
西松建設株式会社
「培ってきた技術と経験を活かし、価値ある建造物とサービスを社会に提供することで、安心して暮らせる持続可能な社会・環境づくりに貢献する。」という企業理念を掲げる西松建設。同社の資本金は 235億1364万3819円、売上高 3,237億54百万円(連結)、3,177億07百万円(単体)(2022年3月末時点)、従業員数3,106人(連結)、2,794人(単体)という大手総合建設業者です。
その歴史は1874年(明治7年)、創業者の西松桂輔が土木建築請負業を創業したことから始まります。
1914年に西松工業所、29年合資会社西松組にそれぞれ名称を変更し、37年には株式会社西松組を設立し合資会社西松組と合併、48年に現在の西松建設株式会社となっています。同社は青函トンネルや東京湾アクアライン、明石海峡大橋、北海道新幹線、北陸新幹線、リニア山梨実験線といった大型土木工事を多数手がけているだけでなく、道路・ダム等の公共施設の建設、都市再開発、さらに超高層ビルやマンション、学校、病院建設といった建築部門も手がけています。またバンコク地下鉄、香港新空港、英仏海峡トンネルなどを施行するなど海外工事も手がけています。
同社では2020年3月本社を虎ノ門ヒルズ(ビジネスタワー)に移転すると同時に社員食堂「N‘s SQUARE」を設置。随所に建設会社らしさを取り込んだ社員食堂が誕生しました。
東京・港区にある虎ノ門ヒルズビジネスタワー。こちらの6階と7階に西松建設本社が入居しています。 歴代社長の写真や社名入りの銅板、鬼瓦など同社の歴史が感じられます。 まずは執務エリアへ。こちらのディスプレイでは全国の工事現場の様子が映されています。 6階と7階は中階段で繋がっており、移動も簡単。執務エリアは明るくて働きやすそう。席間も広く移動しやすくなっています。 こちらにはちょっとしたコーヒーブレイクができるテーブルが設置されています。 棚の奥側にあるリラックスエリア。ちょっと一休みしたい時はこちらに座ってゆっくり過ごせます。 それでは社員食堂「N‘s SQUARE」へ向かいましょう。
ディスプレイからメニューを選びます(メニューは社内デジタルサイネージでも見ることができます)。社員食堂の入り口には、SDGsの取り組みが掲載されています。この月は「流しすぎない」がテーマとなっていました。 社員食堂の営業時間は 11:30~13:00。
食堂のコアタイムは11:50~12:15。メニューは、定食2種類、丼もの1種類、麺2種類の計5種類が日々提供されています。 日替わりヘルシーメニューは管理栄養士が監修した「野菜たっぷりメニュー」。栄養表示も行なわれています。 社員食堂では、自社の子会社が栽培するレタス(クリーンルームの中で成長に最適なLED光と栄養豊かな水で栽培されている)も使用されています。 お肉や揚げ物、麺類を好まれる方も多いですが、最近はヘルシーメニューが定着し、健康志向の高い方も多く見受けられるとのこと。 座席数は約100席。取材時はコロナ禍で出社数が下がっており、取材時の1日の利用食数は平均約200食。 コロナ禍での営業開始となったため、開業時から感染症対策として椅子が間引かれています。 飛沫対策として、同一方向に向けて使用するよう座席を配置。 席間が広く取られているだけでなく、開放感が得られるよう天井が抜かれています。 都心の街並みを眺めながら食事のできるカウンター席も人気。 食堂のアイドルタイムでは、電動昇降スクリーンを使って打ち合わせや社内の表彰式など多彩な活用がされています。 鉄骨を模したモニュメントが特徴的。建設業ならではのモノを活かしたデザインで、独創性が感じられます。 こちらは自社が施工したトンネル工場現場をイメージさせる、通称トンネル席。壁面には当時の工事現場のモノクロ写真も。照明もカンテラ風と凝っています。 こちらに訪れたら座ってみたくなる、鉄板が利用されたテーブルも設置されています。 【MAIN A】煮込みハンバーグ(手ごねハンバーグ) 【MAIN B】海老と野菜のガリマヨ炒め〜 菜の花の辛子和えミモザ風〜 【NOODLE】プッタネスカ 【BOWL】韓国風チャーハンとヤンニョムチキン 【VOICE】「食堂の雰囲気もいろんな席があるので、毎日毎日違った席で食べると新鮮味を感じられるので良いと思っています」 【VOICE】「定食を選んだりすることが多いんですけど、ヘルシーメニューを食べて、健康に気を遣いつつもボリュームもあるので満足感があると思います」 【VOICE】「よく一緒に来るのは部署の上司だったり同期です。食べながら近況について話すことが多いです。味も美味しくてコスパも良いですね」 【VOICE】「食堂に来て、他の部署の人と偶然同じ列に並んだりして、そこで話が生まれて一緒に食べたりとか、コミュニケーションの場になっています」 管理栄養士が配信している栄養情報。そのほか健康関連の書籍や雑誌も閲覧できます。 併設されているカフェコーナー。建設業界の朝は早く、営業時間は7:15~15:30。ドリンク以外にもスナックやチョコレートなどもあります。 社員であれば自由に利用できるので、営業時間以外では仕事の打ち合わせなどでも利用されています。 ご案内いただいた鬼木開発事業第一部部長(左)と相馬総務課長。ご多忙の中、ありがとうございました!
まとめ
「食事」「空間」のコンセプトを満たす西松建設の社員食堂
西松建設では、社員食堂を新設するにあたって、「食事」と「空間」において実現したいコンセプトをそれぞれ3つずつ作成しています。
食事のコンセプト
【1】・健康に配慮したメニューであること
【2】・目で見て美味しい、食べて美味しいメニューであること
【3】・飽きることのないメニューであること
空間のコンセプト
【1】・社員食堂としての役割のみならず、男女問わず社員にとって居心地の良い空間であること
【2】・明るく清潔感のある空間であること
【3】・良い意味でゼネコンらしくない遊び心のある空間であること
食堂運営会社を選ぶ際にもこのコンセプトを実現できるかどうかが最大のポイントであったそうで、実際に稼働し始めている現在は非常に満足度の高い運営を行なえているとのことです。
社食ドットコムが普段取材して感じることは、「個性のある食堂が少ない」ということなのですが、西松建設の社員食堂では自社が施工したトンネルをイメージした座席や、鉄骨を利用したディスプレイなど、建設業の社員食堂ならではの取り組みがなされており、遊び心を感じさせてくれます。
以前は社員食堂がなかった同社ですが、社員食堂を導入することのメリットとして「栄養バランスの良い食事で社員の健康に配慮できること、社員は周辺の飲食店よりも安価に食べることができる、お昼の休憩時間の有効活用ができる、社員同士のコミュニケーションを誘発することなどです」(開発・不動産事業本部/ 中島主任)といった声が挙げられており、社員食堂があることのメリットを大きく感じているとのこと。
そのほか、SDGsの取り組みも積極的に行なっており、記事中にあるように、廃プラとしてコーヒーカップ、ストロー類を紙製品に変更したり、陳列サンプルをデジタルサイネージに変更するなどの取り組み以外にも、フードロス削減として営業時間後半では食数を少なめに調整しているほか、電気や水道の使用量の軽減などに取り組んでいます。
西松建設では、服装の自由化を導入するなど、自由闊達で風通しの良い社内風土のもと、社員食堂が運営されていました。
東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。