
東京都港区赤坂に本社を構える国際自動車株式会社は、タクシー・ハイヤー・バスをはじめ、リース、自動車保険、自動車整備、自動車運行管理サービス、駐車場事業に至るまで、自動車運行に関わるあらゆるサービス部門を有する旅客運送事業の総合企業です。同社ではタクシー事業3,667台、ハイヤー事業521台、バス事業170台、営業車両4,358台を有しており、kmタクシーとしての年間無線配車台数236万件、契約社数約1万件にのぼり、年商506億円(連結・2018年3月期)と日々利用者にサービスを提供しています。
大正9年(1920年)3月22日に設立され、東京オリンピックの行われる2020年には100周年を迎える同社では「顧客満足は従業員満足から」との考えから、社員の満足度向上に力を入れています。そんな同社の社員食堂があるのが東雲センター。こちらは、タクシー、ハイヤー、バスの営業所が入っている複合施設なのでドライバーが多数在籍しており、社員の研修会場としても利用されています。
それでは国際自動車の東雲食堂を覗いてみましょう!
りんかい線東雲駅より徒歩7分。こちらが国際自動車東雲センターです。 ご案内いただくのは総務課の稲村さんと経営企画課の伊藤さん(左より) 早速屋上にある駐車場へ向かいます。こちらではハイヤーが何台もスタンバイ。ハイヤーはグループ全体で521台保有しています。 このタクシーの名は「ジャパンタクシー」。スライドドアとなっており、車いすの方も乗ったまま利用できます。大きな荷物もラクラク。 こちらは執務エリアです。ドライバーの方は出庫前には必ずアルコールチェック。反応がでたらもちろん乗車NGです。 出庫前にお釣り用の小銭に両替を。こちらの両替機はさまざまな金種に対応しています。 それでは6階の社員食堂へ向かいましょう。入り口には当日のメニューがディスプレイされています。 座席数は78席。採光もよく清潔感のある社員食堂ですね。 食堂の店長さん。「お酒を連想させないような料理」や、「食べたあと眠くならないように量を抑えるよう配慮しています」とのことです。 煮物やサラダ、デザートなどの小鉢(70円)。定食利用時は小鉢1つが無料となります。 定食利用者は一杯10円、定食以外およびコーヒーのみの場合は一杯30円の“kmコーヒー”。 営業時間は昼が11:00〜14:00、夜は16:30〜20:00となっています。総在籍人数は約800人。 この日は入社2年目の社員研修の日でもあったため、若い社員たちで席が埋まってきました。 ドライバーは車内で冷房を効かせているので、体が冷えている人が多いとか。そのため夏でも温かい料理が人気だそうです。 どの世代にも人気なのはヘルシーメニュー。特に40代以上の男性に人気。大盛り無料のため、若い社員はがっつり派も多いとか。 研修後はさまざまな営業所に散らばるため、東雲センターの社員食堂が全社員のコミュニケーションの場として機能しています。 窓際のカウンター席も人気。周辺は東京オリンピックに向けて開発中のエリアなため、日々変わりゆく街並みを眺めることができます。 社員食堂にある時計は、グループ企業であるケイエム観光バスの路線バスの絵が描かれた掛け時計。 「社食のある場所は乗車の多い中央区や港区に近く駐車違反の心配もない上、リラックスする場所でもあります」 「研修で一緒になると、同期で食べることができます。みんなの集まれる場所で、誰かに会ったら近況報告などを行なっています」 「研修時は座学が多く、座りっぱなしになるから気分転換に社員食堂にきます」 「野菜が好きなので、ヘルシーランチをよく食べます。ここにくるといろんな営業所の人と話せるんですよ」 「社員食堂では、同僚と『今日はこんなことがあった』などを話せるのが嬉しいですね」 「外に出ているとコンビニなどで昼食を済ませるので、栄養バランスの良い社員食堂で食べられるのはありがたいです」 【ヘルシーランチ】スパイシーチキンのサラダ仕立て 【ランチB】サーモンフライタルタル添え 【松定食】ロース定食 【竹定食】生姜焼き 【梅定食】牛肉コロッケ 新卒内定者やキャリア応募者、研修生のご家族を招待して施設案内する際に、ランチタイムで提供している「kmオムライス」 社員食堂の横にあるラウンジ。共有スペースとなっており、ちょっとした休憩や談笑などに利用されています。 テラスには喫煙スペースを設置。東京スカイツリーを望みながらリラックスもできると社員にも好評。 アプリ“フルクル”はその名の通り「スマホを振るだけでタクシーが来る」という迎車料金不要のアプリ(東京23区、三鷹市、武蔵野市のみ)。
まとめ
ドライバーの“働きやすさ”を向上させる社員食堂
ドライバーは勤務時間などが不規則なため、出庫後の食事はコンビニなどで済ませる場合が多くなってしまい、栄養が偏ってしまいがちです。
そのため国際自動車の社員食堂でのメニューづくりに関しては、栄養士が栄養バランスを考慮し、メニュー表にはカロリー表示を行うと共に、定期的にカレーフェアや、ラーメンフェアなど、人気のあるイベントを開催するなど、健康的かつ魅力的なメニューづくりを実践されています。
また、食事タイムはドライバーにとって体調維持管理のための貴重な休憩時間であり、リフレッシュして新たな気持ちでそのあとの勤務に就くための重要な時間となっています。社員食堂は、ドライバー同士の情報交換を行える場所であり、営業所の違う社員同士がコミュニケーションをはかれるスペースとなっているのです。
同社に「社員食堂の位置づけ」をうかがうと、
「『社員に安価で美味しいものを提供する福利厚生施設』であり『社員のコミュニケーションを促進する場』であり、『社員の健康管理』を目的としています。中でも食事と健康は密接な関係にあり、会社としてもドライバーの健康状態を十分に把握した上で、その健康管理を適切に行う必要がありますので、弊社では健康に対する取り組みについて、特にチカラを入れています」(同社総務課)。
同社は、経済産業省と日本健康会議が共同で顕彰する「健康経営優良法人2018(ホワイト500)」での認証、日本政策投資銀行が行う「DBJ健康経営格付」にて、旅客運送業界初の最高ランクの格付を取得するなど、社員の健康増進に対する取り組みを外部からも高く評価されていますが、その基盤となっているのが「輸送の安全確保と従業員の健康の保持増進のため策定した“km健康づくりマスタープラン”」です。これは「健康起因事故ゼロ」「疾病等による長期欠勤の低減」に向けた取り組みを行うもので、東雲食堂ではその指針の実施および健康増進の一翼を担っている施設となっています。
新卒者への積極的なリクルーティング、やりたいことが見つかることを応援する「仮面就職」、リクルートスーツや履歴書不要の「すっぽんぽん採用」といった独特な採用方法や女性タクシードライバーが働きやすい環境を整備している企業として「女性ドライバー応援企業」に第一号認定されるなど、働きやすい職場づくりにますます力をいれている国際自動車さんの社員食堂でした。
国際自動車株式会社
東京都江東区東雲2-6-1
東雲センター
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