中之島センタービルは、1969年に日本電信電話公社近畿電気通信局(当時)が移転後の跡地利用について検討されたことから構想が始まりました。井口竹次郎大阪工業会顧問(当時)、市川忍大阪商工会議所会頭(当時)、芦原義重関西経済連合会会長(当時)が世話人となり近畿電気通信局とともに話し合いが行われ、大阪市の整備計画に沿う都心としてふさわしい超高層ビルを建設することとなり、大阪における超高層ビルの草分け的存在として1975年に竣工されました。
地下3階、地上31階、塔屋2階のオフィスビルである中之島センタービルには、宿泊施設「ホテルNCB」、貸会議室・宴会場「NCB会館」をはじめ、メディカルセンター、レストランやカフェ、コンビニエンスストアなどのショップ、郵便局、銀行ATM等が備えられており、館内で働く人の利便性を最優先に考えられています。
今回ご紹介するのは地下一階にある職域食堂「NAKAMOS dining(なかもす だいにんぐ)」。ビル内に勤務している人だけでなく、近隣のビジネスパーソンや一般の方にも幅広く利用されています。早速ご案内しましょう。
まとめ
人と人が交流する中之島で新しい価値を生む社員食堂
江戸時代、海運の要衝という立地のため諸藩の蔵屋敷が集まっていたことから「天下の台所」と呼ばれ物流・商業の中心として多くの人の交流で栄えた中之島。現在も企業や官公舎、国際会議場、美術館など大阪のビジネスや文化などの発信地であり、多くの人の交流の場となっています。
中之島地区では、2022年早春に新美術館「大阪中之島美術館」の開館が予定されており、それに伴い文化・芸術の中心的な拠点としてまちづくりが進められます。また国際交流の拠点として位置づけられているほか、2024年には小中一貫校の開校や、2031年春には大阪都市部の南北の鉄道網「なにわ筋線」の開業計画も決定し、梅田、難波、関西国際空港へのアクセスが一層便利になることが想定されるなど、さらなる利便性の向上が期待されているエリアとして注目されています。
中之島センタービルの職域食堂「NAKAMOS dining」は、2017年11月にリニューアルオープン。「水の都・中之島で人と人が醸し合う憩いの空間となるよう」「いつでも自由な発想で、新しい価値を生み出す異文化交流の地でありたい」ということから、中之島(NAkanoshima)+醸す(KAMOSu)=NAKAMOS と名付けられました。
そのため、館外の一般客も利用できるパーティや社内の懇親会、打ち上げなどにも利用できるほか、14時~17時は、館内の方が自由に休憩スペースとして利用できるように開放しています(コロナ禍中は中止)。館内には約4,100人(通常時)ものビジネスパーソンが在館しており、「同じビル内で気軽に利用できる」「インスタグラムでメニューがチェックできる」と利便性の高さが好評を博しています。
また、メニューにもなるべく地元エリア産の食材を利用するなど、地産地消の取り組みも行なっています。
「近隣から食材を仕入れることで、配送時の二酸化炭素を少なくすることができるほか、地域貢献にもつながります。SDGsの取り組みの一環にもなりますので、NAKAMOS dining委託会社の協力のもと今後も積極的に使用していきたいと考えております」(同ビルを所有する大阪地区開発株式会社の河井経営企画担当主任)と、積極的な地元エリアの食材利用を考えているとのことです。
中之島センタービルの職域食堂「NAKAMOS dining」は、多くの人が交流する街として栄えている中之島の歴史を引き継ぐとともに、持続可能な未来への取り組みを行う食堂でした。
大阪府大阪市北区中之島6丁目2−27
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