
和歌山競輪場は1949年12月に開設され、幾度かのリニューアルを経て新規ファンにも応える施設に進化しています。1993年のメインスタンド改修では、スタンド観覧席や投票所のほか、快適な環境で楽しめるよう空調完備の特別観覧席が設けられ、2016年には紀州材を使用した新しい投票所が登場し、800人収容の広々とした空間と迫力あるレース映像を楽しむことができます。
また、和歌山競輪場では400mバンクを採用しており、1999年にはマッコーネル曲線に改修され、すべての選手が能力を発揮しやすい環境が整っています。和歌山競輪場の地理的な特徴として、紀の川の近くに位置していることから海風の影響を受けることも和歌山競輪場ならでは。このような特徴が、和歌山競輪場を訪れる人々にとって魅力的な場所にしています。
今回はこの和歌山競輪場でレースが開催される際に、選手が利用する和歌山競輪選手宿舎食堂にお邪魔しました。普段選手が利用している食堂の様子をご紹介します。
1949年(昭和24年)に、全国で21番、近畿で6番目の競輪場として誕生した和歌山競輪場(南口)。入場料は50円(場外発売時は無料)です。 和歌山県がみかんの産地ということもあり、「オレンジバンク」と呼ばれる周長400メートルのバンク。 こちらは新投票所。地元の紀州材を使用して作られた木造建築。広さは約1000平方メートル! こちらは車券売り場。レース開催場所やレース番号、賭式、金額、レース予想をマークカードに記入し購入します。 モニターでレースの様子を見ることも可能です。 競輪場内には、お子様連れでも安心して観戦できる、レディース・ファミリールームも設置されています。 こちらはマスコットキャラクターの「わかちゃん」。みかんの産地、和歌山ならではのネーミングとデザインですね。 それでは、選手食堂に行ってみましょう!食堂では、新型コロナウイルスの感染拡大以降、感染対策として黙食が求められています。 こちらが和歌山競輪場選手宿舎食堂。選手の宿舎となるため、レース開催中の食事は朝・昼・晩の三食が提供されています。 座席数は84席。選手は一度宿舎に入るとそのレース開催中は一切表に出ることができません。 女子選手用の座席もあります。 訪問時は夕食の準備中。時間に追われる中、次々と料理が出来上がっていきます。 夕食はバイキング方式で提供されています。 自らの肉体が資本となる競輪選手の平均的な消費カロリーは、1日4,000kcal~5,000kcalと一般成人男性の約2倍! その分補給も大切です。 競輪場は全国各地に43箇所。全国を転戦する競輪選手ですが、強靭な肉体を作るためにはトレーニングはもちろん、食事が重要なため、自身で食事を管理する必要があります。 和歌山競輪場選手宿舎食堂では、全国各地から参集する選手に、鮮度の良い地元和歌山を含む関西の食材を積極的に提供しています。 こちらのサニーレタスやきゅうりも和歌山県産です。 いろんなデザートも提供されています。この日は八朔とキウイも和歌山県産でした。 食堂内でも手が洗えるようになっています。 食堂内にはモニターが設置されており、選手は開催中のレースを見ることができます。 食堂内の売店では、ポテトチップスやチョコレート、クッキーやせんべいも販売されています。 和歌山は全国的にも知られる「ラーメン県」でもあります。ご当地和歌山ラーメンも販売されています。 ドリンク類も豊富。ミネラルウォーターやお茶、コーヒー、各種ドリンクなども用意されています。 【厨房スタッフの声】「栄養バランスを保つことはもちろんですが、季節感のある献立を提供することも重要だと考えております」 食堂の近くにはサウナ室もある浴場があります。体を温め血行を促進し、疲労回復やリラクゼーションが期待できますね。 雑誌や漫画なども置かれているリラックススペース。
まとめ
選手のパフォーマンスを支える和歌山競輪選手宿舎食堂
和歌山競輪場の選手宿舎食堂では、選手の栄養バランスと季節感ある献立の提供に力を入れています。競輪選手は開催期間中の外出制限があるため、食事を楽しみにしている選手が多いこともあり、地元和歌山や関西地方の食材と郷土料理を積極的に取り入れ、選手たちに地域の味を提供しています。
2023年夏から夕食にもバイキング方式を取り入れていますが、このことにより食べ残しの廃棄を減らし、環境への配慮と選手の満足度の向上を目指しています。また、再利用可能な食材を活用して、献立や調理法を工夫しているなど、SDGsを意識した食堂運営を行なっています。
食堂では今でも感染対策のため黙食が求められるなど、選手の健康と安全が最優先されています。競輪選手たちは全国を転戦し、年間を通してトレーニングやレースに臨むため、栄養バランスが取れた食事は強靭な体を維持する上で欠かせません。食通が多い競輪界では、食事がパフォーマンスに直結する重要な要素の一つであると認識されており、和歌山競輪場の食堂ではそのニーズに応えるため、食材の選定から提供方法に至るまで、選手の健康と満足を第一に考えた食事を提供しています。
これらの取組を通じて、選手が最高のパフォーマンスを発揮するためのサポートを行い、またフードロス対策などSDGsにも配慮された食堂となっています。
和歌山県和歌山市五筋目10-1
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