
座席数は1150、メニューはランチ21種類というメガ社食。犬のお父さんもお出迎え!
メニューやレシピもどんどん改善。理想の社員食堂は「美味しくてワクワクする空間」であるべき。
今回の社員食堂は、東京・汐留に本社を置くソフトバンクグループ。2007年にソフトバンクグループ通信3社の人事制度などを統合した際に、さまざまな社内改善プロジェクトが立ち上がりました。その際、社員食堂としても日本一をめざすため、社食改善プロジェクトを開始しました。
座席数は1150、総床面積は1000坪。現在のメニューはランチ21種類(モーニング5種類、ディナー9種類)、小鉢やパンなどを含めた全メニュー数は「122」、テイクアウトを含めると「155」という「メガ社食」となっています。
また、リラックス空間としてサッカーゲーム、ビリヤードといった施設を導入しているなど、「食」「眺望」「空間」といった要素で高水準の社員食堂を実現しています。
それではソフトバンクグループの社員食堂をご案内しましょう!
東京港区の汐留シオサイトエリアにそびえる東京汐留ビルディング。オフィスエリアすべてのフロアにソフトバンクグループが入居しています。 1階のエントランスにあるグループ総合受付です。来訪客がひっきりなしのお忙しい中、撮影にご協力いただきました。 エレベーターで11階の会議室フロアへ。会議室はこのフロアだけで約70室あるそうです。ソフトバンクの携帯電話展示ブースもありました。 こちらのフロアにも受付が。美人揃いの受付嬢に取材での来訪を告げ、いよいよ25階の食堂へ。 25階でエレベーターを降りると、汐留エリアの高層ビル群が望めます。ビルとビルの合間を走るモノレールが近未来感満載です。 早速ソフトバンクグループの社員食堂「Festa」へ。エントランス左手に、今日のメニューのディスプレイが。 迷うほど広い社員食堂のため、入り口付近には案内板が。小鉢やパンも含めるとメニュー数は120以上。テイクアウトは30品目以上というからオドロキ! 食堂の入り口横ではおなじみのお父さんが。「しっかり食べるんだぞ」と声をかけてくれます!? ランチタイム前の閑散とした中、料理スタッフが準備中。11:30から14:30の間に、2500人が訪れるため、もうすぐここも人で溢れるそうです。 「社食で家系ラーメンが食べれるとは!」
家系ラーメンの味をしっかりと再現しているJOHNNY家ラーメン。仕込み中です。こちらは釜飯の準備中。社員食堂で釜飯が食べられるなんてウラヤマシイ! コーンや海藻などのサラダ、冷奴、納豆などなど。ほかにもおむすびや唐揚げ、かき揚げなど紹介しきれないくらい小鉢も充実しています。 こちらは10gあたり12円の量り売りコーナー。野菜や副食を好きな量だけ選べます。清算は重さを量る専用機器で行ないます。 「オムレツトマトソース」「ペンネミートグラタン」「白身魚のバジルソース」など。無くなるとすぐに新しいものと交換されます。 ミニトマトやカボチャ、人参、大根、オクラ、キュウリなど。女性に大人気。 食堂にはパスタ、和食、洋食コーナーがあるほか、定食コーナー、ラーメン、中華、低カロリー食などコンセプトごとに分かれています。 ローストビーフをカットしているシェフ。社員食堂でローストビーフとは・・・。 こちらはマグロの解体から。海鮮丼に乗せられるマグロは取材日の直前に穫れたものだそうです。贅沢すぎます! さあ、ランチタイムが始まりました。それぞれのコーナーに人が列を作り出しはじめています。 食堂内にある吉野家。こちらの牛丼は吉野家の中でも日本一安いとか。(通常300円が290円) ランチタイム前の食堂の状態。座席は約1150席。どの席からも東京湾岸エリアが見える眺望は絶景。 ランチタイムが始まると、座席の確保が難しくなるほどの人数が。 浜離宮恩賜庭園やレインボーブリッジなど東京湾岸エリアを眺めながら食事ができます。夏の花火大会も一望できるそうです。 こちらは築地市場や晴海トリトンスクエア方面。高級ホテルの高層レストランと同じ景色です。 こちらは前出の厚切りローストビーフ(ライス、スープ付き1,080円)。200gとボリュームたっぷり。シズル感がたまりませんね。 カニと帆立の北海釜めし 580円 築地直送きはだまぐろ使用 海鮮丼 980円 根室サンマの塩焼き定食 580円 アツアツ、激辛!石焼本格四川麻婆豆腐 570円(715kcal) ソフトバンク完全オリジナル。JOHNNY家ラーメン 490円 社員の声
「メニューも豊富な上に、味もおいしいので外に行く必要がないのが嬉しいです」「夜はバーでカクテルやビールなどのお酒を飲めたり、ビリヤードなども楽しめるので、社員の交流の場にもなっています」 「グラムデリでは野菜を多く使ったメニューが量り売りで売っているので、女性を中心に列ができるんですよ」 「好きなメニューはラーメン。社食なのに本格的でメチャクチャうまい!」 食後にリラックスしている社員の姿・・・ではなく、福岡ソフトバンクホークスのキャラクター「ハリーホーク」。 今回ご紹介いただいたソフトバンクモバイル社の方々。左から、総務本部・横尾さん、石田さん、藤本JOHNNY孝博さん、広報部・高橋さん、長田さん。お忙しい中ありがとうございました。
社員食堂のキーパーソン
社員食堂に革命を起こす男
藤本JOHNNY孝博
(ソフトバンクモバイル株式会社 総務本部 社員サポート推進部 担当部長)

(ふじもと・じょにー・たかひろ)
1964年大阪生まれ。大手外食産業ではモチベーションを向上するチームビルディングの達人として、最年少営業部長に。当時の社長の懐刀といわれるほど厚い信頼を得ていた。2010年独立後、孫正義社長の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア外部1期生として入校。その後ソフトバンクモバイルへ入社。
ソフトバンクの社員食堂は、その広さや眺望、メニュー数の豊富さ、創業30年記念イベント「ソフトバンクオープンDAY」などにより設立当初から注目度の高い食堂でしたが、「マンネリ化という壁にぶつかってきていた」といいます。
そんな中、好調期の大手外食産業で営業本部長だった藤本氏が、ソフトバンクアカデミアでの活躍を1つの契機にソフトバンクモバイルに入社することになり、その後「世界一の社員食堂をつくる」という目標を掲げると同時に、次々と社員食堂の常識を打ち破るメニューやイベントを行なっています。
そんな藤本氏に社員食堂改革に込める情熱の源泉をお尋ねしました。
社員食堂の常識を壊す! 社食界の「ラ・マンチャの男」
――社員食堂を改革しようと考えたきっかけは何ですか。
「前職の大手外食産業には社員食堂がありませんでした。ソフトバンクの社員食堂は有名だったこともあり、すごく期待して食べたんですが、全然美味しくなかったんです。
『何で美味しくないんだろう』と思い、そこで様々な会社の社員食堂を訪問し、リサーチすることにしたのです。話をきいているうちに、社員食堂で美味しいものを提供しようとしても、どうしてもコストありきのメニューづくりとなってしまうことがわかりました。それが社員食堂の常識だったのです。
私の好きな『ラ・マンチャの男』のドン・キホーテのセリフに『事実は真実の敵なり』という言葉があります。この社員食堂の常識に挑む人は今までいなかったのですが、みんなに美味しいものを食べさせるために社員食堂がある、と考える私は違いました。自分にとって社員食堂のあるべき姿は、美味しくてワクワクする空間です。そのためにいろいろな障壁があっても、そんな常識ならぶち壊してしまおう! と。
『ラ・マンチャの男』では『一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生に、ただ折り合いをつけてしまって、あるべき姿のために戦わないことだ』 というセリフもあります。
どんなことでもそうですが、常識といわれることを鵜呑みにせず、本当の目的に向かうことが大事です。『気高き心が許さない』という想いで、社員食堂改革に着手しました」
自分の目と舌でゼロからつくった「JOHNNY家ラーメン」
――実際にどのようなことを行なったのでしょうか。
「まずは目標を共有することから始めました。チームビルディングは大手外食産業で極めていましたから、食堂運営業者さんに『世界一の社内レストランをつくりましょう。そのためにどうすればよいかを考えましょう』と、呼びかけ、『世界一になるためには、既存の社員食堂の概念を壊す必要があります。それを実現したらすごいことですよね、社員が喜び、そして感謝されます。それを一緒にやりましょう』と伝えました。
さらにそれまでは食堂運営会社任せだった、メニュー作りやレシピなどすべてに口を出すようにしました。味覚に関しては自信がありますので、メニュー改善に全力投球したのです。
たとえばラーメン。一般的に社員食堂のラーメンは『安いけど美味しくない』らしいのですが、ソフトバンクで現在提供しているのは「JOHNNY家ラーメン」。今では大人気メニューのひとつですが、このような一流のラーメン屋のクオリティを毎日提供できる社員食堂は日本中でソフトバンクだけでしょう。これは食堂運営会社任せにせず、担当者が仕入れからレシピまで自分の舌と目をフル活動して初めて実現が可能となるからなのですが、私が知る限り、担当者がここまで運営にコミットしている社員食堂はありませんから」
ぶっちぎりに世界一の社員食堂をつくる!
――ソフトバンクの社員食堂はどのようになっていくのでしょうか。
「私が好きなのは『一番、人間、笑い、美味しいもの』ですので、世界一の社員食堂をつくるのに私以上の人物はいないでしょう。今後も他の社員食堂とはまったく違う、ぶっちぎりの社員食堂を目指しています。現在はメニューだけが注目されていますが、もっとビックリするような仕掛けを入れていきます。
私たちは孫正義社長とともに世界一の企業となることを目指しています。でもそれより先に社員食堂で世界一を実現させますけどね(笑)」
まとめ
「最近のソフトバンクの社員食堂がすごいらしい」
ソフトバンクの社員食堂は、その広さやメニュー数の豊富さ、創業30年記念イベント「ソフトバンクオープンDAY」などにより設立当初から注目度の高い食堂でしたが、ここ数年でさらにパワーアップしている、という声をよく聞くようになりました。
その内容は「とにかく味が美味しくなった」「毎日メニューが変わるのでランチが楽しみ」といった社員からの絶賛の声です。
「ソフトバンクの社食に何があったのか?」こんな疑問を解決すべくソフトバンクさんの社員食堂にお邪魔しました。
取材を通してわかったことは、徹底した味へのこだわり、そして提供するメニュー数。量も質も高いレベルを実現している社員食堂であるということです。
従来型の社員食堂の場合、定番メニューが日々繰り返されることも多いのですが、ソフトバンクさんの社員食堂では、日々新しいメニューがこれでもかと投入されています。しかも頻繁にイベントが開催されるため、利用する多くの社員が「今日はどんな食事だろう?」とランチタイムを楽しみにしているといいます。
社員食堂は単に食事をするだけでなく、もっと可能性を秘めた場所です。社員食堂が社員にあたえる影響は、一般に考えられているよりもっと大きいものがあります。これから伸びる企業は、社員食堂を見ればわかる、といっても過言ではありません。
そういった意味でも、今後のソフトバンクさんには期待大ですね。
東京都港区東新橋1-9-1
記事の内容は取材および掲載時点の情報であり、最新の情報を反映・担保するものではありません。