
パナソニック エナジーは、パナソニックグループ内の電池関連事業を統合し、2022年4月に「パナソニック エナジー株式会社」として発足し、新たなスタートを切っています。一次電池から最先端の車載用リチウムイオン電池、そして蓄電システムまで、幅広いエネルギーソリューションを提供しており、2024年度の年商は8,732億円、全世界で約20,100名(2025年4月1日時点)の従業員が活躍しているグローバル企業です。
電池技術を核に、乾電池やリチウム一次電池といった基礎的なエネルギー源に加え、電動車社会の実現に不可欠な車載用円筒形リチウムイオン電池、フォークリフトなどに用いられる産業用、そしてモバイル機器や家電製品向けの民生用リチウムイオン電池を開発・製造・販売しています。さらに、再生可能エネルギーの普及を支える蓄電モジュールや、環境負荷低減に貢献するニッケル水素電池など、多様なニーズに対応した製品群が強みとなっています。
今回は、同社が和歌山県紀の川市に持つ、敷地面積9万9177平方メートル(東京ドーム約2個分)の和歌山工場を訪問。工場内の社員食堂をご紹介します。
和歌山県北部に位置する紀の川市に立地する、パナソニック エナジー和歌山工場。 エントランスには「身を支える木」と言われる「守り木」のオブジェがお出迎え。 グループ企業製のディスプレイに映る、和歌山の山々の映像が神秘的です。 工場全体のコンセプトが、和歌山を象徴する世界遺産「熊野古道」。エントランスの壁一面にはプリントされた山道が貼られており、厳かな雰囲気に! 世界中から訪れるお客様をお迎えする会議室。複数ある会議室には「梅」や「和歌山城」「白浜」など、和歌山の名産品や名所、地名が名付けられています。 構内には電気自動車の充電スタンドがあります。電池の会社ならでは? 工場内には男女別の従業員用のシャワールームも完備されています(女性用にはパウダールームもあり)。仕事終わりに汗を流してサッパリ! できますね。 それではパナソニック エナジー和歌山食堂に行ってみましょう!入る前からウッディな雰囲気に満ちています。 多くの人が同じ時間に利用するため、食堂は一方通行になっています。 杉で作られた間仕切りに沿って進みます。うっすら木の香りが漂ってくるような、癒しの空間となっています。 こちらのディスプレイ(もちろんパナソニック製)には、その週のメニュー内容が表示されています。 文字のフォントにもこだわりを感じさせますね。 メニューは「メイン2種」、「日替わり麺」「日替わり丼」「日替わりカレー」、「定番麺」、「サラダ」、「小鉢2種」となっています。 営業時間は11:30から13:30。混雑を避けるため4交替制となっています。フードロス対策として、毎朝8:30と10時30時点の入門者数を元に食事提供数を決定しています。 1日の喫食数は約300食。和歌山名物 豚骨醤油ラーメン・カレーうどんが人気だそうです。月に1回のデザートフェアも好評とのこと。 セットの小鉢類はこちらで選びます。 食堂はリフレッシュする場所となっており、笑顔の人が多いそうです。コミュニケーションが図れ、気分の切り替えができますね。 食堂センターコートのフロアは、5年間メンテナンスフリーの施工となっており、再コーティングでOKのものです。 食堂で使用した廃食用油の資源循環、脱炭素への取り組みを行っており、食堂は、廃食用油で空を飛ぶ「FRY(廃食用油)toFLY(空を飛ぶ)プロジェクト」への取り組みに賛同しています。 大豆ミート食材を使用したメニューの提供も行っているほか、ベジタリアンなど、来訪されるかたの情報を事前に伝え、個別のメニューも用意しています。 【この日のメインA】ジャークチキン(和歌山県産の春キャベツ添え) 【この日のメインB】おでん 【この日の日替わり麺】えび天うどん 【社員の声】「電池もエネルギーを蓄えますが、私たちも食堂でお昼をいただきまして、エネルギーを補充しています」 【食堂管理を担当する社員】「食堂の場で社員がリラックスして、会話もしながら食事して『午後からまた頑張ろう』と仕事に戻っていくという場所にしたいですね」 【社員の声】「メインメニューが揚げ物のがっつり系と 和食のあっさり系が選べるようになっており、その日の気分や体調に合わせて選べるのがいいと思ってます」 食堂の一角には、畳の小上がりスペース(予約制)が。足元ゆったり、外国からのお客様にも人気だそうです。 食後など、こちらのソファでリラックスできます。 食堂のイメージにあった、高級感のあるカラーリングが特徴的な自動販売機。 食堂入り口横にある売店「ショップみかん」。各種お菓子やドリンク類のほか、和歌山のソウルフードの一つ、「グリーンソフト」も販売されています。 「エンゲー部」は園芸(エンゲイ)などの活動を通して、エンゲージメントを高めるという有志のコミュニティ(演芸じゃないよ)。 春になると、食堂から桜を見ることができます。桜のシーズンはライトアップもされ、夜桜も楽しめます(画像は同社提供)。
まとめ
各職場のメンバーによるアイデアの結晶となった、パナソニック エナジー和歌山工場の社員食堂
パナソニック エナジー株式会社の新電池量産体制に向けた工場のリニューアルに伴い、従業員が休憩や昼食時に気分転換できる空間を目指し、長らく閉鎖されていた食堂が2023年7月に再開されました。和風モダンを基調とした内装は、同社の森との繋がりから和歌山県の熊野古道にある高級な食事処をイメージし、落ち着いた木の温もりが感じられる空間となっています。
従業員通用口から食堂へと続く経路は熊野古道の参道を彷彿とさせ、海外からの来訪者や顧客をもてなすための商談室や会議室は紀州の雰囲気を感じることができるように配慮されています。
食堂運営を担う業者による「大人の食育ワンダーランド」というコンセプトのもと、日々の食事を通して従業員の健康的な食生活を自然にサポートする「体験型健康給食」が提供されています。明るく質感の良い食器が使用されるなど、食事の時間を豊かにする工夫も凝らされていますし、春には窓から桜並木を眺めながら食事ができるなど、細部にまでこだわりが光っています。
また、季節やSDGsを取り入れたデザートフェアや、スイーツコンシェルジュ監修の手作りデザートの提供、職場単位の懇親会やイベントの開催など、従業員間の交流を深める取り組みも活発です。
SDGsへの貢献も重視しており、フードロス削減のための提供数調整、地元食材の積極的な活用、大豆ミート食材の導入、廃食用油のリサイクルプロジェクトへの参加など、多岐にわたる活動を展開。ベジタリアン向けの個別メニュー対応や、メンテナンスフリーの床材採用による環境負荷軽減も図られています。
そして特筆すべきは、工場リニューアルにあたり発足した「えがおの森プロジェクトチーム」の存在です。各職場のメンバーが参画し、社員食堂を含む工場内装のアイデアを出し合い、従来の工場食堂のイメージを覆す空間を作り上げました。その斬新な取り組みは近隣企業からも注目を集め、見学の受け入れも行われています。
以上、パナソニック エナジー株式会社の社員食堂をご紹介しました!
パナソニック エナジー株式会社
和歌山県紀の川市打田612−1
和歌山工場
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