
徳島丼や阿波尾鶏親子丼など、地元志向のメニューが豊富な徳島県庁の食堂
一般利用可! 地元産野菜のバイキングや鱧丼、鹿肉のハンバーグなど食材の宝庫の県庁食堂
今回ご紹介するのは、四国東部に位置する徳島県の県庁の職員食堂です。
徳島県には8市15町1村があり、県庁所在地は徳島市。人口755,162人(平成28年1月1日現在)。徳島県の全面積4,146.65平方キロメートルのおよそ8割が山地となっており、四国第2の高山である剣山(1,955m)を中心とした四国山地が県を南北に分け、県の北辺には、讃岐山脈が走り、香川県との境をなしています。この両山地の間を縫って流れる吉野川(四国三郎)、肥沃な土壌により、昔から農業が盛んで、収穫された青果物は主に関西方面へ出荷されています。
また「阿波牛」、「阿波ポーク」、「阿波尾鶏」等は阿波畜産ブランドとして県もその維持・普及に力を入れているほか、「はも」や「あおりいか」、「鳴門鯛」、「ちりめん」などの水産物も豊富なことで知られています。
青果物や畜産物、水産物などの食材が豊富な徳島県ならではのメニューを展開しているのが、徳島県庁の11階にある職員食堂です。一般の人も利用できる食堂で、捕獲した鳥獣を有効活用し、地域の活性化を図るためのジビエ料理を提供するなど、徳島ならではの食堂が運営されています。
JR徳島駅の南東約1.5キロメートルに位置する徳島県庁。庁舎の北側には新町川が流れています。 1階にある庁舎の受付です。「VS東京」とは、「東京をはじめとした大都市に無い価値を探し出し、磨き上げ、アピールすること」とのこと。 エントランスにある阿波おどりの起源の一つとも言われる城下の組踊りを描いた絵巻「徳島盂蘭盆組踊之図」を参考にして作られたジオラマ。 1階中央にあるホールに飾られている「徳島駅前」というタペストリー。徳島県の夏の代表的祭事風景である「阿波おどり」を表現しています。 平成23年に中国で行われた「新日中友好21世紀委員会」の一コマ。飯泉徳島県知事と徐湖南省長が調印しています。 それでは11階にある食堂に向かいましょう! 庁舎は新町川沿いにあり、係留されているたくさんのボートや遠方の景色も見渡せます。 営業時間は11:00~13:45。12時をすぎると職員さんたちが一斉に押しかけます! 事前に食堂の外にある券売機で食券を購入します。 食券を持って食堂へ。こちらもすでに長蛇の列! 定食は肉や魚、野菜などからおかずを2品選べます。 ごはんは100%徳島県産。白米と十五穀米から選べておかわり自由!この日は週に一度の炊き込みご飯(たけのこ)の日! こちらは丼やうどん、そば、ラーメン、焼きめしコーナー。 「だし巻き玉子」 「春野菜と海藻15品目サラダ」 「照り焼きチキン」 「和風ロールキャベツ」 「コロッケ」 「おでん」 座席数は185席。南側からは燦々と陽が差し込みます。 アンケートを反映し、窓側は一人で食べたい人向けのカウンター席となっています。 1日の喫食数は約350食。庁舎内では出前も可能だそうです。 ランチタイムの利用者の多くは徳島県庁の職員ですが、一般の人も利用できます。 ほとんどの食材が地元産となっています。利用者によると「やはり鮮度が違いますね」とのこと。 「地元産なので安心して食べられますし、美味しいので満足しています」 有名な「阿波おどり」にちなんでつけられた「阿波尾鶏」を使った「阿波尾鶏親子丼」。 徳島県のご当地ラーメンとして知られる「徳島ラーメン」。 ジビエ料理「鹿肉の煮込みハンバーグ」 定食(520円)はご飯とお味噌汁、そしておかずを2品選べます。10枚綴りの回数券も販売されています。 「徳島ラーメン」の麺をご飯にした「徳島丼」は週に1回(金曜のみ)。 この日の「弁当(470円)」は「照り焼きチキン」「ネギだし巻き」「和風ロールキャベツ」「春野菜と海藻15品目サラダ」「海鮮中華南蛮漬け」 安全・安心なシカ肉等を「阿波地美栄(あわじびえ)」と称し、ブランド化しています。 運営する徳島県職員生活協同組合の鳥養副組合長。 どの方向から見ても「眉(まゆ)」の形に見えることから名付けられたと言われている眉山(びざん)。徳島市のシンボル的存在で、県庁からも望めます。
まとめ
潤沢な地元産の食材が提供されている徳島県庁職員食堂
徳島県の食料自給率(平成25年度確定値)は、生産額ベースで125%となっており(同年の日本の生産額ベースの自給率は65%)、野菜を中心として、様々な農作物が作られ、京阪神地域に出荷されています。名産品として、「すだち」、「生しいたけ」、「カリフラワー」などは全国シェアNo1、他にも「れんこん」や「にんじん」、「なると金時」、「鳴門らっきょ」、「ししとう」など、多岐にわたる野菜が全国シェアの上位を占めています。
このような恵まれた食材の産地であるため、県庁の職員食堂でも徳島県産の食材がこれでもか! というほど提供されています。
「時期によって県外産の食材を使うこともありますが、お米をはじめ食材は基本的に徳島県産です。それ以外にも地産地消を促進する意味でも、徳島県産野菜のバイキング、「はも」を使った鱧丼、「れんこん」のフェアなど、シーズンごとに徳島県産の食材を使ったフェアを行なっています」(食堂を運営する徳島県職員生活協同組合の鳥養副組合長)
また、「徳島県シカ肉・イノシシ肉処理衛生管理ガイドライン」に則した処理加工施設で 適切に処理された、安全・安心なシカ肉等を「阿波地美栄(あわじびえ)」とネーミングし、県産の食材や調味料等を使用した、地域色豊かな料理を提供する飲食店を「うまいよ!ジビエ料理店」として認定し、シカ肉等の普及と消費拡大に取り組んでいます。
取材日もジビエ料理として「鹿肉の煮込みハンバーグ」が提供されていましたが、用意していた数量があっという間に売り切れていました。
安全で安心な地元産の豊富な食材を活かしたメニューが提供されているだけでなく、イベントなどを通じて多くの人への周知など、県の農業をサポートする県庁と徳島県職員生活協同組合とのタッグで徳島県産の食材をアピールされています。
県庁の食堂では、その地域の旬な食材を積極的に利用されていますので、徳島県のような食材が豊富に収穫される自治体の食堂は、足を運ぶ価値があるといえそうです!
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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