
1910年久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として創業された株式会社日立製作所。国内最大の電気機器メーカーであると同時に、851社にものぼる日立グループの中核を担う企業です。「情報・通信システム」、「社会・産業システム」、「電子装置・システム」、「建設機械」、「高機能材料」、「オートモティブシステム」、「生活・エコシステム」、「その他」の計8つの部門で構成されており、年商約1兆9,302億円(連結売上約9兆3,686億円)、従業員数34,925名(連結従業員数307,275名)という、日本を代表する企業であり、日経平均株価およびTOPIX Core30の構成銘柄の一つとなっています。
今回ご紹介するのは池袋にあるライズアリーナビルを拠点とする”産業・流通”および”水”ビジネスユニットの社員食堂。同社が働き方改革に取り組み始めた2017年からリニューアルに着手し、2018年3月に新しく生まれ変わりました。
それでは”気になる社員食堂”を紹介しましょう!
※数字はいずれも2018年3月期
地下鉄「東池袋」駅より徒歩1分。ライズアリーナビル内に日立製作所(「産業・流通」および「水」ビジネスユニット)はあります。 今回ご案内いただくのは左から総務部の川瀬さん、(株)日立アーバンインベストメントの村上さん。よろしくお願いします! こちらは池袋駅から南東約700メートルの場所にあり、近くには豊島区役所やサンシャイン60という池袋のシンボリックな建物も。 スローガン「Inspire the Next」は”活気あふれる世界をめざして次世代へ息吹きを与え続ける”という意味を持っています。 オフィスは固定席とフリーアドレスの併設。椅子には災害時用にヘルメットなどが備え付けられています。 建物内にあるサテライトオフィス“Biz Terrace IKEBUKURO”。こちらは他拠点の方やグループ企業の社員が利用できるスペースとなっています。 それでは社員食堂「Gathering Café」のある7階へ。エレベーターを降りると、その日のメニューが陳列されています。 こちらがエントランスになります。床面にはメニューごとに動線がわかるように描かれています。初めてでも安心です。 営業時間は11:30-13:30。カフェエリアは7:30-20:00(水曜18:00まで)となっています。 厨房スタッフの口元は透けるマウスガード。口元が隠れるとコミュニケーションが取りづらくなるとのことで採用されています。 小鉢は5〜6種類用意されており、サラダは大中小3種類のサイズがあります。 スイーツは2種類。女性社員の要望で導入されたそうです。この日は“杏仁フルーツ”、“ヨーグルトのブランマンジェ”。 食堂の広さは約300坪、席数約286席。在館数は1300から1400人。ランチの喫食数は約650食。 ランチ営業は11:30から。混雑対策として45分の休憩時間は部署ごとに10分刻みでずらしており4シフトとなっています。 社食ドットコム史上最高ののけぞり! 話題がツボに入ると炸裂するという幻の“ヒタバウアー”です? メニューはイントラネットやスマホのアプリで確認できるので、事前に知ることができます。ヘルシーメニューを含む4種類の定食と中華麺、和麺の6種類。 今回の社食リニューアルの目玉、自慢のカフェエリア。シックな雰囲気で会社の中とは思えません! カフェコーナーの人気アイテム3兄弟。左から“アイスブリュードコーヒー”、“ストロベリースムージー”、“抹茶クリームフラペチーノ”。 以前は朝に焼いたパンを一日中提供していましたが、リニューアル後は焼きたてを数回提供すると、パンの販売数は8倍強に! 黒カレーパンや日本一売れている”海老名メロンパン”など毎日10〜15種類。人気はりんご半分を使ったアップルパイ。 「ここに集って欲しい」ということでGathering Caféという名前に。リラックスして集まりやすい雰囲気が醸し出されています。 【MAIN A】春巻と肉団子の甘酢あん 270円(ご飯や小鉢は別売り) 【MAIN B】鹿児島県産いずみ鶏のチキンカツ 450円(ご飯や小鉢は別売り) 【MAIN C】オムライスプレート 480円(ご飯や小鉢は別売り) 【VOICE】「同僚や上司と週三、四回は利用します。メニューは外食同様おいしいし、雰囲気の良いカフェカウンターも嬉しいですね」 【VOICE】「毎日来ています。好きなメニューはサラダなので、サイズ違いの小鉢のサラダが利用できるのが嬉しいです」 【VOICE】「他社との打ち合わせの場所としても使っているのですが、コーヒーもすぐ飲めるし、会話が弾みやすくなったように感じます」 社員食堂のリニューアルに際し、お皿やドレッシングボトルも厳選。社員が気持ちよく利用できるよう考慮されたそうです。 こちらは食堂利用時に利用するプリペイドカード。「デザインは食堂の壁面と同じなんですよ!」小さくて見えませんがな・・・。 「以前はお客様をお連れしたり、打ち合わせをしたり、という雰囲気の無い「ザ・社員食堂」でした」と語る青木総務部長。 【社食の活用事例】ボックス席だとお互いの距離が近くなり、会議室で行なうより効率的だとか。 【社食の活用事例】机は移動できるよう車輪付きとなっています。夜には講演会や研修会にも利用されることがあり、講演会場に早変わり。 【社食の活用事例】飲料メーカーによるウイスキーセミナーも開催されているなど、営業時間外には講演会・勉強会が行なわれています。
まとめ
働き方改革をキッカケにリニューアルされた社員食堂「Gathering Café」
社員食堂をなぜリニューアルすることになったのかをうかがうと、日立製作所でも2016年度から「働き方改革」がスタートし、2017年度から本格的に取り組みだしたことがキッカケとのこと。
当時、社員の働き方も変わり始めて、タイム&ロケーションフリーワークの取り組みが加速する一方で、社内では会議室や打ち合わせスペースが不足していたといいます。「個人で気分を変えて集中して業務ができるようなスペースが無い」、「ちょっとした会議をできる場所が欲しい」、「大人数を集めて大規模に打ち合わせをしたい」などの声があり、「なんとかしなければ」という状況でした。
さらに、日立では1年に一度全従業員の仕事や会社生活に関する意見を聞く機会があり、その結果「社員同士のコミュニケーションが不足している」ということが問題点として挙がっていました。
一方、同オフィスの従来の社員食堂は集まって会議をしたり、お客様をお連れしたり、社員同士でコミュニケーションを取れるような雰囲気ではありませんでした。
それらの問題を解決するために、社員食堂の活用は避けて通れない喫緊の課題となったのです。
その後「自然に人が集まってくるカフェのような社員食堂」をテーマに掲げ、プロジェクトを始動しました。社員食堂も「Gathering Café(ギャザリング カフェ)」という名称とし「部署を越えて人が集い、カフェでリフレッシュして創造性を高める」という、コミュニケーションの活性化を目的とした、新しい社員食堂の使い方を打ち出しました。
より多くの社員を引き付ける、利用しやすい社員食堂を目指し、ひと目でメニューがわかるよう色分けした動線、ヘルシーメニューのデイリー化、パンは焼きたてにこだわる、日替わりのこだわりデザートの導入など、「美味しく楽しく食べるのが当たり前」として利用者ファーストを徹底するリニューアルした社員食堂を2018年3月にオープンしました。現在は他の事業所から『池袋の社員食堂はすごい』という評判が立つほどになったそうです。
また、食事タイム以外の時間は、当初予定していた会議やワーキングスペースとしてはもちろん、イベントや講演会にも活用しています。最近行なった「食堂利用のアンケート」によれば、「味、雰囲気だけでなく、コミュニケーションもよくなっており、ワクワクしている、モチベーションがあがっている」といったポジティブな変化がおきており、概ね狙い通りの成果があがっているといえます」(青木総務部長)
とのことです。
このようなカフェスタイルの社員食堂は日立グループでは初めての試みだそうで、この社員食堂を利用することが楽しみとなっているグループ企業の社員も多いとか。今後グループ内ではこの「Gathering Café(ギャザリング カフェ)」スタイルがスタンダードになるかもしれません。
次世代に影響を与える社員食堂ということとなると、日立グループのスローガン”Inspire the Next”を実現する社員食堂といえそうです。今後グループの他の社員食堂も注目していきたいですね。
株式会社日立製作所
東京都豊島区東池袋四丁目5番2号 ライズアリ-ナビル
(「産業・流通」「水」ビジネスユニット)
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。
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