今回訪問したのは兵庫県南部に位置する高砂市の行政サービスを司る高砂市役所です。高砂市は東部から北部は加古川市、西部は姫路市、南部は播磨灘に面しており、面積34.38平方キロメートル、人口86,573人(2022年3月1日時点)を有する都市です。
同市の南部も含まれる臨海エリアは、第二次世界大戦後軍需工場の払い下げ地となった際に、重化学工業や食品製造業の工場が多く進出し、後に播磨臨海工業地帯として発展し現在に至っています。
高砂市役所は2021年9月に新庁舎が完成しましたが、その隣には2019年10月に竣工された分庁舎があります。この分庁舎の1階には食堂が設置されており、ランチやカフェなどで市役所職員や一般の方も広く利用できる施設となっています。そんな高砂市役所内の食堂をご紹介します。
まとめ
「食べる」だけでなく「健康やコミュニケーション、市民の市役所利用を促すなど多様な目的を持つ高砂市役所食堂
高砂市役所分庁舎にある食堂では、なるべく近隣エリアの食材を利用することで、鮮度の良い素材が利用できることや地域の農水産業への貢献にもつながることから、地域産の食材の利用を積極的に行なっています。食堂では兵庫県産の米・トマト、小松菜、水菜は一年を通じて、にんじんや大根、レタス、白菜、キャベツ、玉ねぎなどは旬の時期に使用されています。
食堂の役割について、高砂市総務部の井村課長にお話を伺うと、「日替わり定食をご利用いただくことにより、利用者のバランスの良い食事に貢献しますし、同じ場所で食事を摂れるので職員同士のコミュニケーションの場にもなります。また高砂市民の方々にご利用いただく事により、市役所への来所頻度が向上されることです」(同)といわれるように、食堂を単なる食事の場だけと捉えてはいません。
食堂の目的として、健康や働きやすさの向上、市民が来所しやすくなるように、といった目的を持った施設として活用されているほか、SDGsの取り組みとしてフードロス対策として、ご飯の量による価格帯の設定なども行なっており、市役所の食堂として地域や社会への貢献を行なうことも重要だと位置付けられています。
食堂の運営会社によると「日替わり定食により、飽きのこない食事提供を務めて参ります。SNSを活用し、メニューの紹介等を積極的に行なっています。職員さんだけではなく、地元市民の方々等、広くご利用いただけるよう努力して参ります」とのことで、
昭和39年に播磨工業整備特別地域の指定を受け、播磨臨海工業地帯の中核都市として発展した高砂市。また、イザナギ・イザナミの神話で知られる高砂神社をはじめ、生石神社・鹿嶋神社・曽根天満宮など数多くの歴史ある神社や十輪寺といった寺院なども多く、歴史と伝統を感じることのできるまちとしても栄えています。まち全体が幻想的な灯りとJAZZの音色が響くなど、灯りと音楽の祭典「たかさご万灯祭」や高砂神社で行なわれる仕舞、素謡、狂言、能などの演目が披露される「高砂観月能」、高砂海浜公園で行なわれる花火ショー「Night Fantasy Illusion」など、同市ではさまざまなイベントも開催されています。そんな高砂市を訪れる際は、高砂市役所食堂にも足を運んではいかがでしょうか。
兵庫県高砂市荒井町千鳥1丁目1番1号
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