今回訪問したのは株式会社HCI。2002年和泉市にて有限会社克己クリエイトとして創業、ケーブル・ワイヤー・チューブ・シート製造装置の製作、販売を開始しました。2006年株式会社HCIに社名組織変更。2008年には泉大津市に本社を移転。現在はインダストリアルマシナリー&ロボットシステム事業、サービスロボット&ソーシャシステム事業、フード&アメニティ事業の3つの事業部でビジネスを展開しています。
同社では2009年よりロボットシステムの構築・製作を、2017年よりAIシステムの研究・開発を行なっています。このロボットとAIの技術を活かし、社員食堂を新設。社員への福利厚生だけでなく、システムのデモンストレーションの場としての展示場でもあり、地域住民へのロボットとのふれあいの場として運営されています。
それではロボットが作業する社員食堂「HCI ROBO HOUSE」をご紹介しましょう!
まとめ
未来はこうなる? ロボット社員食堂「HCI ROBO HOUSE」
社員食堂を設置した理由を奥山浩司社長に伺うと「社員に美味しいもの、心と体が喜ぶものを食べてもらいたい」との思いから始まり、次に「どうせなら自社のロボット技術とAI技術を活用したロボット社員食堂システムにしよう」となったそうです。さらにロボットシステム導入検討者への展示場としての役割や、一般の方々にも開放し地域貢献の場としての役割も担う「HCI ROBO HOUSE」が2022年1月に誕生しました。
ロボット社員食堂「HCI ROBO HOUSE」では、産業用ロボットにプログラミングを施しています。事前に用意された冷凍食材を電子レンジで温めるロボット、麺を湯煎するロボット、サラダやデザートを用意するロボット、調理された料理を運ぶロボットで構成されており、利用にはインターネット予約・注文・決済システムが導入されています。
お店に入店する際に、エントランスに設置されているカメラに向かって予約QRコードをかざし、店員による入店チェックを行ない、案内ロボットが座席までナビゲート。調理ロボットが調理をスタート、完成後に配膳ロボットにより座席まで届けられます。
また“ハード”だけでなく“ソフト”にもこだわっており、小麦粉・添加物・砂糖不使用の国産玄米麺や、小麦粉、白砂糖、添加物不使用のグルテンフリーカレーなど、徹底的な健康志向メニューを提供されています。
「無農薬野菜を使っているため、野菜嫌いな社員も好んで食べてくれますので、社員の健康管理ができます」(岡本F&A事業部長)とのこと。
「HCI ROBO HOUSE」では、子ども向けにロボット見学会などを行ない、地域社会にも貢献。事前予約制のためフードロスも削減できます。
働き手不足時代を迎えるこれからの社員食堂において、ロボット化は省人化だけでなく、感染症対策やSDGsにも可能性を感じさせる要素に満ちています。これからの時代、社員食堂にどのような形でロボットやAIが活用されていくのか? 今後も注目必至な「HCI ROBO HOUSE」でした。
大阪府泉大津市東豊中町3-14-10
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