
今回訪問したのは兵庫県南部に位置する高砂市の行政サービスを司る高砂市役所です。高砂市は東部から北部は加古川市、西部は姫路市、南部は播磨灘に面しており、面積34.38平方キロメートル、人口86,573人(2022年3月1日時点)を有する都市です。
同市の南部も含まれる臨海エリアは、第二次世界大戦後軍需工場の払い下げ地となった際に、重化学工業や食品製造業の工場が多く進出し、後に播磨臨海工業地帯として発展し現在に至っています。
高砂市役所は2021年9月に新庁舎が完成しましたが、その隣には2019年10月に竣工された分庁舎があります。この分庁舎の1階には食堂が設置されており、ランチやカフェなどで市役所職員や一般の方も広く利用できる施設となっています。そんな高砂市役所内の食堂をご紹介します。
2021年9月に完成した高砂市役所新庁舎。同年11月より業務を開始しています。 正面玄関前にあるデジタルサイネージによるインフォメーション。 玄関を入ると2階まで吹き抜けになっており、開放感がある作りとなっています。 利用者にわかりやすいよう申請書窓口ごとに色分けされていたり、番号がつけられるといったニバーサルデザインです! 能「高砂」の舞台となった「相生の松」がある高砂神社の
尉(じょう)と姥(うば)の木彫り人飾られています。
左手前には高砂市のマスコットキャラクター「ぼっくりん」も。こちらは新庁舎に先行して完成していた議会場などがある分庁舎。1階の多目的スペース。 それでは早速食堂へ行ってみましょう!
新庁舎と隣接する分庁舎の1階に食堂はあります。中に入ると洗面所が用意されており、ここで手洗いができるようになっています。 「本日の定食」はA・B・Cの3種類から選べます。メニューは他にカレーや天丼、親子丼などの丼もの、ラーメン、そばといった麺類など。 支払いは現金払い、交通系などの各種キャッシュレス対応の券売機で。 料理ができると食券に印字されている番号が呼ばれます。
お弁当の注文も可能。食堂のコアタイムは12:00〜12:30。
1日約70〜80食が利用されています。食事を受け取ったら、こちらで水/お茶をセルフで。 座席数は100席(コロナ禍では席間を取っているため、約半分を利用)。市役所の職員だけでなく、一般の人も利用可能。 ランチタイムは平日10:00〜14:30。
ラストオーダーは14:00となっています。座席には飛沫対策としてアクリル板が設置されています。 ガラス張りのため食堂内は「明るく清潔的」と、利用者にも好評。 【本日のA定食】ひれかつ 【本日のB定食】海っこ豆っこオムレツ 【本日のC定食】ビビンパ丼 コーヒーの販売時間は8:20〜18:00。Mサイズ100円、Lサイズ150円。 朝やランチ営業後はカフェ利用できます。ちょっと一息つきたい時もこちらで。 【Userʼs Voice】「カレーが好きですね。地域貢献をしている食堂だと聞ているのでもう少し利用していきたいと思います」 【Userʼs Voice】「お昼当番の時は時間がずれるので、人が少なくてゆっくりできるのがいいですね」 【Userʼs Voice】「できるだけ地元産食材を使用しているものを選ぼうという気持ちがあります。食堂は以前と雰囲気も変わりましたね」 【Userʼs Voice】「週に3、4回くらい使っています。部署は違うけど同期と利用できること、日替わりが選べることが嬉しいです」 食堂内の一角には、高砂市の案内やイベント情報のほか、雑誌も用意されています。 高砂市が行なっている「食品ロス」の取り組みが記載されたチラシも置かれています(食堂ではご飯の量が選べます)。 「東播磨ヘルシーメニュが人気です!」と語る店長さん。撮影をお願いしたところ、ポーズもしっかりとっていただきました! ご案内いただいた高砂市 総務部の亀田さん(左)と井村係長。お忙しい中、ありがとうございました!
まとめ
「食べる」だけでなく「健康やコミュニケーション、市民の市役所利用を促すなど多様な目的を持つ高砂市役所食堂
高砂市役所分庁舎にある食堂では、なるべく近隣エリアの食材を利用することで、鮮度の良い素材が利用できることや地域の農水産業への貢献にもつながることから、地域産の食材の利用を積極的に行なっています。食堂では兵庫県産の米・トマト、小松菜、水菜は一年を通じて、にんじんや大根、レタス、白菜、キャベツ、玉ねぎなどは旬の時期に使用されています。
食堂の役割について、高砂市総務部の井村課長にお話を伺うと、「日替わり定食をご利用いただくことにより、利用者のバランスの良い食事に貢献しますし、同じ場所で食事を摂れるので職員同士のコミュニケーションの場にもなります。また高砂市民の方々にご利用いただく事により、市役所への来所頻度が向上されることです」(同)といわれるように、食堂を単なる食事の場だけと捉えてはいません。
食堂の目的として、健康や働きやすさの向上、市民が来所しやすくなるように、といった目的を持った施設として活用されているほか、SDGsの取り組みとしてフードロス対策として、ご飯の量による価格帯の設定なども行なっており、市役所の食堂として地域や社会への貢献を行なうことも重要だと位置付けられています。
食堂の運営会社によると「日替わり定食により、飽きのこない食事提供を務めて参ります。SNSを活用し、メニューの紹介等を積極的に行なっています。職員さんだけではなく、地元市民の方々等、広くご利用いただけるよう努力して参ります」とのことで、
昭和39年に播磨工業整備特別地域の指定を受け、播磨臨海工業地帯の中核都市として発展した高砂市。また、イザナギ・イザナミの神話で知られる高砂神社をはじめ、生石神社・鹿嶋神社・曽根天満宮など数多くの歴史ある神社や十輪寺といった寺院なども多く、歴史と伝統を感じることのできるまちとしても栄えています。まち全体が幻想的な灯りとJAZZの音色が響くなど、灯りと音楽の祭典「たかさご万灯祭」や高砂神社で行なわれる仕舞、素謡、狂言、能などの演目が披露される「高砂観月能」、高砂海浜公園で行なわれる花火ショー「Night Fantasy Illusion」など、同市ではさまざまなイベントも開催されています。そんな高砂市を訪れる際は、高砂市役所食堂にも足を運んではいかがでしょうか。
兵庫県高砂市荒井町千鳥1丁目1番1号
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