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東京大学医学部附属病院は東京大学本郷キャンパス内にあります。その起源は、1858年(安政5年)天然痘の予防及び治療を目的として設立された”神田お玉ヶ池種痘所”まで遡ります。その後、江戸幕府の西洋医学所、東京医学校へと移り変わり、1877年の東京大学創設と共に合併し、1949年に東京大学医学部附属病院となり、現在東京大学本郷キャンパス内に設置されています。
通称・東大病院とも呼ばれ、38の診療科とそれらを横断的に支援する39の中央施設部門があり、臨床研究部門も有しています。同病院の平成29年度の一日あたりの外来患者数は2,864人、入院患者数は983人。特定機能病院、東京都災害拠点、地域がん診療連携拠点病院、臨床研究中核病院、がんゲノム医療中核拠点病院などに指定されており、理念として掲げる「臨床医学の発展と医療人の育成に努め、個々の患者に最適な医療を提供する」ことの実現を目指すと同時に、患者の意思を尊重する思いやり精神を重視している病院です。
そんな東大病院では2017年12月1日に、今までなかった職員専用食堂を新設。医療の最前線で働くスタッフを手厚くバックアップする福利厚生施設としてのみならず、災害拠点病院ならではの機能も備えているとか。今回、社食ドットコムの活動にご賛同いただき、その職員専用食堂の取材をお受けいただきました。
それでは東大病院の職員専用食堂をご紹介いたします。
東京大学本郷キャンパス内に位置する東京大学医学部附属病院。JR上野駅やJR御茶ノ水駅などからバスで「東大病院前」下車すぐ。 管理・研究棟(旧外来診療棟)の設計は、安田講堂も手がけた建築家の内田祥三・元東京帝国大学総長(1885〜1972)。 外来診療棟の正面玄関。一般病床1,163床、精神病床54床。職員数は医師・看護職・技術職員・その他計4,024人(平成30年4月1日現在)。 この日の予約患者数は3,200人! 病院のコミュニケーションマークはヒューマンの「h」と、ホスピタルの「h」という2つのhが向き合っています。 総合案内です。初診の受付時間は8:25〜17:00(当日予約は11:00まで)。 初診や再診受付、お支払いなど。再診の受付時間は、8:10〜15:30(再来受付機)、8:25〜17:00(受付窓口) 病院内。利用者にわかりやすいよう大きく独特な字体で書かれた道案内。 こちらは病院の中にあるグリーンテラス。入院中で外出ができない患者さんにも外の雰囲気が味わえるよう緑が豊富な空間となっています。 こちらが2017年12月にオープンした職員専用の食堂「くすのき」です。名前は公募で決定しました。 早速中に入ってみましょう。入り口にはその日のサンプルがディスプレイされており、メニューには栄養成分が記載されています。 こちらで料理を受け取ります。手前にはレーン案内図が配置されています。食堂スタッフは営業前で準備に余念がありません。 小鉢のケース。サラダや納豆、冷奴、半熟玉子、煮卵のほか、黒ごまプリン、ベイクドチーズタルトといったデザートも。 社員食堂では珍しい温かなサイドメニューの“ホット小鉢”。この日はコロッケ、ミニ春巻き、鶏のから揚げ。 営業時間は11:00〜20:00(土日休)。夜間の業務に携わるスタッフも考慮して、長めに設定されています。座席数は全164席。 サンプルを見ながら「今日は何にしようかな?」と相談中の救急科の医療スタッフ。つかの間のリラックスタイムですね。 メニューはヘルシーセット、Live&Special、ランチセット、カレー、丼セット、うどん、そば、ラーメンなど日替わりで30種類以上! 食堂の利用者は20代から30代の女性看護師が多いとのこと。利用者の男女比は4:6だとか。 「普通の社員食堂だと滞在時間は約15分程度ですが、こちらの食堂では皆さんおいそがしいので、10分程度ですね」(店長) 食堂は「居心地の良い、多くの女性の方がご利用いただける場所を目指しました」(食堂運営スタッフ)とのこと。 職員専用食堂なので、周りを気にすることなくリラックスできる空間に。音楽が流れ、壁面には多くの絵画が飾られています。 【ヘルシーセット】塩分控えめセット ビビンバ風丼 (597kcal 食塩含有量2.8g) 【スペシャルカレー】カシミールビーフカレー (725kcal 食塩含有量1.6g) 【ランチセットA(ライス・汁物・小鉢付)】野菜たっぷり牛しゃぶのパッチョがけ(414kcal 食塩含有量1.9g※メイン料理のみ) 【ランチセットB(ライス・汁物・小鉢付)】とんかつ味噌ソース(575kcal 食塩含有量2.8g※メイン料理のみ)雑穀米への変更も無料です。 【ランチセットC(ライス・汁物・小鉢付)】サバのピリ辛漬け焼き(336kcal 食塩含有量1.3g※メイン料理のみ) 利用時にストレスのないよう配慮し、押したらすぐ反応する粉茶タイプの給茶器を採用しています。 【VOICE】以前の食堂は職員専用ではなかったため、会話の話題に気を遣っていたが、職員専用となりリラックスできるようになりました。(医師) 【VOICE】デスクだと休憩時間でも完全にリラックスするのは難しいのですが、ここでは一息つけるので気分転換できますね。(看護師) 【VOICE】研修医同士は別々に食事を摂っていましたが、今は食堂で一緒に食事ができ、現場での経験を共有しあう場となっています。(研修医) 【VOICE】同期の職員と一緒にリフレッシュしながら気軽に美味しいご飯を食べられます。休憩時間を有効利用できるようになりました。(事務職員) 食堂の一角には、非常時にもインターネット回線に接続できるパソコンが設置されています。 食堂入り口横にある洗面所でしっかり手洗い! やはり衛生は大事です! 今回ご案内いただいたパブリック・リレーションセンターの本田さん。お忙しい中、ありがとうございました!
まとめ
災害時の診療スペースも想定している東大病院の職員食堂
以前の東大病院の職員食堂は、来院者との共同利用だったため、新しい病棟を建設する際に職員専用食堂を整備することとなりました。
新設の食堂の設置については、現場からの声を吸い上げるべく各部署より選抜したワーキンググループを立ち上げ、職員からの要望をダイレクトに反映した整備計画書が作成されたのです。
特に要望の強かったのは、「メニュー品数の充実」「ヘルシーメニュー」「安価なこと」の3点でしたが、現在、”主食とあわせて毎日30種類以上”、”600kcal、塩分3g以下というヘルシーメニュー”、そして”全品ワンコイン以下”、とすべての要望を満たした食堂が実現されています。
職員専用の食堂となったため、利用しているスタッフからも「ランチ時の会話で周囲に気を遣わなくて良いので気分が楽」「今まではリラックスしたくても完全にはできなかったが、つかの間とはいえスイッチをオフにできるようになった」と好評で、午後からに向け、充分な休息・リフレッシュの場となっているようです。
東大病院は災害拠点病院でもあることから、非常時には食堂の空間を臨時の治療現場として使用できるよう、非常用電源や酸素吸入口などが設置されています。
東大病院のコミュニケーションマークは、ヒューマンの「h」と、ホスピタルの「h」が向き合っていますが、これは「人と医学・医療がしっかり向き合ってこそ、最先端の医学を研究・教育することも、それに支えられた安全・安心の医療を実践することもできるようになる」という考えを表したものだとのこと。その実現に向け、福利厚生面でもしっかりスタッフをサポートしている東大病院の職員食堂でした。
東京都文京区本郷7-3-1
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