
今回ご紹介するのは、三井不動産のオフィスビル「中之島三井ビルディング」です。2002年に竣工され、地上31階、高さ140.15mという高層ビルで、大阪の梅田駅より南に約1.5km、堂島川と土佐堀川に挟まれた東西約3kmの中之島エリアにあります。中之島は大阪の中心的なビジネス街としてだけでなく、官公庁や大学・病院などさまざまなジャンルの施設が集まっている利便性の高いエリアです。
この中之島三井ビルディングは、2019年9月に大規模なリニューアルを行ない、入居企業のワーカー向けの施設の充実が図られました。目玉のひとつとして挙げられるのが、テナント企業が共有するダイニング「CUIMOTTE(クイモッテ)」。フランス語で料理を意味する「Cuisson」と、大阪弁で「〜しながら」という意味を持つ「しもって」を掛け合わせた造語で、同ビルのワーカーからの投票により決定された名称となっています。
一企業だけが利用する社員食堂とは違い、様々な企業が同じ食堂を利用する職域食堂と呼ばれる食堂です。現代の新しい働き方に対応するオフィスビルとしての取り組みが満載となっている「中之島三井ビルディング」のダイニング「CUIMOTTE」をご案内しましょう。
31階建てのオフィスビル「中之島三井ビルディング」には、約60社のテナント企業が入居。3,000人にものぼるワーカーが働いています。 2002年に建て替えられた同ビルのエントランスフロア。幸運とエネルギーをもたらすことを祈念されて設置された巨大な赤いルビーがお出迎え。 高層ビルの1.3倍相当という最高レベルの耐震設計。停電時は最大64時間のバックアップが可能な電力供給機能を備えています。 エスカレータで2階へ昇るとフリースペースが。オフィスから離れており植物に囲まれたリフレッシュ空間でリラックスタイム。 食堂のある4階の壁には、2021年に中之島に誕生する大阪中之島美術館とのコラボで、同館が所蔵するコレクション10点を紹介している「中之島アートウォール」も。 中之島三井ビルディングのリニューアルプロジェクトを担った三井不動産の佐々木さん。早速社員食堂をご案内いただきましょう! テナント企業用の社員食堂「CUIMOTTE(クイモッテ)」のエントランス。船の舵を操作する舵輪がロゴマークとなっています。 リニューアル前はランチタイムのみだった営業時間は現在8:00〜21:00と大幅に延びました。1日約700食が提供されています。 メニューは「ステーキ」「丼ぶり」「寿司」「日替りランチ」「松花堂弁当」「カレー」「サラダ」「うどん」「そば」「パスタ」「オムライス」「中華点心ランチ」「ハンバーガー」「ラーメン」の14種類。 サラダやだし巻き玉子といった小鉢類だけでなく、ピザやたい焼きやといったデザートもあり、幅広いメニューが提供されています。 レストランフロア全体が海に見立てられており、スタッフもクルー(航海士)を意識した服装で統一されています。 メニューの目玉のひとつである、鉄板グリルでその場で料理する「LIVEキッチン」。熱々でいただけます! 客席へ行ってみましょう! こちらがメインホールエリア(全212席)。多様な使用ができるようレイアウトしやすいテーブルも用意されています。 「健康」「活力」「リフレッシュ」をリニューアルのキーワードとし、食だけでなくワークスペースやミーティング、イベントなどテナント企業同士をつなげる場として活用されます。 Wi-Fi、コンセントなども備えており、仕事もしやすい環境が整えられています。これもワーカーからの希望を実現したもの。 リニューアルに際し「女性に人気の健康志向のメニューを増やし、多くの食材を食べてもらいたい」とエナジー/パワー/ビューティー/ダイエット/ヘルシーと目的別に分けられたサラダを提供しています。 こちらは全110席のカフェ&バーエリア。ランチはもちろん、軽食やドリンクを飲みながら短い時間の打ち合わせもできるスペースに。 窓側席は船上のプールをイメージした「デッキプール」エリア。こちらにはスマホをかざすだけでビル内のイベント情報などが共有できる「とるとるくん」も。 カフェ&バーエリアでは10時までモーニングメニューが提供されており、「モーニングタイムにドリンクをオーダーするとトースト(ハーフ)がついてきます!」(スタッフ)。おトクです! サンドウィッチやシュークーリム、ソフトドリンクも。コーヒーは環境に配慮しストローを使用せずに飲める容器に変更しています。 【メニュー】松花堂弁当 【メニュー】寿司 【メニュー】厚切りポークステーキ 【メニュー】中之島海軍ブラックカレー 【VOICE】「仕事が営業なのでランチタイムに来れないこともありました。リニューアル後は営業時間も延びたので、いつでも来れるのがありがたいですね」(大樹生命保険株式会社社員) 【VOICE】「夜21時までランチメニューが食べられるのが社員にも好評です。リニューアルに際してもテナントの意見を聞いてもらえたところが良かった」(東レ株式会社社員) VOICE】「パスタが美味しいのが嬉しいですね。単に食事をする場所というのではなく、他の企業とのコミュニケーションも活発になるとのことなので、期待しています」(株式会社I&S BBDO社員) 【VOICE】「以前はメニューも新鮮味が感じられませんでした。今はサラダの彩りが綺麗だし量も選べるのが嬉しい。朝はモーニング、夜はアルコールも飲めるんですよ」(大樹生命保険株式会社社員) 社員食堂にはコンシェルジュが常駐。会議室や夜の宴会の予約受付、食堂の利用方法の案内など、テナントのワーカーが便利になるように配慮しています。 こちらは最新のオススメ本を自由に読むことができるライブラリーコーナー。大手書店とのコラボで約2,000冊のオススメ本が常備されています。 リニューアルした施設の広告全般を担当した株式会社I&S BBDOの福田さん。「館内の人を巻き込むためにいかに告知をするか、意見を吸い上げるかといったことを担当しました」 クイモッテで開催されたイベント(サマーフェスタ)の様子。食を通じたイベントが頻繁に開催され、新しい出会いやヒラメキを促します。 こちらのアート作品は、建て替え前から飾られていたもの。同社のコンセプト「残しながら、蘇らせながら、創っていく」を通じて価値創造に取り組んでいます。 カーペットに映し出されているのは「CUIMOTTE」のロゴマーク。「E」の文字にかわいい仕掛けがあります。食堂は一般利用も可能なので、訪れる機会がある人はお楽しみに!
まとめ
「つながりをうむオフィス」として注目の中之島三井ビルディングの目玉「CUIMOTTE」
三井不動産のオフィスビルである「中之島三井ビルディング」では、2019年9月に大規模リニューアルを実施。事前にテナント企業から有志を集いワークショップを開催するなど、各企業やワーカーの要望を積極的に取り入れています。
テナント企業から特に要望の多かったのが、社員食堂の営業時間の延長です。以前はランチタイムのみの営業であったため、テナント企業の昼休憩が集中。その結果座席の確保が難しくなったり、ランチタイム後半にはメニュー数が少なくなるという問題を抱えており、ワーカーの不満が募っていました。
そこで、リニューアル後の新しいダイニングでは営業時間を8:00〜21:00まで拡大。ランチメニューは「日替わり定食」「丼ぶり」「カレー」など14種類を21時まで提供しています。中でも用途別に選べる「5種類のサラダ」を始め、ヘルシーメニューを充実させ、ワーカーの健康をサポート。さらに軽食やドリンク、夜はアルコールまでも取り入れ、利用者の要望を実現しています。
営業時間の拡大により分散利用を推進するとともに、アイドルタイムは仕事や打ち合わせや、ちょっとしたブレイクタイムとして使えるように対応するなど、各自の利用スタイルに沿ったスペースづくりに注力されています。
中でも目を引くのは大型書店とのコラボで実現したライブラリーコーナー。多様なジャンルに渡る最新の書籍を自由に読むことができます。
他にも利用人数に応じてサイズが調整できるテーブルが用意されるなど、現代の働き方に即した利用しやすい場として生まれ変わっています。
さらにその水先案内人として、社員食堂には珍しい「コンシェルジュ」を配置。ダイニングの利用案内はもちろん、ダイニング内にある貸し会議室の予約管理や、イベントのセッティングおよび受付業務、イベント企画やワーカー同士のマッチングなど、利用者の利便性向上を強力にサポートしています。
中之島三井ビルディングのリニューアルコンセプトは
「テナント企業同士、ワーカー同士を“つなげる”ことです。それを実現するのが中之島三井ビルディングであり、テナント企業への新しい価値提供だと考えています」(三井不動産関西支社事業二部 佐々木氏)。
三井不動産では同ビルで働く者同士を、同じ船に乗り航海に旅立つ同志と見立てており、その“つなげる”施策としてテナント企業の「CUIMOTTE」は今日もフル稼働しています!
大阪市北区中之島3丁目3番3号
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。