオやチョコレートの歴史の移り変わりなども見ることができました。「消費者の部屋」は、一般向けにさまざまな企画を行なっているので、この日も多数の一般見学者の方がお見えになっていました。
甘い気分になったところで、いよいよ食堂訪問開始です。一つ目の食堂、主に麺類を提供している「日豊庵」へ。そば・うどんを自分好みのトッピングで楽しめます。価格もとてもリーズナブルです。
次に、和食・カフェテリアの「手しごとや 咲くら」へ。このときはまだオープン前だったので、料理長の伊藤誉志さんにお話を伺うことができました。もともとフランス料理がご専門だった伊藤さんは、日本料理とのかかわりが深くなるにつれて自給率への意識が強くなったそうです。外国に比べて、食料自給率が低い日本で、もっと関心を持ってほしいとの願いから、省内の食堂メニューには自給率が表示されています。この「咲くら」そして「日豊庵(そば・うどん)」という二つの食堂は、一般開放されています。
ちょうどよくおなかが鳴り始めたところで、「咲くら」にて昼食をとろうとすると、そこには人、人、人……職員さんや一般の方で大賑わい! 「咲くら」では鯨メニューを提供していて、私は鯨の竜田揚げがトッピングされたカレーライスを頂きました。他にも鯨のステーキなども提供されており、いつでも食べられるメニューではないだけに、多くの方が召し上がっていました。
ちなみに農林水産省では、お昼の時間帯は食堂以外の電気は消灯になります。これは何年も前からずっと行なわれているそうで、職員の方の中では常識になっています。環境に配慮をしながら日本をつかさどる中心機関の意識の高さを、空気全体で感じられる大変有意義な一日でありました。どうもありがとうございました。
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