── TFTの活動はどのようなものになりますか?
日本国内で社員食堂での寄付は事務局に集約しています。この寄付をどのようにして様々な国や地域の小学校に分けていくかというと、各国各地域で提携するパートナー団体がいて、その地域のパートナー団体が学校給食の運営を支援しているという形になっています。
どの地域に支援するか、についてまず重要視しているのは、「その地域にニーズがあるか?」「貧困状況が深刻で学校給食のニーズがすごく高いか?」を基準に活動しています。
さらに「その国、地域が政治的に安定しているかどうか」です。我々としては「お預かりした20円をきちんと給食に使いました」ということを報告することが義務だと考えていますので、そのためには政治的に安定している場所に行なって行きましょう、ということです。政治的に不安定な地域への緊急支援というものは必要だと思いますが、それはそれで行なっている団体がありますので、まず自分たちのできることをしっかりと行なうために必要な選択となります。
そして最後に、給食事業の管理運営やレポーティングの体制をきちんと整えてくれる団体を選んでいます。今我々の一番大きなパートナーはミレニアムプロミス(millenniumpromise http://www.millenniumpromise.org)というニューヨークに本部を置くNGOです。
TFTに集約した寄付金は、このニューヨーク本部を経由して、支援先の食材を買う資金となります。この団体は「内部監査を行ない、会計報告を提出してチェックを受けています」という運営が明らかな団体です。
もちろんTFTも内閣府認定NPOですので、年一回会計報告を提出して、そのときには税理士の方と弁護士と監事の方に確認を受けた上で提出しています。
── 活動の広がりはどのように感じることがありますか?
TFTの活動を初めて4年になりますが、最初の2年くらいはこちらから企業のCSR(社会貢献)部や総務のご担当者にお電話して、「こういう団体なんですが、一度ご説明させてください」と言っていました。それが3年目くらいから、ご参加企業のご担当者が同業他社の方に紹介してくださるケースが増えてきました。
面白いのは、本業は競業(ライバル)の関係にある企業同士でも情報交換をしてくださって、それがきっかけでTFTに参加されるというケースがすごく増えています。ご担当者同士、良いものはシェアしようという意識でつながっていることが実感できます。
あとは新聞や書籍、テレビなどに取り上げられることで知って、ご連絡くださる方が増えてきています。
── 社員食堂以外からも広がっているとか?
社員食堂から始まって、お子さんにも広めていきたいとの思いもありまして、子ども向けや親子向けのイベントも行なっています。内田恭子さんも親善大使として読み聞かせなどしていただいただけでなく、2011年の12月に絵本を出版されて、それはTFTのコンセプトを物語にした絵本です。こちらも1冊購入されると20円がTFTに寄付されるのです。
ほかには日本国内でもっともっとTFTのコンセプトを知ってもらいたいなというのがあって、子ども向けには保育園でTFTも行なっています。これは「みんなで好き嫌いなく仲良くたべよう」とか、「正しい食事マナーを身につけよう」などを子どもたちが学ぶ機会をつくる取り組みです。
日本興亜損保さんの新しい社会貢献事業で認可保育園を経営していこうということが始まっていまして、この日本興亜スマイルキッズという保育園に導入されているんですけど、月に2回くらい野菜やごはんがテーマの絵本の読み聞かせを行なって、その後、絵本に出てきた野菜に直接触ったり絵本に出てきたごはんの調理を少し体験してみよう、と。そして実際にその野菜や食材を使った料理が給食に出てくることで食べ物のことを学び、マナーも身につけていきましょう、という活動も行なっています。
この場合、保育園のほうからTFTの日の提供食数×20円を寄付していただいています。
3、4歳児にはまだアフリカのことを伝えても難しいので、実施報告は保護者の皆さんに向けて行なっています。これも実は最初は日本興亜損保さんの社員食堂から広がっている取り組みです。