今回ご紹介するのは、パナソニック サイクルテック株式会社。電動アシスト自転車のカテゴリでは国内販売シェア約46%(2019年)と、トップシェアを誇る自転車メーカーです。
創業者である故・松下幸之助氏は、五代自転車店での奉公時代に商売の基本を学び、1923年に砲弾型電池ランプを販売するなど、パナソニックグループの草創期は自転車用品によって築かれており、同グループにとって自転車業界は思い入れが深い業界です。戦争を挟み一時自転車製造を停止していましたが、1952年自転車業界への再参入を発表。相宅金属工業株式会社として創業後、1965年ナショナル自転車工業株式会社、2006年にパナソニック サイクルテック株式会社に社名を変更し現在に至っています。
同社では2020年8月に社員食堂をリニューアル。その際には従業員の意見を集約し、それまでは行なっていなかった取り組みなどを実現する場所として生まれ変わりました。それでは早速ご紹介しましょう。
まとめ
サステナブル・シーフードで社員に啓蒙する社員食堂
数年前、パナソニック サイクルテック社のオフィスでは会議室や社員同士のコミュニケーションスペースが不足するといったことや、当時の社員食堂が「ランチタイムに食事をするだけの場所」となっていることなど、社屋における諸問題に対処する必要に迫られていました。そんな中、社屋全体をリニューアルする計画が立ち上がりました。2020年に初めて「健康経営優良法人ホワイト500」に認定されるなど、「従業員ファースト」を掲げる同社としては、「社員食堂を最初にリニューアルしよう」となったそうです。
そうして着手された社員食堂のリニューアル計画は、少人数で独断的に決定するのではなく、工場や間接部門など各部署の従業員全員にアンケートを採って各部門の要望を把握した後に行なわれました。その結果、コミュニケーションやリラクゼーションとしての利用も可能となっただけでなく、会議や自転車の販売店による工場見学後の食事会、そして新製品発表のプレスリリースの場としての使用も可能な施設となったのです。
もちろん食事面でも従来以上に力をいれており、従業員の健康向上を意識したメニューを提供していることは勿論のこと、地産地消メニューを積極的に使用されています。さらに特筆すべきなのが環境やSDGs活動としての活用も行なっていることです。パナソニックグループがWWFジャパンとの20年に渡る協働の一環として、社員食堂でサステナブル・シーフードの導入を実現していることもあり、同社の社員食堂では2ヶ月に1度「サステナブル・シーフード」(※持続可能な生産、加工・流通・販売家庭における管理やトレーサビリティの確保について認証を取得しているシーフード)を使用したメニューが提供される日が設定されています。この日はMSC(天然水産物)認証やASC(養殖水産物)認証を取得している水産物が使用されるとともに、社員にも広く「サステナブル・シーフード」について周知されています。
「サステナブル・シーフード」については、コストや限られた食材においてどのように美味しく調理できるかといった問題も挙げられますが、社員食堂でSDGs(持続可能な開発目標)「14:海の豊かさを守ろう」を実践する、先進的な取り組みとして今後各社の食堂での展開も期待されることから、社食ドットコムも注目しています。
大阪府柏原市片山町13−13
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