中之島センタービルは、1969年に日本電信電話公社近畿電気通信局(当時)が移転後の跡地利用について検討されたことから構想が始まりました。井口竹次郎大阪工業会顧問(当時)、市川忍大阪商工会議所会頭(当時)、芦原義重関西経済連合会会長(当時)が世話人となり近畿電気通信局とともに話し合いが行われ、大阪市の整備計画に沿う都心としてふさわしい超高層ビルを建設することとなり、大阪における超高層ビルの草分け的存在として1975年に竣工されました。
地下3階、地上31階、塔屋2階のオフィスビルである中之島センタービルには、宿泊施設「ホテルNCB」、貸会議室・宴会場「NCB会館」をはじめ、メディカルセンター、レストランやカフェ、コンビニエンスストアなどのショップ、郵便局、銀行ATM等が備えられており、館内で働く人の利便性を最優先に考えられています。
今回ご紹介するのは地下一階にある職域食堂「NAKAMOS dining(なかもす だいにんぐ)」。ビル内に勤務している人だけでなく、近隣のビジネスパーソンや一般の方にも幅広く利用されています。早速ご案内しましょう。
中之島線「中之島駅」2番出口から徒歩4分。中之島のほぼ西端にある中之島センタービル。高さ約129メートルです。 中之島センタービルからの眺望。堂島川と土佐堀川が合流し安治川となり、その先の大阪湾へと流れ込んでいきます。 敷地内にある玉吉稲荷神社。江戸時代、中之島には40もの蔵屋敷があり、その蔵屋敷を守るための祠のひとつだとされています。 お出迎えいただいた中之島センタービルの所有者である大阪地区開発株式会社の森経営企画部長、荒川取締役、河井経営企画担当主任(左より)。 (公社)関西経済連合会、(一社)関西経済同友会、西日本電信電話㈱、関西電力㈱などの経済団体や民間企業が入居しています。 それでは1階ロビーからエスカレーターで地下1階の食堂・喫茶エリアへ向かいます。 エスカレーターを降りるとすぐ左手に職域食堂「NAKAMOS dining」があります。中に入ってみましょう! 営業は平日11時~14時となっており、館外の人も利用可能な職域食堂です。 まず食券を購入します。お支払いはEdyカードや現金で(初めての場合はスタッフにお声がけします)。 12時過ぎ頃は食券購入に人が並ぶため、床には感覚を空けて並ぶよう案内がされています。 健康をサポートする管理栄養士によるランチメニューは日替わり3種類、カレー、麺類、テイクアウト用お弁当が提供されています。 トレーを持って、希望するエリアで食事を受け取ります。 ランチとセットとなる小鉢も充実しています。 人気のデトックスウォーター。日替わりで味が楽しめる上、食堂利用者は無料です! 給茶機でお水orお茶を選んだら座席へ。 1日の利用者数は250食(コロナ禍)。座席数は201席。
食堂のコアタイムは11:50~12:30。店内は明るいウッド調のぬくもりと癒しのグリーンをモチーフにしており、インテリアは北欧デザイン家具で落ち着きのある空間。 カジュアルなパーティから、社内の懇親会や打ち上げなど幅広いシーンで利用可能となっています。 職域食堂のため、ビル内外のさまざまな企業の方や一般の方が利用しています。 新型コロナウイルス対策として、各席のアルコール消毒やアクリル板の設置が施されています。 店内はフリーWI-FIが設置されており、食事をしながらのスマホ閲覧もサポート。 コロナ禍で中断されていますが、通常時の14時~17時の間は、館内の方が自由に休憩スペースとして利用できるように開放されています。 【Aランチ】豚天~柚子香るおろしポン酢~ 【Bランチ】グリルチキン~クリームソース~ 【Cランチ】あさりご飯の和風オムライス~あっさり貝だしあん~&サラダ・スープ 【麺】竹輪天のせカレーうどん 【VOICE】「コロナ対策も万全ですし、食事も美味しいです」 【VOICE】「カフェのようでリラックスできます」 【VOICE】「会社からすぐ来れるので便利ですね」 【VOICE】「落ち着いた雰囲気ですし、栄養バランスも良いので嬉しいです」 食べ終わると下膳コーナーへ。ピクトグラムで案内されており、初めての利用者や外国の方も直感的に理解しやすくなっています。 その日のメニューやイベントなどをインスタグラムで情報発信。その日のメニューなどもわかります。
まとめ
人と人が交流する中之島で新しい価値を生む社員食堂
江戸時代、海運の要衝という立地のため諸藩の蔵屋敷が集まっていたことから「天下の台所」と呼ばれ物流・商業の中心として多くの人の交流で栄えた中之島。現在も企業や官公舎、国際会議場、美術館など大阪のビジネスや文化などの発信地であり、多くの人の交流の場となっています。
中之島地区では、2022年早春に新美術館「大阪中之島美術館」の開館が予定されており、それに伴い文化・芸術の中心的な拠点としてまちづくりが進められます。また国際交流の拠点として位置づけられているほか、2024年には小中一貫校の開校や、2031年春には大阪都市部の南北の鉄道網「なにわ筋線」の開業計画も決定し、梅田、難波、関西国際空港へのアクセスが一層便利になることが想定されるなど、さらなる利便性の向上が期待されているエリアとして注目されています。
中之島センタービルの職域食堂「NAKAMOS dining」は、2017年11月にリニューアルオープン。「水の都・中之島で人と人が醸し合う憩いの空間となるよう」「いつでも自由な発想で、新しい価値を生み出す異文化交流の地でありたい」ということから、中之島(NAkanoshima)+醸す(KAMOSu)=NAKAMOS と名付けられました。
そのため、館外の一般客も利用できるパーティや社内の懇親会、打ち上げなどにも利用できるほか、14時~17時は、館内の方が自由に休憩スペースとして利用できるように開放しています(コロナ禍中は中止)。館内には約4,100人(通常時)ものビジネスパーソンが在館しており、「同じビル内で気軽に利用できる」「インスタグラムでメニューがチェックできる」と利便性の高さが好評を博しています。
また、メニューにもなるべく地元エリア産の食材を利用するなど、地産地消の取り組みも行なっています。
「近隣から食材を仕入れることで、配送時の二酸化炭素を少なくすることができるほか、地域貢献にもつながります。SDGsの取り組みの一環にもなりますので、NAKAMOS dining委託会社の協力のもと今後も積極的に使用していきたいと考えております」(同ビルを所有する大阪地区開発株式会社の河井経営企画担当主任)と、積極的な地元エリアの食材利用を考えているとのことです。
中之島センタービルの職域食堂「NAKAMOS dining」は、多くの人が交流する街として栄えている中之島の歴史を引き継ぐとともに、持続可能な未来への取り組みを行う食堂でした。
大阪府大阪市北区中之島6丁目2−27
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