本州最南端の和歌山県東牟婁郡串本町にある紀伊大島に位置しており、日本の空の安全を守る重要拠点である航空自衛隊串本分屯基地は、第5警戒隊が配置されています。この基地の任務は、日本の防空識別圏内で航空機を監視・追跡し、国の安全を保障することにあります。
同基地の存在は地域の安全と安心に寄与し、地域社会との連携や災害時の支援など、地元に根ざした活動も行なっています。この戦略的に重要な基地は、日本の安全保障体制の中心的役割を担い、今後も国の平和と安全のために活動を続けることが期待されています。
そんな串本分屯基地にある隊員食堂は、隊員の健康と士気向上に貢献し、地元食材やジビエ料理を使うなど地域への貢献や対外的なPR活動にも力を入れています。また航空自衛隊では唐揚げを「空上げ」と呼ぶとともに、各基地ごとにオリジナル「空上げ」を考案し「空自空上げ」とするなど、「食」を通じた様々な取り組みは、基地の運営においても重要な役割を果たしています。
それでは航空自衛隊串本分屯基地の隊員食堂へ行ってみましょう!
まとめ
隊員の健康や士気を高め、地域に貢献する航空自衛隊串本分屯基地の隊員食堂
自衛隊では常に国家の防衛、また災害における国民への奉仕の精神を持っており、食事はそういった隊員の気力体力の根源を担っていると考えられています。そのためバランスの取れた美味しい食事を調理員や栄養士と一丸となり、提供しています。
2019年、自衛隊では自衛官の生理学的調査を含む調査研究により、最新の科学的知見に基づいて隊員に必要な摂取カロリーと栄養素を供給するよう、「栄養摂取基準」が見直されています。串本分屯基地においても現在は新たに設定された栄養摂取基準に合わせた食事が提供されており、隊員食堂で喫食することは、 自衛官として必要な気力・体力の充実を図れるというメリットがあります。
また、航空自衛隊においては「より上を目指す」という意味も込めて、鶏の唐揚げを「空自空上げ」と名付け、毎月最終金曜日の「空自空上げの日」に各基地の隊員食堂にて提供しています。串本分屯基地においては地元和歌山産の「南高梅の紀州梅干し」を衣に練り込んだ「紀州梅空上げ」が提供され、梅の酸味と香ばしさが好評とのこと。航空自衛隊はこの「空上げ」にかなり力を入れており、公式WEBサイト内に「スペシャルコンテンツ」カテゴリー内に「空自空上げ」コーナーを用意しているほど。各基地のオリジナル空上げのレシピもありますので、興味がある方は閲覧してみてはいかがでしょうか。(航空自衛隊公式WEBサイト内 「空自空上げ」ページ )
串本分屯基地隊員食堂では、近隣を含む地元エリアの食材や、地元地域の農場を荒らす害獣として駆除される野生鳥獣をジビエ料理として積極的に提供しています。また「紀州梅空上げ」を串本町の名物料理にすべく、町内の食事処にレシピを開放していたり、中高生の職場体験イベントの際に、食堂で体験喫食を行なうなど、「食」を通じて地域にも貢献しています。さらに、残った料理についても衛生上問題がなければアレンジを施して次回の食事で提供するなど、フードロス対策にも取り組んでいます。このようにSDGsの観点からも同基地の隊員食堂の効率的な活動の様子が伺えます。
昨今の社員食堂は、「食べるだけ」の施設ではなくなってきていますが、串本分屯基地隊員食堂も同様で、隊員の健康、士気向上、PR、地域貢献などマルチな活用がなされている食堂でした!
和歌山県東牟婁郡串本町須江1383-12
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