
1956年の会社設立以来、京都の地で粉体成形用超硬精密金型とロータリープレスを製作している菅原精機株式会社。ミクロン精度の金型をつくるには最新鋭の工作機械と熟練した職人の手作業のハイブリッドが必要とされています。そこで同社では特定の職人に依存するのではなく、加工技術や部門ごとに細分化。組織的に金型をつくる体制づくりを実現し、高精度な金型づくりを実現しています。
同社では個人創業70周年を記念し、社員食堂を新設することに。それまでは配食弁当等を食べるだけのスペースとして利用されていた場所を、その場で調理され温かくて美味しい食事が提供される社員食堂として生まれ変わらせました。社員食堂ができたことでどのような変化があったのか、早速訪問してみましょう!
京都市山科区にある菅原精機本社。京都市営地下鉄椥辻(なぎつじ)駅下車徒歩3分。 菅原精機は粉体成形用超硬精密金型とロータリープレスを製作している会社です。 最新の三次元測定機をはじめとする各種測定機器設備や、経験豊富なスタッフによる品質管理体制。 同社の金型からは、最先端の通信技術に必要な電子部品が作られています。 それでは3階の食堂へ。食堂の名称は菅原社員スマイル食堂、略して「スガスマ」。2020年6月22日にリニューアルオープンしました。 座席数は116席。
1日約80食が利用されています。座席にはアクリル板の設置やアルコール消毒液の使用など、新型コロナウイルス対策も万全。 メニューはA定食、B定食、Cセットの3種類が日替わりで提供されています。 密にならないよう、距離を取って並ぶように、と床にはソーシャルディスタンスのシールが貼られています。 「なるべくフードロスが出ないように」とメニュー数はあらかじめ調整されています。 ランチタイムとなり、続々と社員の方が食堂に集まり始めました。 営業時間は11:40〜12:45。社員の利用時間は11:40〜12:25と12:00〜12:45の2交代制です。 木目調のデザインで温かみがあり、落ち着いた雰囲気の空間です。 地域産の食材を活用するなど、地産地消にも力を入れていくとのこと。 日当たりがよいので、食堂全体が明るく清潔感に溢れています。 隣席とアクリル板で仕切られている窓側のカウンター席。 男性社員が多いこともあり、人気のメニューは肉系。ご飯も大盛りにする人が多いとか。 女性社員にはヘルシーメニューが人気。お弁当を持参する社員も利用可能です。 コロナ禍でもランチタイムは大事なコミュニケーションの時間となっています。 この日の小鉢は「ちくわのひじき煮」「スパゲティサラダ」 【この日のA 定食】「鶏肉のカレー風味天ぷら」 【この日のB 定食】「さわら ゆず醤油焼き」 【VOICE】社員食堂リニューアルプロジェクトリーダーの原さん。「毎日昼休みが楽しみになりました」 【VOICE】「食事は温かくて美味しいです」 【VOICE】「美味しいのでついつい食べ過ぎてしまいます」 【VOICE】「お昼時間がゆっくり取れるようになりました」 食堂の一角はソファ席も用意されているリラックススペースも。 ご案内いただいた船越総務部長。ありがとうございました。
まとめ
社員の健康や交流を促進する社員食堂「スガスマ 」
同社には従来も食堂が設置されていましたが、業者の弁当を配達してもらうスタイルで揚げ物中心のメニューが多く冷たいランチの評判は芳しくなかったといいます。そのせいかランチタイムには会話も生まれず、単に食べるだけの場所となっていました。また利用する社員の座席が固定化されており、いつも同じ人と食べるようになっていました。食堂の老朽化や利用者も少なくなっていたこともあり、創業70周年記念の行事のひとつとして、社内よりプロジェクトメンバーが選抜され、社員食堂リニューアルプロジェクトが開始しました。
プロジェクトリーダーとなった原さんにお話を伺いました。
「メンバーの誰もが食堂を作るといった経験がないため、全員が『何故自分なのか?』といった戸惑いから始まりました。私はプロジェクトリーダーでしたが最初はメンバーから中々意見が出ることがなかったため、どうすればよいか悩む日々でした。そこで自分の意見ばかりを押し付けるのではなくメンバーからの意見を吸い上げてプロジェクトを進めるため、設計・施工会社の協力を得てワークショップを何度も開き、メンバーの意思統一を行ない、士気を高めました。すると次第にメンバーからも意見が活発に出てくるようになりプロジェクトが本格的に稼動し始めました。しかし食堂運営会社やカーテンや壁紙の色、テーブルや椅子の選定など、それぞれが良いと思うものが違うため決定するまでは大変でした。さらにようやく形になり始めた頃に新型コロナウイルスの感染が拡大し始め出し、急遽飛沫対策が必要となったため、自分でアクリル板の設計をして設置する事となったり、最終チェックでトレーが大きすぎるためテーブルからはみ出す事が判明したりするなどのハプニングもありましたが良い経験をさせていただきました」(プロジェクトリーダー/原さん)
プロジェクトメンバーの奮闘もあり、コロナ禍の2020年6月に「菅原社員スマイル食堂」、略称「スガスマ 」と名付けられた新・社員食堂が完成。従来とは違い温かくて美味しい料理が食べられ、健康に配慮した食事が提供されるようになりました。さらに普段接しない部署の人同士が交流できるよう、食堂の一角にリラックススペースを設け、社員専用のWi-Fi環境を整えるなど、社員からも「ランチタイムが楽しみになった」という声が聞かれるようになったそうです。
また社員食堂のスペースは、「社長塾」と呼ばれる勉強会の場所としても使われています。これは社長の考えや哲学を伝える場でもあるほか、普段直接会話をする機会が少ない社長と社員の懇親会でもあるそうです。
社員食堂を作ることで、社員の健康や交流を活性化し社内の風通しをアップデートしオープンイノベーションスペースとして活用している菅原精機の社員食堂「スガスマ 」でした。
京都府京都市山科区椥辻西潰14
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