化粧石けんが「顔洗い」と呼ばれていたことから「カオ(顔)石鹸」と名づけ、「花王」という文字をあてたことが社名の由来となったという花王株式会社。本社を東京都中央区に置く、日本を代表する日用品メーカーで、豊かな生活文化の実現と社会の持続可能性への貢献を目指して取り組んでいます。一貫生産から物流・販売システムに強みを持ち、国内に多数の工場や営業拠点を有しています。また、平均株価、TOPIX Core30、JPX日経指数400の構成銘柄の一つとなっています。
国内外の花王の全工場中、最大規模の工場で、総生産量の4割強を占めるのが今回訪問した和歌山工場。主な取り扱い製品は家庭用洗剤、石鹸などで、業務用商品も扱っており、敷地内には研究所も設けられています。
同工場内には社員食堂が設置されており、健康やSDGsの取り組みに注力されています。それでは花王和歌山工場の社員食堂をご紹介します。
まとめ
健康的な食事と、残食を利用したリサイクルが特徴的な花王和歌山工場の社員食堂
花王和歌山工場の社員食堂運営において意識されていることとして、まず挙げられるのが「健康」への取り組みです。花王では「しっかり食べて、太りにくい」「しっかり食べるから、続けられる」という「スマート和食」という食事法を推奨しており、社員食堂でもこの食事法に基づくメニューが毎日提供されています。
また「もったいないを、ほっとけない」というスローガンを掲げる同社では、フードロスの活用についても注力されています。調理ゴミや残食を敷地内に設置された生ごみ処理設備で分解し堆肥原料化しています。1週間で約250kgの食品廃棄物から約40kgほど作られる堆肥原料を、和歌山市内にある社会福祉法人に納品。そこで作られた農産物を社員食堂の食材として活用するという取組を行なっています。
農作業を行なうことで特にメンタル面への良い効果があるということが分かっていることから、この社会福祉法人の農場で和歌山工場の従業員が農作業を教わりながら、堆肥原料が使用されたトウモロコシの苗植えや収穫、田植えや稲刈りなどの作業を手伝うことも。ここで収穫されたトウモロコシをみんなで試食しただけでなく、和歌山工場の社員食堂でも「トウモロコシのかき揚げ丼」として提供されるなど、「循環型食品リサイクル」を実践しています。
また、残食対策として、休暇促進日や大型連休前後には、食堂利用アンケートを実施して食数を事前把握し残食を減らす対策を行なっているほか、食堂内の喫茶でのプラスチック製品廃止(紙コップ・蓋・ミルク・ストロー等)、地元食材を使用するといったSDGsの取り組みを積極的に行なっています。
HACCPに基づく衛生管理はもちろん、1日に一回の昼休憩の時に食事を楽しめるような空間作りにも取り組んでいる社員食堂の外には桜が植えられており、春には満開となるといいます。桜を眺めながら、午前中の疲れを癒すと共に午後からの仕事の活力となる貴重な時間を過ごせる花王和歌山工場の社員食堂でした。
花王株式会社
和歌山県和歌山市湊1334
和歌山工場
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